雪の重みが根曲がりのブナを育む。そして、根曲がりのブナが雪を溶かす。
雪原にブナの実が落ちている。その穴を覗き込むと、氷の世界が見えてきた。
木の根の精霊が雪と風の力を借りて姿を現した。
眩いばかりの光の中に、文様が隠れていた。
枝でも転がってできた、であるか?
小さな雪庇が春の近さを知らせている。
鳥たちの足跡か!? いや、違うようだ。
夕刻の太陽が、文様を描き出した。遠・近・中と。