新穂高温泉キャンプ&西穂山荘行き
1994/8/6〜8/10

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【報告文書】

 新穂高温泉〜西穂山荘〜上高地への家族キャンプから帰ってきてます。この間に見たブナ原生林は、新穂高温泉の奥、「わさび平」のものでした。8/6と8/7は新穂高温泉キャンプ場にテントを張っていたのですが、そこが珍しくブナの木の下でした(わさび平に近づくまでは多くない)。2泊を管理小屋に届け出ますと「2日続けては珍しい」と言われてしまいました。ゆったりと自然観察するってのは少ないようですね。

 食事は豪華にと準備したため大量の荷物でした(^_^;)、自分とつまばやしのザックは一杯、その上に野菜などが入った袋を下げていました。わさび平のブナ原生林の下でキャンプ・・・などは望むべくもなく、とにかくテントを張って重い荷物を降ろしてというわけです。家族でオートキャンプ、ワンゲルとおぼしき集団、明日の西穂高に備えた山ヤ、降ってきた山ヤ、などなど、それぞれのスタイルで楽しんでおられましたわ。

サワグルミ

 8/7は朝7時に行動開始、わさび平までゆるゆると自然観察しながら往復したのです。私がカメラ、つまばやしが双眼鏡、こぶながおやつ^_^;を持ってというスタイルで、遅々として進みません…。シラカンバが多いな、これがサワグルミ林か、蝶だ!、あれはカケスぢゃないか!、おっ!花だ!などとずっと林道歩きを楽しみました。さすがに暑くなってきたころ、やっとブナが見受けられるように。笠新道への分岐あたりからでしょうか。

サワグルミ

 わさび平を目前にしてこぶなが寝てしまい^_^;、しかたなく背負って原生林の中を歩きます。さすがに日が当たるところは暑く、樹林帯が有り難い。特にブナ原生林は涼しい。ほどなくわさび平到着。親二人は小屋の冷や麦を食し、こぶなが起きたところでブナの木の下に移動、小屋前の冷たい流水を利用してのソーメンです。これが旨かったのなんのって。

※この辺りのブナは、流石に谷間。スックと立っているものばかりでオブジェは見られません。葉っぱは小型と見受けました。ブナの実(殻)も、たくさん落ちていました。かなり幹の太いものも見ました。

 この後、8/8に新穂高ロープウェイを利用して西穂山荘(泊)、8/9に丸山のお花畑まで高原散策、上高地まで降る予定が途中でビバーク・キャンプ、8/10朝に上高地下山と動きましたが、ダケカンバやシラカンバが中心で、ブナは見掛けられませんでした(単に見つけられなかったのかも…)。そそ、槍見温泉からクリヤ谷を通じて笠ヶ岳に登る道にもブナ原生林があるようですが、この道は最近あまり使われていないようです。あと中尾温泉から焼岳への登り道にもブナ林が残っているとのことです。



【旅のトピックス】

●切符が昨日のものだった^^;
 8/6 特急指定(新幹線とひだ号の両方)が5日のものであることが、当日の朝に発覚。困った!と思ったが後の祭り。新大阪で泣き付いて、なんとかグリーン料金は余分にかかったものの、指定が取れてホッ。特急「ひだ号」では、名古屋駅で初めて買い求めた「名古屋麦酒」を飲んだものだ。この日は新穂高温泉に着いてテントを張ってキャンプしたのみ。荷物はザックの他に食料を中心にもう一つと大荷物となっていた。ちょうどブナの下にテントを張った。管理小屋の前。高山に着いたとき「暑い」と感じたほどであった。

●山の冷水を使った究極のソーメン^^;
 8/7 予定どおりわさび平まで自然観察。小屋のそばのブナの下でソーメンを作って昼食。冷たい流水を使ってのソーメンは旨かった。暑い中をテントまで帰ってすぐに村営温泉へ。そしてキャンプ。ずっと豪華に食事している。とにかくこの日は暑かった。林道を日照りの中を歩くのは疲れる。途中にある自然のクーラー(風穴から冷たい空気が)が有り難い。

●ヤブ蚊に狙われ西穂山荘へ
 8/8 朝にテントを撤収。すぐ裏のロープウェイ乗り場へ。すでに長打の列。途中の駅でも1時間待ち。これは無駄だ。頂上までが3時間近くかかった。それから西穂山荘を目指すが、こぶなが途中で昼寝。やぶ蚊が多いというのに。その間に小雨も降った。夏の雷雲だ。自分がザックを先に上げてピストン登り。ようやく小屋に到着したら18時。小屋に素泊まりを申し込んで別館の開放食堂で夕食。山と溪谷社の編集長とカメラマンも居られた。豪華に野菜を使ってビールも飲んでいたら、20時終了だと。急いで片づけをするも、20:25となってしまった。小屋に入って星を眺めに外に出たら満点の星。21時消灯と同時に同宿4名と就寝だ。最後に作った高野豆腐は旨かったが、掃除をすべく小屋のアルバイトさん達を待たせてしまったのは申し訳ない。

●お花畑散策は良かったが、ビバークに^^;
 8/9 朝食を小屋の前で作り、ご来光も楽しんだ。このとき急いで食事にかかったからライトを忘れたようだ…。午前中に丸山方面のお花畑まで高原散策。小屋に戻って昼食。テント場でカレー。午後1時に小屋を出て上高地に下山を始める。途中、こぶなが昼寝。自分が荷物を担いでピストンするしかない。良いテント場を18時過ぎに通過。考えたらここでキャンプするのがベターだった。もうかなり上高地に近づいたと判断したために下山を続行。こぶなは元気に歩いていたが、ここの段差が子供には大きく、時間のかかること。結局、日暮れと競争となり、時間切れ。ライトを出すべくザックを捜すも見つからず。どうやら小屋に忘れたことに気付く。仕方ないので、つまばやしのライトと簡易ランタンを使っての「ミノムシ歩行」。暗い中でそれほど動けるわけがなく、ようやくテントが張れる場所を見つけてビバーク・キャンプ。焼き餅とスープで夕食。22:30就寝。水が足りない…。谷間であったが星がよく見えて、大自然の中でのキャンプと相成った。

●FYAMA全国オフは欠席に^^;
 8/10 こぶなが起きるのを待って朝7時過ぎに行動開始。まだ急な下りが残っていた。上高地から結構登って来る。こぶなはおやつタイムが多くて遅々として進まないので、自分が先に立ち先導。上高地の登山口に下り立ったのは8:30だ。上高地温泉ホテルに行くと、朝風呂をやっているとのことで入浴。露天風呂を楽しんだ。ここは平日だというのにずいぶん人が多い。河童橋の前で朝・昼兼用の食事。もちろん生ビールで喉を潤す。すぐにバスセンターへ。FYAMA全国オフ会場の小梨平までは行けなかった。もう11:30という時間に12時初の切符を確保。美化センターに立ち寄り、片山さん宛のメモを托してバスに乗る。お土産を買う時間もなく帰宅した。しなの、新幹線ではこぶなと探索。これも情報収集の一つ。18:30に元気に帰宅した。

※FYAMAとは、NIFTY SERVEの「山のフォーラム」のこと。この年、上高地の小梨平でベースキャンプを開き、山の行き帰りでそれぞれが立ち寄ろうと企画されていたものがFYAMAの全国オフ。9日に下山して合流すると話していたのだが、下山した10日にも時間的に立ち寄れなかったもの。残念なことではあった。片山さんとはこのFYAMAの知人。シーズンを通して美化センターに居られた。


【林道沿いの花たち(新穂高温泉〜わさび平)】

ソバナ

←↓ソバナ(キキョウ科ツリガネニンジン属)

ソバナ



ゴゼンタチバナ

ゴゼンタチバナ(ミズキ科ゴゼンタチバナ属)→
 6枚葉には花がつくが、4枚葉には花はつかない。不思議なものである。



タマガワホトトギス

タマガワホトトギス(ユリ科ホトトギス属)

ヤマアジサイ(ユキノシタ科アジサイ属)



ハクサンオミナエシ

ハクサンオミナエシ(オミナエシ科オミナエシ属)

ミヤマコゴメグサ(ゴマノハグサ科コゴメグサ属)

ミヤマコゴメグサ


ホツツジ

ホツツジ(ツツジ科ホツツジ属)
 雌しべは、本の少し上向くだけ。同じ属のミヤマホツツジは雌しべが象の鼻のように上に曲がる。面白い判別方法である。

↓不明の花。オオバコの類?

はて、何の花か?



【林道沿いの虫たち(新穂高温泉〜わさび平)】

チョウ

 新穂高温泉からわさび平まで歩くだけで、自然を満喫できる。花だけでなく、虫たちにも目を向けてみよう。鳥は写真に収めることができなかったので、あしからず(^_^;)。

トノサマバッタ?

トンボ



【高原の植物たち(西穂高ロープウェイ頂上駅〜西穂高お花畑)】

アオモリトドマツ

 そう、ここから景色が変わる、植物も代わる。ここは西穂高ロープウェイの終点。ときは夏、高山植物の世界が始まる。

アオモリトドマツ(オオシラビソ。マツ科モミ属)

ヤナギラン(アカバナ科ヤナギラン属)

ヤナギラン


キオン

キオン(キク科キオン属)

ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属)

ヤマハハコ


ヨツバヒヨドリ

ヨツバヒヨドリ(キク科フジバカマ属)

アキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)

アキノキリンソウ


ミヤマトリカブト

ミヤマトリカブト(キンポウゲ科トリカブト属)

タカネナナカマド(バラ科ナナカマド属)の実

タカネナナカマドの実


ハイマツの実

ハイマツ(マツ科マツ属)の実

ミヤマハンノキ(カバノキ科ハンノキ属)の実

ミヤマハンノキの実


コケモモの実

コケモモ(ツツジ科スノキ属)の実

リンドウ(リンドウ科リンドウ属)
 オヤマノリンドウか?

リンドウ


ハクサンフウロ

ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)
 花の盛りの最後といえる。

ウサギギク(キク科ウサギギク属)

ウサギギク


【おまけ】

大きなカタツムリ

 ビバークキャンプをした朝、迎えてくれたのがこの、でっかいカタツムリ。不意のキャンプでも、自然は暖かく迎えてくれた。有り難いものである。



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