CAD/CAM   Computer Aided Design and Computer Aided Manufacturing 吉田 章一
選択2単位 2年後期
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1. 授業のねらい
 商品を作る場合、まず顧客の要求する機能・外観を実現するために設計を行って、図面と仕様書を作成します。さらに生産現場に設計者の意図を伝えるために製作図を作ります。計算機を導入することによって製図の仕事が省力化されました。生産工程でも計算機によって、製品の精度・品質のばらつきがなくなり、生産性が向上しました。
 計算機の利用で設計・生産がどのように便利になったかを学び、設計への計算機導入についての基礎知識の理解を目指します。
 あわせて、CADソフト入門のためにその基本操作を学びます。
2.
授業の概要
 講義を中心とし、二次元CADソフトの基本操作を学びます。難しい数学は使いません。製図演習は自宅学習とします。
3.
授業内容のレベルと関連科目
 工業製品の設計過程、設計規則、製図に使用するソフトウェアの概要と基本操作、設計の新しい役割などについて学びます。パソコンの基本的応用知識を持っていることを前提にします。CAD操作習熟は独習に期待します。
4.
テキスト、教材
・『製図学への招待』大西清著 理工学社発行 実用機械工学文庫37巻 定価1600円+税
・二次元CADソフト「図脳Sketch」を特別価格¥4000で斡旋します。その『使用マニュアル』にある練習問題から課題を出しますが、作成方法が載っているので、自習しながら課題が作成できます。フリーウェアを使ってもその解説書を買う必要があるので、割安でかつ学習効果があがると思います。
5.
成績評価の方法
 製図課題の成績60%。提出した課題が授業中に指示された形式であること・製図規則に従ったものであること20%、2/3以上の出席には20%を加算。条件未達には加算しません。
6.
資格認定・一部試験免除との関連
7.
授業の形式・計画
【第1回】設計の重要さ
 オリエンテーションとして授業の進め方、成績評価方法などを説明してから、ものづくりにおける顧客満足、品質の作りこみ、PDCAサイクル、などについて話をします。
【第2回】CAD利用の効果
 CADの利用で図面の作成・管理が容易になり、品質保証・製造物責任などに対応しやすくなることを話します。
【第3回】製図規則
 教科書を基に、機械製図を中心に、投影画法・線の種類と使い分け・省略法・尺度・図面内容・図面の種類など製図の基礎と、そのJIS規格について学びます。
【第4回】図面の描き方
 図形を描く順序・投影図・断面図・展開図・略画の種類、選び方など図面を描くための注意事項を学びます。
【第5回】寸法の記入
 寸法の記入方法・寸法線・穴の表し方などを学びます。
【第6回】記号・精度
 溶接記号・仕上記号・精度表示の表し方などを学びます。
【第7回】CADシステム
 CADにどのようなソフトウェア・システムがあるか、および形状モデリングなどコンピュータグラフィクスについて学びます。
【第8回】パソコン用二次元CADソフトの操作
 「図脳Sketch」を用いてその基本操作を学びます。実際の操作と作図は自宅学習とします。課題作成にはほかのプログラム使用も認めますが、使用方法は自分で学んでください。
【第9回】データベースの管理
 部品・購入品・規格・基準・既存図面・保全記録のデータを使った編集設計とデータベース管理システムについて話します。
【第10回】部品と機械要素
 総合図から部品・機械要素の設計に展開されますが、多くは標準図・規格図が利用できます。その場合は関係ある図面の引用ですませることができます。機械要素では、ねじ・歯車・軸受などがあります。
【第11回】設計・生産の流れ
 CAE・CAD・CAM適用の概要と、コンピュータ・図面の役割を、造船設計の事例について説明します。
【第12回】CAM技術
 CAMシステムと、NC工作機・ロボット・知識工学応用など、CAM技術の動向を学びます。
【第13回】環境保全
 製品の再利用、リサイクル、処分容易性など、設計での環境対応について話します。
【第14回】産業界における生産システム統合化の動き
 造船所における事例によりCIMS開発と情報技術適用の動向について話します。
【第15回】課題提出
 定期試験に充当する製図課題を与えます。