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Lyman frank Baum  1856-1919 米国の作家。ニューヨーク州生。病弱ながらも父親が石油業界の成功者であったため、裕福で恵まれた環境に育つ。新聞記者、演劇、セールスマン、業界誌編集者等の様々な職業を経て、40代から童話の創作を始める。1897年発表の「散文のマザーグース」で注目され、1900年発表の「オズの魔法使い」がベストセラーとなる。「オズ」の続編を20年間にわたり書き続け、全14巻。

 


                                   

「サンタクロース少年の冒険」 ★★
 
原題:"The Life and Adventures of Santa Claus"     訳:畔柳和代


サンタクロース少年の冒険

1902年発表

2019年12月
新潮文庫

(550円+税)



2019/12/18



amazon.co.jp

これぞ楽しい物語!
子供たちへのクリスマス・プレゼントを考える前の、若いお父さん、お母さんたち、是非どうぞ。

クリスマス物語というのは昔からいろいろありますが、その象徴というべき人物=サンタクロース自身を直接描いた物語はあまりないのではないでしょうか(子供の頃、聖ニクラウスを主役にして書かれた物語を読んだ覚えがありますが)。
 ※クリスマス・ストーリィのお薦めはこちらです。
 
本書は、そのサンタクロースと彼を囲む妖精たちを主役にした物語。
“名高いバーシーの森”で見つけられた人間の赤ん坊が、<世界の樵の長>であるアークの許可の元に<森のニンフ>であるニシルに育てられ、「ニクロース」と名付けられたその赤ん坊がついには世界中の人々に愛されるサンタクロースになるまでが、波乱万丈はほぼ無く、ファンタジーで心楽しくなるステップが描かれます。

サンタクロース、元々はキリスト教由来なのでしょうけれど、今や宗教枠を超えた、世界中の子供たちを愛する象徴的存在になっているのでしょう。
本書を読むと改めてそう感じさせられます。


第一部 生い立ち
1.バージー/2.バージーの森の子/3.わが子とする/4.クロース/5.樵の長/6.クロース、人間を見出す/7.クロース、森を去る
第二部 働きざかり
1.笑う谷/2.クロース、はじめてのおもちゃ作り/3.リル、おもちゃに色づけする/4.メイリーちゃん、おびえる/5.ベッシー・ブライスサム、笑う谷に来る/6.よこしまなオーグワたち/7.善と悪の大戦/8.「トナカイ」との最初の旅/9.「サンタクロース!」/10.クリスマスイブ/11.靴下がはじめて煙突の脇につるされるまで/12.最初のクリスマスツリー
第三部 老いてのち
1.不死のマント/世界が古びてきたとき/3.サンタクロースのお手伝いたち

     


        

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