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●「昔気質の一少女」● ★★☆ |
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1991年01月
2011/01/01
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子どもの頃からの愛読書。絶版になったままで、今回古本を購入したのを機に再読しました。 少女小説ですが、町ネズミと田舎ネズミを模したストーリィと思うと判りやすい。 都会のお金持ちの家庭=ショー家に、田舎から貧しい牧師一家の娘=ポリー・ミルトンが遊びにやってきます。振る舞い、生活がまるで違うばかりか、物の考え方もまるで大違い。ポリー・ミルトン、いわば“古風なむすめ”だったという次第。 しかし、そのポリーの存在がいつしかショー家の子供たち(ファニー・トム・モード)に影響を及ぼし、彼らも家族の愛情の大切さに少し気が付くようになる、というストーリィ。 以上が、本作品の「第一部」部分で、講談社少年少女世界文学全集に「美しいポリー」という訳題で収録されていました。 このポリー・ミルトン、子供の頃の私には、長い間理想の女の子像でした。 今から思うと、優等生過ぎると思える少女ですが、小公女セーラに比べればまだ庶民的、普通の女の子らしいところも備えています。 「第二部」は、成長したポリーが再び都会に出て、音楽教師として自活するようになってからの物語。 この第二部では、ポリー以外にも、やはり自活して暮らす若い女性たちの姿が描かれている部分があり、単に少女の成長物語というだけでなく、女性の生き方という面も描いた作品ではないかと、再読に際して感じた次第です。 いずれにせよ、子供時代から変わることなくずっと好きだった作品。再読は楽しかったです。 |