「山天大畜」
八雲紫です、ごきげんよう
少々長く睡眠を取りすぎたせいか、
季節ボケ気味で周りの状況を確認しているところです。
この冬の間も式神達が眠ることはありませんので、
キチンと情報は収集しております。
どうやら私が眠っていた冬の間、大きな揉め事はなかったようですね。
そもそも今争っても意味など無いのですから、当たり前といえば当たり前でしょうか。

幻想郷は今、大きな秩序の転換期に来ています。
近年「博麗霊夢」の登場で、幻想郷の秩序は大きな変化を迎えました。
その反動は大きかったようで、
これまで築き上げてきた人間と妖怪の関係、幻想郷での妖怪の在り方が大きく軋み始めました。
人間達は再び妖怪たちの脅威に怯え、
妖怪の山はその社会構造、力関係に混乱をきたし始めました。
さて、そのような幻想郷ですが、
力のある者達は割りと暢気だったり、そ知らぬ振りだったりするようですね。
しかし、どうやら中には自分達に何が出来るか模索しているものも居る模様です。
魔理沙たちも色々考えているようですね。

霊夢の友人の魔法使い達が夜な夜な集まっては怪しげな会合を開いているのは知っていたけど、
生贄の儀式や呪いの魔法がなにか関係あるのかしら?
……
後ろで魔理沙がなにやら否定しておりますわ。
「純粋な魔法使いの研究活動の題材だー」だそうです。
……
収集した情報を基礎に魔力をもった人形を用いてその位置関係から…、
なんですって?
なんだかよくわからないわね。
門外漢なのできちんとした説明は魔理沙がやって頂戴な。
……
折をみて話すから今はいいそうです。
だったら私の話の腰を最初から折るものでは無くてよ。
……
「だったら適当な話をするな」だそうです。
他人の振り見て、ですね。

そういえば、冬の間はウチの式神はよく紅魔館に出入りしていたようです。
あまり馴れ合うものではないと躾けてはいるのですけど、
自分なりの考えをキチンと持ってるものですから、ね。
どうやら紅魔館の悪魔さんたちは我関せずの模様ですね
ですけどこの幻想郷全体に関わることですし、
無視が決め込めるものかどうか…
寧ろ大きな力を持ってるんだから、
この機会に妖怪たちの社会に食い込むような覇権争いをやったらどうなのかしら?
……
そうね、霊夢の言うとおり、
巫女だけにならともかく、一度手酷く"妖怪たち"にもやられているからね。
そういうのはあるかもしれないわね。
まぁ、紅魔館だけではなく、
幻想郷の生き物の特徴なのかもしれないけど、
「私は知らない」という立場の者が多そうではありますね。
とはいえ、各々の思いとは別に、
大きな事件になるのだから、
否が応でも関わらざるを得ない状況になるものは少なくないでしょうね。
コホンッ
これまでも何度か幻想郷は同じような状況を迎えてきました。
その度に私達妖怪と人間は知恵を出し合い、
時に大きな犠牲を払いながらも、
危機を乗り越えてきたのです。
今回も同じです。
妖怪、人間、神すら失われても、この土地は残ります。
そしてここが失われさえしなければ、新しい命は始まることが出来るのです。
そう、この幻想郷を守られ、存続することこそ私の願い。
それを叶えるために、
人間や妖怪たちが、
悲惨で、残酷な運命を背負う事も
認めなければなりません。
そう、
時には

私が

この手を汚すことも

それはありうることでしょう。
それではまた、ごきげんよう。
…
……
あまり人の話をまじめに聞いていないようね、
あなたたちも同じなのよ、霊夢、魔理沙?
……
何、次来るときは酒持って来い?
そうね、春野菜を藍に集めさせて宴会をしましょう。
ひとまず、この騒動が一段落したら、ね。
……
春野菜がつまみの宴会なんてシケてるですって?
……
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