芦生の森(三国峠登山口)へ
1998/7/11

'98/7/20;'99/5/22更新(写真挿入)

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【はじめに】

 芦生の森へは、昨年秋に西側に出向いた。そう、京大演習林事務所のあるところ。単に森林軌道を少し歩いただけであるが、まずは玄関口にご挨拶しておかねばと日帰りで出かけたものである。その後、「植物を志す人間は、まずここの森を」というような大げさなものではないが、牽かれたものである。5月の連休に家族で来る予定が、雨で諦め、大山に行った。その後も機会があればと狙っていたところが今回、その大雨で当初の予定を断念して、ここに出向くことができた。まるで雨のブナ林をまず見てからと言われたような気がする(笑)。

 とはいえ、雨はまだ続き、子供連れであることから、ちょっと様子見と覗いた程度に終わった。「芦生の森から」(かもがわ出版)には、生杉〜クチクボ峠〜三国峠〜芦生のコースについて、『あまり紹介したくない』と芦生の森を知るには手軽すぎるコースだと書かれている。もう一つ、『急にとってつけたような登山路。道というより強引に踏み場所を作ったような急坂が続く』ともある。これを覚えていて、三国峠までと思いつつ、途中で断念した経緯がある。


【報告文書】

 偶然というか、赤坂山に登るのを諦めたとき、さてどう一日を過ごそうかと考えたとき、そや、ここは朽木に近い。んでは芦生の森の東端に行こう!と急遽向かうことにしました。そう、向かうは生杉。雨に煙るブナの森です。5月の連休、同じコースで、家族でと考えていたのですが、当日に豪雨、キャンプ地も家族向きではないと判断して伯耆大山に変更したのでした。いわばその挽回策と申しましょうか。朽木に戻り、もう10年も前か、朝日の森キャンプ場でオフがあったことを思い出しました。途中までこのコースを走ったなと思い出したものです。

 ネムノキがあちこちで綺麗に咲いている道路を生杉に向かいます。細い道ですが、舗装されて快適に走れました。やがて立派な休憩所があり、トイレもある三国峠登山道(実際にはクチクボ峠への登山口)に着きます。休憩所で早い昼食、いや、おにぎりを長男のこぶなと食して、雨具をつけます。雨はそこそこ降っていて、見上げると鬱蒼としたブナの森が姿を見せています。

自然観察路

 ブナの森の水を汲んで、自然観察路に入ります。簡単に一周するコースがあります。その途中からクチクボ峠への道に入りますが、案外の急坂で道があまり良くありません。こぶなが足が痛いと言い出したのを契機に、15分ほど入ったところで休憩。ブナの森の様子を観察します。そう、耳を澄ませた。

 こぶなを一人で歩かせるには安心できない道を、見守りながら自然観察路に戻り、あと半周を回りました。太いブナがあり、トチノキの大木もあり、ツル性の大木もありました。ツツドリとウグイス、それにヒグラシの声が聞こえていました。観察して記録した植物類は次のとおり。

 トチノキの実、小さなトカゲ、きのこ、カタツムリ、濃い茶色の胴の細いカエル、オオカメノキ葉、コアジサイ葉、ユズリハ葉、クロモジ葉、ウリハダカエデの幼木、サルトリイバラ葉、コハウチワカエデ葉、ハウチワカエデ葉、1本シダ、ネマガリタケ、マンサク葉、ヤマボウシ葉、アジサイ花。


←写真は'98/9/19に撮影したもの。


 本来なら、クチクボ峠から三国峠までぐるっと回る予定をしていましたが、この雨とこぶな同行、思ったより足場が悪い登山道。「また来るぞ!」と様子見したのみでありました。この日、10名ほどのパーティーが、道路を歩いておられました。休憩所には1台の乗用車がありました。ゆるりと観察した後、マキノ高原へ戻りました。もちろん、ここのブナの清水を2L、お土産に持ち帰りました。


【あとがき】

 また機会を作って、今度はゆっくりと訪れたいものです。


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