○三十路からの日本経済学入門

その3 不動産屋への道(3)(1998.3.25)

 封建社会が国の体制として今に続いていたら勿論良いとは言わないが、”士農工商”という意識は今の日本が失った精神性や美意識の根本にあったような気がする。

 政治家、官僚の不祥事が続くのも戦後日本の為政者が武士の魂を失い、私利私欲に走っていることにこそ源があるように思う。

 ”一億総商人(あきんど)”化したのが現代社会であり、価値基準が金銭的なものに支配されている。労力の割に収入が低いために農業や工業が疎んじられ、若者は都会に出て楽して儲けられる仕事を望む。果たしてそんな風潮の日本に未来があるのだろうか。

 小手先の景気復興政策などの前に、根本的な部分で経済構造を見直して欲しい。一人一人の意識改革も必要だが、戦国武将のような骨のある政治家の登場を期待したい。

 というわけで不動産業というまさに商売根性たくましい業界で、武士道に則って生きていきたいとあらためて思う。プライドを捨ててまで儲けに走ったところで知れているし、自分の人生目標は他にある。

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