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ルナール数(1)実用的等比数列

コピーの拡大や縮小で、迷ったことはありませんか? B4 から A4 にというように、あらかじめ縮小率が決まっていないとき、例えば50%では少し小さすぎる、71%(A3 から A4 にする場合の縮小率)では大きすぎるとしたら、どういう数字を選びますか? 適当に選んでしまうと、もしまたその数字が必要になったとき思い出すのが大変です。

50%、55%、60%...のような等差的にキリのよい数字を、試行錯誤で選んでいる人が多いのではないかと思います。人間の感覚にとっては、差より比の方が重要なことが多いのですが、等比的な数列になじみが薄いからです。

そんなとき、迷わず適確な数を選ぶために、Renard が実用的な等比級数として考案したルナール数を使うことをお薦めします。

音階
ところで音階は等比数列です。新しくルナール数を覚えるより、なじみのある等比数列として音階を使えばよい、と思う人もいるかも知れませんが、実は21/12≒101/40ですから、R40 は平均率音階そのものです。
ルナール数の原理
R10 は公比が101/10,R20 は公比が101/20,R40 は公比が101/40の数列です。R10 は丁度dB(デシベル)に対応します。

ルナール数の特徴
  • 数値の段階が等比的です。従って、ルナール数の積や商は、またルナール数から選ぶことができます。
  • 10の冪からとられていますから、10進法とよくなじみます。
  • 必要に応じて簡単な方から使用しますので、迷いません。いつも決まった数字を使っていれば、思い出すのも楽です。
  • 公的な規格(JIS Z8601-1954 標準数)ともなっていますから、他でも使われる可能性が高く、標準化しやすくなります。その数字を選択した理由を人に説明しやすいという利点もあります。
  • 覚えやすく、それでいて実用的な問題がないように丸められています。
  • よく使う定数、例えばπ≒√10≒3.15、φ(黄金比)≒1.6 や√2≒1.4 の近似値が含まれています。
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