北京 第2日
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北京には世界遺産が5つある。実質3日しかないので、少しは計画的に行動しなければならない。まず、自分達だけでは行けないが、どうしてもはずせない長城をどうするかである。「地球の歩き方−北京−」に紹介されていた劉恒江さん(pekinsanpo@263.net)に電話(8797-1062)してみると、9月4日なら空いているという。4日は長城見物に決まりである。
京劇と雑技も見のがすわけにはいかない。幸い梨園劇場のある前門建国飯店は新北緯飯店から近い。(すぐ近くだと思ったが、北京のスケールが大きいので、最初地図を見た時の印象よりは実際は距離があった。)直接行って90元の席を予約。親切な前門建国飯店のコンシエルジュは、我々が雑技にも興味を持っているというと、明日の万「月生」劇場の予約の手配までとってくれた。これで3日間の予定は決まり。(ずいぶん大まかだが、我々のいつものペース。)
まずは天安門・故宮に向かうことにする。地図の上では歩いてもなんとかなりそうな感じだと思ったのだが、実際に歩いて見ると大変。気温も高く、湿度はさほどではないが、その分ホコリっぽい。歩いている人はけっこう多いが、水筒かミネラルウォータのボトルは必須。その上、何と行っても交通ルールがあってなきがごとしなのである。虎坊路を虎坊橋まで歩いたところでタクシーに乗った。(3日、4日は小雨が降った。雨宿りしたのは一瞬だったし、日射しもやわらいでホコリも少なくずいぶん助かった。)
言葉ができないとバスには乗れそうもないし(どこで降りるのがいいのかわからない)、地下鉄は路線の数が少なくてちょっと使えない。タクシーは初乗り10元(約150円)、市内なら20元を越えることはなさそうなので、二人分と考えると東京の地下鉄よりは安い。
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日射し強く、日傘である。 |
かなり広い。愛国的合唱曲(?)のようなものが絶えまなく流れている。天安門とは反対側にある毛主席記念堂の前には長い列。そのほとんどはお上りさん風中国人。遺体がお目当てだろうか。
天安門の真ん中の門は皇帝、皇帝の父母、皇后の輿入れ、科挙の最高位3名の退出用。門前の5本の橋も真ん中は皇帝専用。もちろん真ん中の門から天安門をくぐると、端門が見える。端門をくぐると午門が見える。午門がやっと紫禁城の入り口である。この歴史的建造物群は今はその全体が故宮博物院となっているが、宝物の多くは持ち出されて台湾の故宮博物院にある。これでやっとその両方を見ることができた。太和門をくぐると太和殿が見える。
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太和殿 |
建物だけでも全部見るのは大変。とにかく、午門から神武門まで(皇帝専用の)真ん中を通り抜けることにする。太和殿に続く中和殿、保和殿までが外朝。乾清門をくぐると内廷となり、乾清宮が見えてくる。昼食を北海公園内の「イ方」膳飯荘で食べるつもりだったのだが、13:30までとなっている。内廷は門の名前も建物の名前も確かめもせずに歩いてしまった。神武門周辺は物売りが多く、振り切って北海公園へ。
とにかくまず「イ方」膳飯荘へ急ぐ。かいあってなんとか間に合うが、最後の客らしく店は片付けモード。
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![]() 味はあっさりめである。焼餅に肉でんぶをはさんで食べるのは西 太后ゆかりの点心。義和団事件で西安に逃れた際好物になった庶 民の味。店内は内装もりっぱでウエイトレスも貴妃の衣装。 |
「イ方」膳飯荘 | 宮廷料理 |
雨が降ってきたので渡し船で北岸に渡るのはあきらめ、五龍亭を対岸から眺める。北海公園も広い。蓮の花を見ながらうぐいすの声がきける場所があるかと思うと、中国人の団体旅行客(大騒ぎである)に遭遇したりした。柳が美しい。
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公園内にある閲古楼 三希堂の法帖の模刻石板が495枚はめこまれている。 |
公園内の標識。 中央一番下は爆竹禁止か? |
紫禁城の北、北海公園の東に位置する。例によってよく案内図を見ないまま進み、道なき斜面をよじ登ることとなった。失敗に学ばない二人は下りも道から外れたのであった。
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高台の上にある万春亭からは紫禁城が一望できる。(ビデオで撮影したものを連結) |
タクシーで老舎記念館へ。日本での出版が意外に多いことを知る。フランス、ドイツでの出版や、生活用品も展示されている。
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このあたりの胡同もオリンピックまでには取り壊されるらしい。 |
帰り際に館長さん(?)が出てきて、親切 |
老舎記念館を出ると、王府井大街は近い。日本や欧米のショッピング・ストリートと何ら変わらない。新東安市場地下でCDを購入。
CDショップは多くけっこう夜遅くまで開いている。看板には、たいてい音像の文字が見える(Audio Visualの意味と思われる)。日本と違い売り場にはVCDが目立つ。SVCDを期待していたのだが、見つけられなかった。むしろDVDが予想以上に普及している。どうせPALだからとちゃんと見なかったのを今となって後悔している。再生できなくても値段とフォーマットの調査のつもりで一枚くらい買うのだった。帰るまでに2軒で以下の4点を購入。
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劇場に早めにいったのは正解で、ツアー団体客がくる前によい席を選ぶことができた。しかし、どうせ撮影禁止だろうとビデオカメラをおいてきたのは大失敗。撮影している観光客の多いこと。後から相席したのはオランダからのツアー客だった。
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注ぎ口の長いポットでお茶を注いでくれる | 開演前の化粧の様子 |
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この日の演目は三岔口と虹橋贈珠。どちらもアクロバチックな見せ場の連続。 |
劇の終わるのが午後8時40分頃なのだが、ガイドブックを見ると8時半頃閉店となっている店が多い。しかたなしにホテルに帰ってまた昨日と同じ宝山風味楼へ。後で劉恒江さんに聞いてわかったのだが、食堂が皆こんなに早く閉まるわけではない。国営の店だけが早いのである。ガイドブックに紹介されるような有名な店は国営が多いため北京の店は夜が早いものとすぐに諦めたのが敗因である。しかも、東京と違って客さえ入っていれば味にはずれはないらしい。そうと分かっていればガイドブックにたよらず探したのだが...