お笑い文化論   Culture of Comical Entertainment 吉田 章一
選択2単位 2・3年前期
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1. 授業のねらい
 笑いは人を楽しませます。これまで芸能や文芸が笑いを提供してきました。ゆとりある人生には笑いが欠かせません。社会人としての人間関係で、お笑い芸能・文芸のジャンルについての知識を持ち、ユーモアの感性を身につけることは強みになるでしょう。笑いの芸能・文芸にはいろいろなジャンルがあります。笑いを提供する職業も多岐にわたっています。歴史を経て分かれてきた結果、それぞれ特徴を持っています。お笑い文化全般について学びます。
2.
授業の概要
 ジャンルごとに、お笑い芸の歴史と特徴について学び、優れた演者・作者の演技・作品にもなるべく多く触れるようにしたいと思います。
3.
授業内容のレベルと関連科目
 講義とビデオ鑑賞を中心にします。鑑賞方法を紹介しますので、興味を持てたジャンルについて自分で実演鑑賞や読書をすることを期待します。
 別の授業「落語文化」とあわせて受講することを勧めます。
4.
テキスト、教材
 特に指定するテキストはありません。自分で参考書や教材を見つけて学習することを期待します。
5.
成績評価の方法
 定期試験、および出席率で評価します。定期試験ではノート持ち込みを許します。良いノートを取ることが良い成績につながります。
 レポート提出は求めませんが、自発的に提出すれば高く評価します。
6.
資格認定・一部試験免除との関連
7.
授業の形式・計画
【第1回】笑いの生理とお笑い芸の効用
 オリエンテーションとして、授業の進め方と受け方について説明し、笑いが健康に良いことなどを話します。毎回事前学習は不要ですが、ノートをしっかり取ってください。
【第2回】お笑い芸の種類・系譜
 神話の時代から日本人は笑いが好きでした。笑いの提供を職業とする人が現れ、さまざまに分化しました。その系譜をたどります。
【第3回】滑稽・笑いの心理的背景
 人はおかしいことがあるとなぜ笑うのか、哲学者たちの考えの概要を紹介します。
【第4回】ユーモア・ウィット・ジョーク・ギャグ
 良質の笑いをユーモアと呼びますが、これは体質的なものでセンスが必要です。ある程度訓練すればそれを持つことができます。洒落が言えるセンスを磨きましょう。
【第5回】漫才
 世上には笑いの種が豊富にあります。世上のアラを材料にしたお笑い芸の代表としては漫才があります。
【第6回】コント・漫談・ボーイズ
 比較的新しいジャンルとしてコント・漫談・ボーイズについて話します。
【第7回】喜劇
 物真似に始まったコメディは古くから楽しみを人に与えてきました。やがて映画というメディアが現れると、チャップリンから寅さんまで多くの主人公が登場しました。喜劇全般について話します。
【第8回】見世物・曲芸
 伎倆で驚かせながら笑いを取る芸能について話します。
【第9回】ことば遊び
 同音異義は洒落のはじまりです。同音異義はことば遊びにも使われました。
【第10回】なぞなぞ・判じ物
 なぞかけも意外な解答があれば笑いの種になります。昔からあるなぞなぞを紹介します。
【第11回】江戸小咄
 江戸時代にはたくさんの小咄本が発行されて、今の落語の原話として使われています。作品をいくつか紹介します。
【第12回】外国の小咄
 小咄は、日本だけでなく外国でも盛んに作られて楽しまれました。エロティックなものも含めて題材は豊富です。
【第13回】滑稽文学
 代表的な滑稽文学を紹介します。
【第14回】落語
 笑い芸の頭である落語の歴史・特徴・演者の概要について話します。詳細を知りたい人は「落語文化」の同時受講を勧めます。
【第15回】定期試験
 授業理解の最終確認として筆記試験を実施します。