見たこともない母音
驚異の母音システム!
今回はいよいよ母音との組み合わせに移っていこうと思う。子音を表すアレフベートは一応すべて暗記した上で母音を考えていこう(よく覚えた!)。先に述べた通り、
子音を表すアレフベートは合計31文字、その31文字それぞれに子音を表す記号「ニクダ(点の意)」を付して母音を表す。例えばλ(ダレット)という文字に「−(パタフ)」というニクダをつけると
λ
−
「ガ」と読み、「∵(セゴール )」というニクダをつけるとλ
このように、母音が添付される。つまり、アレフベートとニクダによる組み合わせを一文字と認識するならば、ヘブライ語は日本のひらがなカタカナと同じく
ともに「イスラエル」と読むが、左のニクダが無い方が一般的に使われる。
以下のロゴはイスラエルのある官公社のものである。アレフベート部分を見て欲しい。上記同様、母音記号が一切ないのがわかる。
つまり、彼らは経験と勘でこの文字を区別しているのである。英語のつづりからAEIOUの5文字を除いて読むようなものだ。Bgnnng of th wrldと書いてBeginning of the worldと読ませる。英語の速記文字のような感じの言語といっていいかもしれない。
参考文献『ヘブライ語入門』キリスト聖書塾編集部著.神道アキバ、阿部 望、那須雄二編集. キリスト聖書塾
ニクダに関して
:母音記号の誕生は、7世紀頃、聖書ヘブライ語の発音を伝えるために考え出されました。それは9世紀頃に完成されたといわれ、現代ヘブライ語の母音体系はその頃のスペイン系ユダヤ人の発音を参照にしているといわれています。そのせいかどうか、発音体系はスペイン語と同じように、AEIOUの5音で構成されています。もちろん地方によって母音の発音の違いは方言として現れます。