金森 俊朗 教育者

ISBN978-4-04-710116-6  本体724円(税別)

金森先生の新しい本が出来ました!
今、学校・教師・親はどうするべきか。
子どもを取り巻く様々な難問に、
根本的な答えを提示。読んで
なるほど!と感動の連続です。





親は、子の生涯を保護できない。
これからは、危険や災害を見通し、備える力・いざというとき瞬時に判断する力・人と人とをつないで協力する力・困難の中でなけなしの条件を引き出す力が必須である。これらの力=真の学力を習得、発揮するための具体的なプロセスを開示した現代人の生きる教科書。




第一章 国家は子どもに何を求めているのか

「学力低下」「教師の指導力不足」などは、教育基本法改正のためや教育予算の差別化・選別化、さらには教員の自主的服従を強めるための道具に使われている。「騙されてはいけない!」という渓谷を掲げ、実践の場から問題と対策を明らかにしよう。

第二章 教師の指導力不足は本当か

教師の指導力不足が指摘されているが、スケープゴート的な要素が強い。教師にとって指導力を発揮しにくい悪環境が作り出されている。教育現場からの悲鳴と、その中で指導力を発揮するための工夫、その真の指導力そのものについて論じよう。

第三章 子どもの生活と内面世界はどうなっているのか

子ども達は間違いなく二十一世紀に生きていて、競争社会や格差社会の中で苦悩している。大人社会が投影され、さらに閉鎖性を持つ学級という場所でほとんどの時間を過ごす。子ども達がどのような社会のもとにいて、どのような叫びを放っているのか。大人や教師がすべきことは何か、を明らかにしよう。

第四章 いじめをどのように克服するか

学級・学校は小さい社会であり当然様々な問題が起きる。大切なのは、その問題の解決を通して、人間を見る目を深めたり、問題解決の仕方を学ぶことである。その方向からいじめ問題を考える。

第五章 本物の学力とは何か。

子どもの学力が低下したと言われるが、そういっている大人にも「学力」は、ない。真の学力とは何かを問い、受験知と生活知の違いについて言及し、生き抜くための「学力論」を提起しよう。

第六章 親は子の成長とどう向きあうか 

親の過剰な期待は子どもに重くのしかかり、過剰な要求に教師は息苦しさを感じる。教育再生会議の言う教育力には、大きな問題がある。大事なのは、親がキャッチャーになり、(母)親ひとりで抱え込もうとせず、共同の子育てを行なうことである。

第七章 生き抜くための土台づくり

仲間や友と共同してハッピーに生きるためには、これから直面するだろう様々なハードルを乗り越える力が必要になる。親は、その子の生涯を保護することはできない。状況を読み取り、選択肢を多様に考え、意思決定する力を子ども時代から大切に育てていかなければならない。