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− バイクデビューと早池峰山 − 車中 1 泊日帰り

7 月××日 【晴れ】

 3 時きっかりに熟睡状態から目覚ましで起床。眠ってからすぐに起きた感じだ。周囲はまだ真っ暗でひっそりとしている。デリスペくんの両隣に昨晩はなかった乗用車が駐車し、中に人が寝ている。ゆっくりと起き出し、おもむろに準備を始める。着替えて外に出ると、深夜に来たと思われる車がたくさん停まっている。朝食のパンを食べながら、ゆっくりと準備をしていたら周囲が急に明るくなった。急がねばならない。4 時 45 分にバイクで出発。エンジンは 2〜3 回でかかり、朝もやの林道を気持ちよく登る。このバイクで走るのは購入時以来( 参照: A 地点から B 地点へだ。約 3 km 程走行すると両側に駐車禁止の張り縄のある小田越に到着。張り縄の向こう側にバイクを置いた。小田越で誰かを待っていたおばさんと話をしたが、去年は河原坊から登って小田越に降りたが、小田越から登った方が楽だろうと思ったそうだ。

 4 時 55 分に登山道に足を踏み入れる。少しの間は木道があったが、すぐに大きな岩が連続するコースとなった。すぐに高山植物が見え始め、気候の厳しさが感じられる。ひどいガレ場を過ぎるとなだらかになり、ハヤチネウスユキソウが全開で咲いていた。良い花があるとザックを降ろして写真を撮っているので、その間に何人かの登山者に抜かれる。頂上が近づくと再び道が険しくなり、梯子場の手前で三脚をザックにくくりつけた。ずいぶんゆっくりと登っているが、後から来る大勢の人達もなかなか来ない。結構きつい登りなのだ。今回から導入した高度計つきの時計は、棒グラフで登ったことが表示され元気づけられる。7 時 31 分に早池峰山と剣ヶ峰を結ぶ尾根に到達するとほぼ平坦になり、木道があって高山植物が多く見られる。湿地があり、きれいな高山植物がたくさん咲いていた。写真を撮りながら徐々に進み、8 時 06 分に山頂到着。50 人ほどの人がウロウロしている山頂で自分を入れた写真を撮る。天気は快晴で申し分なく、遠くまで見渡せる。今日はエーデルワイス合唱団が来るはずだが、聞いてみると9時に小田越から登るそうだ。昼頃になってしまうので会えそうもない。頂上の北側はお花畑になっていて、たくさんの高山植物が咲き乱れているが、ハヤチネウスユキソウはまだ早いようだ。

 8 時 45 分に河原坊に向かって下山開始。下りに関しては河原坊に下る道よりも、小田越に下る道の方がきついだろうと予想していたがとんでもなかった。すごいガレ場で、踏み出した足下の結構大きな石が動いてしまう。時には石が転がり落ちて危険だ。慎重に降りている自分を抜いていったジャージ姿の青年が目の前で転げ落ちた。腕を擦りむき、全身打撲もしたようだった。自分も足がいっぱいだ。今日は猛暑なのかとても暑く、熱射病まで心配するような状況だ。同じ頃に下山を始めた人たちも前になったり後ろになったり、ずっと自分のまわりにいる。皆この下りにげんなりしているようだ。途中に沢の水場があり、大勢の人が水を飲んでいる。自分もごくごくと飲んでしまった。右の膝が痛くてたまらなかったが、一歩一歩頑張って下る。結構軽装な人達が団体で登って来る。全部で約 200 人とすれ違った。林に入っても登山道らしき道はなく、沢づたいの岩道なので歩きにくい。何度か岩の割れ目に足をつっこんだり、岩に爪先が引っかかって抜けなくなってしまったりで、危うく捻挫をするところであった。もうバテバテで、沢にタオルを入れ、顔や頭を水浸しにしたときにはとても気持ちが良かった。熱射病の一歩手前というところか。しばらく歩いて砂防ダムで休憩し、コンクリートの上から覗くと、まだだいぶ遠くに建物が見える。げんなりしていると、登ってきたカップルがあと 5 分位だと言う。それならばと歩き出したら本当に5分そこそこで河原坊に出た。バス停には大型のバスが 5〜6 台あり、入山者の多さがうかがえる。もうすぐそこが駐車場だ。11 時 45 分、デリスペくんに到着。

 右の膝は痛くて曲がらない。確か以前に痛めたのは左膝だったが、頭が熱射病なのでよく思い出せない。少し休憩し、デリスペくんで小田越に向かう。デリスペくんの後部はごちゃごちゃだったが、何とかバイクを押し込んだ。12 時 15 分、小田越から帰路に着く。まだ着替えていないが、車の中は暑くて着替える気がしない。一般道をしばらく走行すると携帯電話の電波マークが出たので家に下山報告をした。13 時 10 分に紫波インターから東北道に入ると、途中で 4 km 程渋滞したが概ね順調で、19 時 30 分に練馬の自宅に到着した。

( 早池峰山= 1,913.6 m )

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