加賀白山・大倉尾根
2000/7/21〜7/22

'01/1/3 登録

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《プロローグ》

 以前にもこのコースへと書いた覚えがある。そう、3年ぶり。家族で行く。今回は特に、母親が同行することと相成った。いや、温泉にゆるりと入っていてもらう。天候や諸事情により変更の可能性はあるが、こんな予定である。

 7/19(水)夜出発。名神・東海北陸道を走り、7/20(木)白川郷に立ち寄り、
   飛騨高山へ。旅館に母親を預け、大白川キャンプ場へ(泊)。
 7/21(金) 大白川から白山室堂へ。きつい登りとは聞いている。
   場合によっては避難小屋泊まりとなる可能性も…。
 7/22(土) 下山。大白川を撤収して飛騨高山へ。母親と合流(泊)。
 7/23(日) 帰阪。

 目的は白山のブナ林。付け加えられれば白山のお花畑。メンバーは、つまばやし、こぶな(小5)、ひめしゃら(4歳)。母親と合流して帰るので、無理はできない。ま、そんなところ。

《白川郷へ》

 7月19日の夜、レンタカーで自宅を出る。一路、名神から東海北陸道と深夜に駆け抜ける。名神から東海北陸道が続いたので途中、降りる必要もない。家族五人が乗り、キャンプ道具一式を積んでいる。と、東海北陸道の登り坂でイブサムが悲鳴を上げる。この車、2000ccのツインカムエンジンなのに思ったより力がない。エンジン音だけがワンワン音を上げ、スピードは上がらない。山道でもさして不足が無く、前回愛媛行きで尻が痛くなった点は改善されてもいる。けど、この一点で我が家の選択枝から外れた。

 セットでナビが付いている。あるものはフルに利用するのが我が家の方針。自宅と道の駅「白川郷」、それに飛騨高山の旅館まで登録している。途中、高鷲ICから荘川ICまで見知らぬ山中を走ってしまったが、これはナビのデータが古かったため。ナビの案内を無視して延びた高速道路をひた走った。まだ深夜、道の駅「白川郷」に立ち寄り、やおらテントを取り出し、車とテントに別れて仮眠の時間とする。

 明るくなった朝、まずは白水湖へ。どんなところでキャンプするのか、母親にも見せておこうと向かったもの。その後、白川郷に戻って散策。流石に夏休み、観光客が多い。どんどん人が集まり始める。昔のわらぶき屋根を観察したり、一通り見て回った。

 観光を終え、R156を荘川IC前に戻り、R158を飛騨高山へ。ナビ任せ。午後、迷うこともなく旅館に着く。こういうのはナビの真骨頂ですな。けど、我が家には何か物足りない。出来過ぎ。旅館に母親を預けて来た道を戻る。R156の平瀬で左折、大白川キャンプ場へ。当初の予定ではキャンプ夕食だったが、時間も勘案して途中で夕食を済ませていたから、テントを張るのみ。楽々キャンプではある。

《大倉尾根登り》

 7月21日朝8時、テントはそのままに、白山室堂への最短路、大倉尾根にとりつく。天気は上々。美しい白水湖を見下ろしながら登るのは気持ちがよい。子供を連れているのでゆるゆると休憩を取りながら。けど、この道は家族には辛い。おりしも室堂の宿は改装中で食事が出ない。当然、食材も持参。つまばやしがバテ気味となり、こぶなと荷物を交替で担ぐ始末。ひめしゃら(娘)を背負子に乗せて時間を稼ぐ方法もなかなか取れず。ブナとミズナラの森からダケカンバの森に変わる。やがて大倉尾根避難小屋。13:25〜14:00。ラーメンを食す。

残雪の雪景色/白山・大倉尾根から頂上

 辛い登りを救ってくれたのが残雪の雪景色。白山の頂上を見上げると、残雪が豊かに残っている。もう少し登ったら雪があるぞと、ひめしゃらを勇気づける。ひめしゃらは雪大好き、いや、雪遊びが大好き。これでエネルギーをもらった。雪渓を見つけてしばし遊ぶ。そのうちに我が家にあまり縁のない高山植物が見え始める。こうなるとわっさわっさと登るしかない。賽の河原で一休み。17:50。しばし高山植物の写真を撮る。飲み水も無くなってしまったが、ここまで来ればもう安心。涼しいね〜と言いながら雪渓を横切り、室堂小屋に18:00過ぎ着。

 宿泊の申し込みをしてさっそくに夕食の準備にとりかかる。食材はたっぷり持ってきている。米を炊きながら豪華に野菜炒め。子供たちにはインスタントカレーも用意している。暗くなってきたらライトをつけながら栄養補給。

《満天の星!》

 この夜、何とも言えない満天の星が見られた。小屋の消灯時間が過ぎると絶好の機会。北斗七星も天の川も手に取るように見られる。皆さん、寝ころんで見ておられましたね〜。我が家は食事の後かたづけが残っていたので、ほんの少しの間、眺めただけでしたが、充分堪能しました。

《出逢った高山植物たち》

ハクサンフウロ

←ハクサンフウロ。青紫色が濃く、色鮮やかでした。さすがに本場と感じ入りました。

ニッコウキスゲと大倉避難小屋
→ニッコウキスゲ。延々とした大倉尾根の登り道。鮮やかな黄金色が目にさわやかに飛び込んできます。この写真の奥に見えるのは大倉尾根避難小屋。

クロユリ
←クロユリ。青紫や黄、白、朱色など派手な色に彩られたお花畑の中で、隠れるようにひっそりと咲いている姿は、遠慮がちにも、異様にもとれる。群生せず、他と共存する育ち方から、やはり前者か。

コイワカガミ
→コイワカガミ。群生する姿は賑やか。しかしほんま小さい。

サンカヨウ
←サンカヨウ。実はこの花を認識するのは初めて。こんな純白な花が実になると瑠璃色に変わる。自然とは不思議なもの。

ハクサンコザクラ
→ハクサンコザクラ。白山の名を冠する花は多い。被写体は花しか見えないのはごめんね。手前はコイワカガミ。
 この他、ミヤマキンバイ、ミツバオウレン、キヌガサソウ、ヨツバシオガマ、クルマユリ、シナノオトギリ、アオノツガザクラ、ミヤマキンポウゲ、ウラジロナナカマド、コバイケイソウ、シナノキンバイなど、高山植物は豊富でした。

《エピローグ》

 この次の日は山頂にも立ち寄らず、早々に山を降りました。家族にエネルギーが残ってなく、降りも時間がかかると予想されましたから。そして無事に下山。飛騨高山で母と合流、夕食を賑やかに過ごして宿泊。最終日は飛騨高山市内を観光して帰阪となりました。そそ、飛騨高山に近い銀河高原ビールの工場にも立ち寄りましな。

 やはり白山は高山植物の宝庫で素晴らしい。ただ今回、登りが大変だという大倉尾根を家族で登れたのは幸い。4歳の娘がほとんど自分の足で登れたことは雪好きでこのエネルギーをもらえたこと、天候に恵まれたことなどがあり、ファミリーにはお勧めしませできません。自分はまた出かけたいと思っているのですが、家族は、『我が家には限界だ』『もう行かない』などと批判を浴びて這います。娘は喜んでいるのですけどね(苦笑)。

 そうそう、大白川キャンプ場はブナの森にあり、お薦めです。子供たちが素手でトンボが採れることを知ったり、ブナの森の豊かさが感じられます。ただ、大雨で林道が崩れ、閉じこめられたニュースが流れたこともありましたから、天候には要注意です。


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