パルプ雑誌表紙怪作選

パルプ雑誌は、何て言ってもその表紙。とにかくよくここまで描けるものだ、と思う程バカバカしいものが多い。しかし、そこに良識だの、物理法則がどうのというつまらない理屈を持ち込んではいけない。素直な気持ちで見るとその楽しさにドップリと...いけない、いけない、こういったものにあまり熱中してはいけません。

以下、そのパルプ雑誌の表紙の中でもひと際すごいものを御紹介。

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Air Wonder Stories 1929年8月号 (Frank R. Paul画)

Paulは宇宙船を輪切りにするのが好きらしく、似た様な絵を他にも描いている。この様に単純明解なところがこの人の良いところ。

Wonder Stories Quarterly 1930年夏季号 (Frank R. Paul画)

この二人はどう見ても勝ち目が無さそうに見えるが、青い服を着た方は落ち着きはらっている。この怪物一つ目では距離感がつかめず大変だと思うが、それにしても何でこんなに怒っているのだろう。

Wonder Stories Quarterly 1931年冬季号 (Frank R. Paul画)

輪切りにも飽きたので...

Wonder Stories Quarterly 1932年冬季号 (Frank R. Paul画)

月を削ってどうしようというのだろうか。

Startling Stories 1942年11月号(Earle Bergey画)

Bergeyは上のPaulの絵によっぽど感銘を受けたらしく、10年も後に同じシーンを描いている。(或いは10年もすれば皆覚えていないと思ったのか?)宇宙には風が吹いているらしく、月から出た塵が風に流されている。

Astounding Stories 1931年5月号 (H. W. Wesso画)

Astounding誌もStreet & Smith社の前のClayton社の頃はこんな絵ばっかりだった。このBEMは傑作の呼び声も高く、生物学的に興味深い生き物である。

Thrilling WOnder Stories 1938年10月号 (Howard V. Brown画)

アッカーマンコレクションのオークションのカタログにこの原画が載っていた。こういうのも一つ欲しい。

Planet Stories 1942年冬季号 (Allen Anderson画)

これはすごい! 傑作だと思う。この年のPlanet Storiesは当たり年で、他の号も皆良い。Allen Andersonは、Planet Storiesの表紙を多数描いている。FinlayやLawrenceに較べると知られていないが、マニアの間では評価が高い。

研究課題:

1. 巨人が手にしている天体(らしきもの)の大きさと距離について考察せよ。

2. この巨人のプロポーションについて考察せよ。

Super Science Stories 1949年1月号 (Lawrence画)

天体投げをもう一つ。