東京メトロ東西線5000系




営団メトロ東西線の5000系は、1964年の東西線開業とあわせて登場した車両です。
最初は3両編成でデビューし、路線が延びていくにつれてだんだんと増えていき、
現在は全編成とも10両編成で運転されています。
この5000系は最盛期には420両という地下鉄1の車両数を誇っていましたが、
現在は05系・07系の登場により、2編成20両まで減少しています。
5000系は大半がセミステンレス車でしたが、現在でも1編成はアルミ車となっています。
このアルミ車は従来より5tほど軽く、車体も白っぽくなっています。

左上写真…5000系ステンレス車 東葉勝田台駅にて撮影
右上写真…5000系アルミ車 深川車両基地付近にて撮影


 
上の写真は5000系車内です。

5000系は製造された時期などによって内装が少し異なります。
たとえば、座席の色や戸袋窓の有無、吊革の形、壁、ドア窓のゴムの色などが挙げられ、
そのパターンは数多く存在します(たとえば左上写真と右上写真)。
また、座席は7人がけ(両端部3人がけ)ロングシートです。
また、東京メトロの新型車両ではお目にかかることのない、扇風機がついています。


左の写真は5000系の運転台です。

5000系運転台は2ハンドル式です。
5000系の最高速度は100km/hです。
東西線所属車輌には、100km/hを越えないようにリミッターが投入されており、通常100km/h以上出すことはできませんが、速度計は120km/hまで目盛りが記されています。
また、東西線用にWS-ATCが、乗り入れ線用にATS-Pがついています。


〜5000系(以前の幕&”快速”表示器付き)と05系〜

1989年 深川車両基地にて 撮影者:車庫長 様

以前の5000系は、現在のように行先幕中に快速表示をするのではなく、
別に表示枠をつくり、そこに「地下鉄 快速」と表示させていました。
これと同様の表示器は、東西線乗り入れの103系と301系にも搭載されていました。
隣の05系の快速表示の下に書いてある「地下鉄経由」という表示も、今となってはなつかしいものです。


5000系の音

MD 営団5000系(始発駅発車直後)走行音 村上→八千代中央 RealAudio形式 202kb
MD 営団5000系(標準)走行音 八千代中央→村上 RealAudio形式 225kb

5000系の走行音です。始発(長時間停車)駅発車直後は少々独特な音を発します。


5000系編成一覧

東葉勝田台方 1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 9号車 10号車 中野方
クハ モハ モハ モハ モハ サハ モハ モハ モハ クモハ
第59編成 5809 5312 5675 5314 5607 5215 5313 5676 5326 5009
第90編成 5950 5450 5750 5454 5753 5752 5451 5751 5452 5150

赤字はアルミ車、残りはセミステンレス車
黄字は、付随車に改造された車両。上記のほか5752も付随車化された。
4号車は「弱冷房車」。10号車は、中野方面行き朝の一部時間帯「女性専用車」。


東西線列車脱線転覆事故について

1978年2月28日、荒川・中川橋りょうを通過中の中野方面行き5000系は竜巻により脱線転覆しました。
この脱線事故により東西線は、3月3日の始発まで運転を中止しました。
この脱線転覆事故により、青字の車両(5818と5252)は廃車となりました。
その後、同じ車両番号でこの2両を再製造しました。
その時、5818は当時の5000系では唯一の戸窓袋なしの先頭車両となりました。


5000系の編成の変遷

東葉勝田台方 1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 9号車 10号車 中野方
開業当初 クハ モハ クモハ
中野〜竹橋開業時 クハ モハ モハ モハ モハ モハ クモハ
1969年8月25日〜 クハ モハ モハ モハ モハ モハ クモハ
クハ モハ モハ モハ クモハ クハ モハ クモハ
クハ モハ モハ モハ モハ モハ モハ モハ クモハ
1977年10月1日〜 クハ モハ モハ モハ モハ モハ クモハ
クハ モハ モハ モハ モハ サハ モハ モハ モハ クモハ
クハ モハ モハ モハ クモハ クハ モハ モハ モハ クモハ
1990年6月20日〜 クハ モハ モハ モハ モハ サハ モハ モハ モハ クモハ
クハ モハ モハ モハ クモハ クハ モハ モハ モハ クモハ
1999年〜 クハ モハ モハ モハ モハ サハ モハ モハ モハ クモハ


5000系のスペック

車体構造 全剛製(外板はステンレス)、一部車両はアルミ製
最大寸法 (長さ×幅×高さ)20×2.80×3.990M(パンタ折畳み高さ4.145M)
電気方式 DC1500V架空線式
自重 38.0t〜30.0t(アルミ車はこれより3t〜5t軽い)
加速度(定員時) 3.3km/h/s
最高速度 100km/h
減速度(定員時) 常用4.0km/h/s、非常5.0km/h/s
制御方式 界磁添加励磁制御
保安装置 WS−ATC、ATS−P
連結装置 密着連結器、棒状連結器、半永久型連結器
製造会社 川車、汽車、近車、帝車、東急、日車、川重

スペック参考……営団地下鉄ハンドブック
編成表の参考……営団地下鉄車両写真集



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