船形連峰/船形山(御所山)
1998/6/27

目次へトップ報告文書船形山のブナウスユキソウギンリョウソウ在りし日の山頂小屋

※'98年の夏に、船形山(御所山)の山頂小屋が消失したとの話を聞きました('98/9月)。このとき、風雨の中を「小屋があるから」と登りましたが、無ければ風雨を避ける場所もありません。無理は禁物ですのでご注意ください。


【報告文書】

 仙台に行く機会があり、ならば是非周辺の山に入りブナの森が見れればと考えていた。どこか日帰りで行けるところはないかと探しているうちに、ここの会議室(*1)のログを見てこのコースを選択した。御所山とは山形県側の呼び方で、宮城県側から言うと船形山。

(*1 「ここの会議室」とは、NIFTY SERVE山のフォーラム山歩き&トレッキング館(FYAMATRK)の地域別会議室のこと。参考になり、有り難いものである。ちなみにこの報告文書は、この会議室に報告した文書を基本にしている。)

 あいにくの雨だったが、雨に煙るブナの森を眺め、今期見逃していたギンリョウソウを眺め、頂上ではウスユキソウやハクサンシャクナゲに出会って目的は達せられた。眺望も良い山だと聞いていたので期待をしていたのだが、眺望は皆無に終わった。なぜ「船形山」と言うのかは、判らずじまいとなったのが残念。

 【日時】  平成10年6月27日(土)
 【山域】  船形連峰 御所山(船形山)1500.2m
 【コース】 観音寺コース(林道終点〜山頂往復)
 【メンバー】単独
 【タイム】(植物観察しながらにより、一部は参考にならず)
   04:30柳沢小屋…05:10林道終点05:25〜05:56粟畑〜06:13仙台カゴ前(水場)
   〜06:25休憩06:30〜06:39楠峰下〜07:18仙交小屋分岐点07:25〜08:55山頂
   (昼食&雨宿り)10:50〜11:57仙交小屋分岐点12:10〜12:59楠峰下〜13:13
   仙台カゴ前(水場)13:20〜13:32粟畑〜14:05林道終点
 【地図】  昭文社エアリアマップ「蔵王・面白山・船形山」

 前日夜に車で柳沢小屋に入る。夕刻の18:30のこと。しっかりした小屋で水場やトイレもあり、有り難く使わせていただいた。一人独占して雨音を聞きながらライトをつけて夕食を取る。切りハムにマヨネーズを付け、まずは乾杯とする。続いて「にしん一口煮」の缶詰を暖めて一人悦に入る。コンビニで調達したお酒(菊水北越後)が旨い。明日も雨か、梅雨の今の時期、仕方がない。そんなことを考えながら前夜祭の夜は更けていく。片づけて21時に就寝。

 鳥たちの声で4時に目覚める。雨音かと思ったが、よくある例で水場の音。どうやら雨は止んでいる。そそくさと出発。林道終点までゆるりと車で入る。途中、大きなアザミが咲いていた。オニアザミか?。ウグイスの声が多い中で、カッコウの声を聞く。今期自分は初めて。すでに小雨が降り始めている。車を止めた後ろにはハウチワカエデの新芽が赤く美しい。赤い実も付けている。「柳沢林道入口」との看板には、山形県東根市山岳遭難対策委員会・村山営林署、山頂まで5.5kmとも書かれている。

 スパッツと雨具の上を付け、キョッ、キョッと鳴く鳥の声に見送られて山道に入る。すでにブナの森だ。ここから御所山の手前まで、ほとんど標高が変わらない山道が続く。よってずっとブナの森だ。雨のブナの森は濡れることがないともいうが、これだけ雨が続くと別。やはり少しは落ちてくる。ん?ずいぶん落ちてくると思って見上げると、くの字型に曲がった幹に苔が張り付いていて、そこからぼたぼたと雨が落ちてくる。入って10分ほどで雨が本格的になる。

 コマドリの声が聞こえる。ときどきタニウツギのピンク花が彩りを付けてくれる。30分ほどで粟畑に着く。ウバ地蔵分岐とあるがどうやら峠である。断続的に雨が少し強くなるが、その合間合間に鳥たちの声がする。声からするとコガラ。仙台カゴは雲間に見えたような見えなかったような。見通しがなく、確認するすべがない。トラバース道を行くようになるとやがて仙台カゴ前(水場)。ブナの森の清水をいただく。ヤグルマソウの花が咲いている。

 トラバース道が過ぎたところで休憩。山道に入ってほぼ1時間。ブナの葉は大きい。尾根筋ほどそんな感じで、日本海側の特徴であるオオバブナ。ブナの幹は集めた雨を滴り落として濡れている。高木はブナの他にアサノハカエデかミネカエデ(判別がつかない)、ウリカエデ、ホオノキもときたま混じっている。低木ではオオカメノキ、クロモジ。そしてネマガリダケ。林床にはオオカメノキの幼木が10cmほどもある葉を2枚付けている。ブナの幼木も負けてはいない。

 この辺り、タニウツギが赤い花をかなり見せてくれる。釣り鐘型のピンク色の花も2種類見た。ツガザクラとオオバスノキか(*2)?。ウリハダカエデの雄花も見えた。またトラバース道に入り、楠峰下を過ぎると、やがて右手の尾根に沿った道となる。まるでわざわざ山形県側に道を作ったという感じ。今期見逃していたギンリョウソウに出会う。まだ背が低く頭が大きい。そのうちにしっかりと咲いたものも見かけるようになる。ブナの森は土壌が豊か。だからして腐生植物のギンリョウソウも多い。

(*2 「ツガザクラ」ではなくて「アカモノ」だったように思います。葉の形が確認できればいいのですが、写真もありませんので。「オオバスノキ」ではなく「ウラジロヨウラク」だと思います。同じツツジ科スノキ属。)

 この道はかなり人が入るのだろうか、踏み跡を雨が流れるのか、土壌が禿げて荒れている箇所もある。道にたまった水を避けて通るが植生を痛める。それでも軽登山靴の中に湿気を感じるようになる。この雨、重登山靴で来た方が気にせず歩けたのにと思ったりする。仙交小屋分岐点に至る。なるほど、小屋があったことを思わせるブナの森の中のなだらかな広場。奈良・大峰の山中にもこんなところが小屋跡として残っている。昔の人は地の利を生かしていたものだと思う。ここで一休み。といっても雨の中、単にザックを置いて一服するだけ。

 いよいよ雨が本降りになり、雨具の下を付ける。面倒くさいのでスパッツの上から。どこかでそんな話が…。しかし、登りに雨にこの格好では暑い。やがて尾根筋を行くようになり、道がまるで湿地帯となる。と、目の前に張り出したブナの枝に緑に映えた実が目に付いた。頑張れよと声をかけて進む。雨水がたまり池のようになっているところで蛙の声を聞く。しばらく眺めたが姿は見えない。

 ブナの背が低くなり、ダケカンバに置き換わってくる。マンサク?の葉っぱもある。ここまで、せめてブナ帯の上限まででもと何度か引き返そうかと思ったのを押さえてきたが、雨も強くなってきた。危険を感じるほどではないので、今度は頂上のウスユキソウを狙いと急な道を暑い!と思いつつ登る。木の枝や根っこを借りて、やがて稜線に出ると、目の中に飛び込んできたのがハクサンシャクナゲ。白い花が実に美しい。

 ものの5分ほどで今度は道ばたにウスユキソウ(*3)。黄色い花心は一つ、周りに数個の粒があり、葉っぱが白い花びらに化身している。本格的に植物を見だして初めて出会ったウスユキソウ。是非にも写真に収めたいが、なんとも横殴りの雨。本当なら傘を出してでも撮るところだが、愛用のカメラは入院中。コンパクトカメラは持ってきたが出す気にはなれない。出会えたことだけでも良かったと歩を進める。

(*3 「ヒナウスユキソウ」と思われます。)

 やがて升沢コースとの分岐に至る。「←山頂」との岩の文字を頼りにその方向へ。そう、視界がなく、この時点で山頂小屋も見えなかった。横殴りの雨を左半身に感じながら行くと山頂小屋の三角屋根が見えた。その左が頂上らしい。おっと、この辺りはウスユキソウの群落。咲き誇る姿に頬をゆるめて山頂三角点にタッチ、すぐに小屋に逃げ込む。

 登山口でパン2つを食したのみで、ここまで来たが空腹を感じる。戸口は東を向いているので、明かり取りに細めに開けて朝食とも早い昼食とも取れる食事を始める。相変わらず西風が強く、風雨はおさまりそうもない。雨具の上を脱ぎ、下をずらせて着干しにかかる。汗でぐっしょりである。着替えは持っているが、どうせまた雨中に出ることになるので着干しが一番。その代わり食事をして体を暖める必要がある。取りあえずラーメンを作り、抹茶ミルクを飲む。

 こういうときの小屋というのは非常に有り難い。一室で入口が土間。8人ほどが荷物も置いてゆったりと過ごせるか。雨も土間に少し落ちるだけで風雨は完全に避けられる。奈良・大峰の避難小屋と比べると豪華なもの。最近は知らないが。ときどき雨の合間に美しい鳥の声が聞こえる。双眼鏡で確認しようにも、雨風では無理というもの。双眼鏡は唯一入口から見えるハクサンシャクナゲを眺めたのみ。少しは風雨がおさまるかも、ひょっとしたら少しは晴れ間が出るかもと期待して雨宿りをしたが風雨は止まず。

 寒くなってきたのでTシャツの上に山シャツを着て、パンと行動食をついばみ、展望は諦めて小屋にお礼を言い、再び雨中に出る。西風を伴った風雨は強い。雨具の頭巾が吹き飛ばされそうになるのを手で押さえて、もう一度三角点へ。タッチして別れを告げる。この強風が山頂一帯を吹き抜け森林限界を作っているのだろう。標高が低いのに高山植物の育つ環境ができているのは、この風だろうと納得する。ウスユキソウの群落にも別れを告げ、体の右側面に風雨を感じながら分岐に戻り、元来た道を降る。

 稜線から隠れ、急な下りになると風もそう感じなくなる。しかしこの急な下り、土が禿げてしまって降りにくい。また木の枝や根っこを借りながら慎重に降る。仙交小屋分岐点に戻って一服。鳥たちの声がする。この辺り、居座っているか?ヒーヒーコイとは確か2種類の鳥がいたはず。どちらか覚えがない。雲の中のブナの森を眺めていると、太い幹と細い幹が入り交じっている。健康に育っている証拠とも言える。北側の奥に大木が見える。ブナであろうか。ネマガリダケが生い茂っているし道も付いていない。眺めただけ。

 12:15ホオノキの花びらが落ちているのを発見。見上げるとどうやら花が。少し斜めに眺められるところに移って眺めてみると、ほんに、花が残っている。とうに終わったはずと思っていたのが間違い。遠目で見て、花心のみ見られるので、花の終わりの時期だ。双眼鏡を出して見たいが雨、諦める。盛りの花を写真に収めたいと思い、何年経ったことか。高木でもあるし、なかなか難しい。12:45カラ類の群の中に入ったようだ。コガラが目の前の枝に姿を見せる。ヒガラの声も聞こえる。しばしおぢゃまをしてたたずむ。

 楠峰下を通過し、仙台カゴ前(水場)に至る。ここでブナの清水をお土産にすべく、ポリタン1.5Lに水を汲む。自分も手ですくっていただく。休憩していると、なんとシジュウカラのつがいか、水を飲みにやってきた。水場の少し上に降りたから、ここは鳥たちの水場でもあるのか。ヒガラの声もする。来た道を、見落としたものがないか確認しながら歩いている。粟畑ではウグイスが飛び立った。ここも鳥たちが多いのであろう。ホオノキはそこそこ見られるな、なんだ!ギンリョウソウは登山口近くからずっと見えるではないか、ウリハダカエデの20cmもある大きな葉っぱがあったな、などと思い返しながら進む。

 テンナンショウ属の特徴ある葉っぱが多く見られるようになると、やがて視界が開けてきて林道終点に戻った。雨の中を雨具を脱ぎ、真新しいこのレンタカーには可哀想だと思いつつ、ザックと雨具、汚れた登山靴をトランクに放り込み、濡れた衣服のまま乗り込む。柳沢小屋に戻り、まずは顔を洗う。と、ボックスカーが林道終点に向かって走り去った。小屋の宿泊名簿に無事に下山したこと、花の報告などを簡単に書き込む。こうして誰に出会うこともなく、一人静かな山を楽しんで御所山に別れを告げた。

 本来なら小屋で着替えをして下山するのだが、今夜は作並温泉で泊まることになっているから、そのまま暖房を効かせて車を走らせる。最初の入山記録帳があるところでも無事に下山したことを追記し、2組のパーティーが入山したことを知る。やはり土曜日だ。少し走らせるとジャングルジャングルというスキー場の前に出て舗装道となる。赤茶けた駐車場があちこちに見られる。開発とは何かと思う。天候が回復してきたのか、山肌が眺められるようになり、なんとその目に潰された山肌が見えた。石灰か。

 村山野川沿いを走り、原宿で48号線の関山街道に合流。トンネルを越えて作並街道を快調に走り、作並温泉の岩松旅館に到着。旅館前で靴は洗ったが、汚れた山姿のまま立派な正面玄関を入る。旅館の人たちも「変な奴が来た」と思ったことだろう。自動ドアが開いた正面でにこやかに出迎えてくれたのはFBMANの幹事団。そう、この夜は全国から50数名が集う行事があったわけ。とにかく風呂!と、岩風呂で汗を流したのは言うまでもない。着替えて山行動はお開き。


【船形山(御所山)のブナ】

 雨の中を歩くのは久しぶりでした。昔は奈良・大峰の山中を雨でも歩きましたが、最近はできるだけ避けていたというのは事実。で、白神山地の岳岱でちょうど雨のブナ原生林を眺めましたが、今回も雨の中のブナの森を楽しんだこととなりました。

 山形県も宮城県も、どちらも初めての山です。ほとんど雲の中を歩いてましたので、遠望は利きませんでしたが、船形連峰はかなりブナの森が伐採されたと聞きます。ただ、残っているブナの森は素晴らしく自然が豊かな状態で残されていると思いました。

 基本的には日本海型でした。白神山地のようにすべてではないのですが、特に尾根筋のブナにはオオバブナとなっているものが多く見られました。コハブナも混じってはいるのですが、やはり豪雪地帯と申せましょうか。カエデ類も大きな葉っぱをしているものが見られました。ウリハダカエデで20cmほどにもなるものがありました。これも稜線でのことです。オオカメノキも15cmくらいのものがありました。クロモジだけは大きな葉っぱが目に付きませんでした。

 高木ではブナの他、ハウチワカエデ(多い)、ミネカエデ、ウリハダカエデ、ホオノキなど。低木ではオオカメノキ、クロモジなど。林床にはネマガリダケ。高木と低木の幼木が所狭しと葉っぱを広げていました。ヒメシャラは見られず。豊かな土壌を表わすのか、ギンリョウソウがあちこちに見られました。ミズナラもあるとガイドブックに載っていますが、この山行きでは見かけた覚えがありません。見落としたかな?

 ブナはそうですね、仙台カゴあたりまでは太い幹はあまり見られません。中程度のブナが林立していました。伯耆大山の夏道ほど細くはありません。仙交小屋分岐点の辺りのブナは太いもの、細いものと各種混ざっています。健康に循環している証拠でしょうか。トラバース道では根曲がりのブナも見られましたが、総じて積雪面辺りまですっくと伸び、その上が株別れをしていました。そんなことでブナのオブジェは、見られませんでした。

 船形山の直下の登りでダケカンバと混じります。この辺りは稜線に近く、ブナも高木にはなっていません。ブナ帯の上限の姿と言えましょう。山頂に近い稜線に出ると、ハイマツ、ハイマツとはちょっと違うなと思ったのは、どうやらキャラボクだったか。針葉樹はどうも不得手…。

 このコースの水場は、柳沢小屋前に引かれている水と、その後は仙台カゴの直下にある水場。ここの水を帰りにしっかりとポリタンに入れてお土産としました。そうそう、山道が尾根筋にある1254mピークを過ぎた辺りでしたか、登山道に張り出したブナの枝に若い実がたくさん付いているのを見ました。まだ緑色でしてね、若々しい姿でした。ぶなの実が多かったかどうかは不明です。なにせずっと雨で、高木を見上げるゆとりはありませんでしたから。


【ウスユキソウ】

 ウスユキソウは美しい花。先端に黄色い頭状花を数個持ち、周りには白い毛に覆われた根生葉を配した星形に見える花。スイスのエーデルワイスは有名だが、日本のウスユキソウは名前がそれほど売れていないと思う。スイスより種類も多く、バラエティーさも楽しませてくれるというのに、日本人の海外好みには悲しさも感じてしまう。

 「すぐに役立つ 山の花学」(小野木三郎著。東京新聞出版局)には、次のように分類されている。


「とくかく狭い国土の日本の中で、しかも山岳ごとに種が異なっているのが日本のエーデルワイス類です。整理して名前だけ列記してみましょう。
  ウスユキソウ→その変種に、コウスユキソウ、ミネウスユキソウ。
  ヒナウスユキソウ(ミヤマウスユキソウ)→その変種に、ホソバヒナウスユキソウ。
  コマウスユキソウ(ヒメウスユキソウ)。
  ハヤチネウスユキソウ→その変種のオオヒラウユスキソウ。
  エゾウスユキソウ。
これに千島のチシマウスユキソウを含めると、日本産のエーデルワイスは6種4変種という賑やかさになります。」


 船形山の案内をあちこち当たっているうちに、どの種別か覚えてないけれども、ウスユキソウが咲いているというものを見て、是非、この花に出会いたいと思っていました。今年は花の時期が早いから、ひょっとしたらと期待していたのですが、出会えたときの感動は、なんとも言えなかったですね。

※こういう希少な植物は、必ず山で観賞するようにしましょうね。採ってはいけない。もともと、植物には育つ環境があります。そういう環境を皆が尊重して、壊すことなく、見たくなったら訪れる。訪れれば必ず見ることができる。そんな風に残しておきたいものです。


【ギンリョウソウ】

 ギンリョウソウは腐生植物。落葉樹の作る豊かな土壌で育つんだなと思った。最初に注目したのは白神山地の秋田側、岳岱のブナ原生林保存地域。暗い林床の中で、ひっそりと実を付けていた。それが「タコの赤ちゃん」そっくりだった。

 今回の山行きで、久しぶりに再会した。まだ丈も短く蕾が大きな頭でっかちなものから、見事に鱗を張った花盛りのものまで。あの鱗は、やはり葉っぱですよね。触ってみると結構固く、骨のよう。茎を折らないように慎重に花を上げて覗き込んだら、花心は緑色なんですね。カエデ類、オオカメノキ、クロモジが混じるブナの森で、豊かな土壌が作り出しされているところ。梅雨の時期、当然ながら高木の木々が中低木の木々が葉っぱを広げ、日光を遮っている。

 銀竜草とはよく言ったもの。いかにも竜が頭をもたげている姿と評したい。別名「ユウレイタケ」。幽霊と評すのは可哀想。日が当たらないからこそ色素がない。いや、性格には花心に色がある。豊かな土壌であるからこそ、その恩恵を受けて育っている。そういう背景があるからこそ存在する。役目が必要でなくなって退化したとはいえ、葉っぱがある。花の形もある。花心もある。蕾も付け、花を咲かせ、丸い実も作り出す。


【在りし日の船形山山頂小屋】

在りし日の船形山山頂小屋

 この写真は、あっくす(NIFTY SERVE CXW04167)さんからお借りしました。在りし日の山頂小屋です。

 その後の情報で、'99年中に立て替えられる予定だと聞いています。周辺の2市4町が資金を出し合うとも、総額3,000万円もかかるのだとも。無人の小屋は特に、「来たときよりも綺麗にして帰る」考えをもとに、大切に使いたいものですね。



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