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北海道の大地で試される

2004 夏

2004夏旅程

 オトナの人は仕事のスケジュールを調整しながら夏休みを取るので、宿を予約しない車中泊の旅だからといっても、やっぱり日程的に固定的。そんなわけで、今回は大型で強い台風16号と追い駆けっこをするはめになってしました。道中、ラジオで九州や中国地方の惨状を聞きながら台風の進路に向かって行くことになるのだから、オトナにあるまじきムチャだ。

2004-08-29 東京−八戸
折爪SAの月光

 東京は台風16号の影響で、雨が土砂降りになったり止んだり。最初は台風をやり過ごしてから津軽海峡を渡ろうと思っていたけど、台風はいつまでたっても、奄美諸島あたりを自転車の速さでうろついているので、急遽、台風より先に北海道に渡ることにした。
 15:20、外環道大泉ICに入り、外環道、東北道をひたすら北上。仙台あたりで雨は小降りに、盛岡過ぎて雲が切れてきた。23:10、月がとっても青いから八戸道折爪SAで撮影。

2003-12-30 八戸−旭川

 八戸道八戸北ICで高速道を降り、途中、東通村内の駐車帯で2時間ほど仮眠を取っただけで走り続ける。さすが、ボスプレッソは効く。
 大間港についたのは4:30。30分も経たないうちに6:30発の便の乗船手続きが始まった。手続きが終わって乗船まであと30分、ここで寝ることはできない。でも、眠たい。朝焼けの写真を取りながら待つ。
 乗船後すぐ寝る。函館まで1時間40分しかかからないけど、寝る。

夏野菜のぶっかけカレー

 起きたら函館港だった。函館は雨。時折激しくなる。ラジオによると台風が秋雨前線を刺激している由。つことは、ここから北は秋なわけね。函館からは長万部、苫小牧、早来を経由して、15:30、道の駅「マオイの丘公園」に到着。ここで夏季限定「夏野菜のぶっかけカレー」を食べる。炒めたナスやらピーマンやらソーセージやら(ソーセージは野菜じゃないだろ)が添えてありキーマカレーをかけて食べる。カレーものはハズレが少ないことを差し引いてもおいしかった。
 そのあとは岩見沢、砂川を通って、に道の駅「うたしないチロルの湯」へ。のんびりしていたら、レストランのラストオーダーを逃した。おなかが空いたまま北上、21:20、旭川に到着。
 翌日は台風が通過するはず。どこを通るかわからなかったが、どこにいても、ぶつかってくるのが看板か倒木かの違いだけなので、市街地にある道の駅「あさひかわ」で車中泊することにした。隣接するスーパーマーケットできょうの夕食とあしたの朝食を調達し、車に籠もる準備完了!

2004-08-31 美深(旭川−中川)

 台風がやってくる――はずなんだけど、外は雨がしとしと降っているくらいで風はなく、たいしたことはない。風よけに盆地を選んで走っているのが功を奏したのだろうか。どこかがっかりしている自分が不謹慎だ。9:30に旭川を出発。美深より先は原野で、何かあたらかなり困ったことになりそうだから、道の駅「びふか」で一日待機することにする。10:50、90km走って美深に到着。暇つぶしに出発前実家から借りた『るろうに剣心』16巻までを一気に読んだ。あ、志々雄真実との対決が途中じゃん! 続き、買ってくれー。

あうるセット  昼前に道の駅「びふか」の「あうるセット」(「あうる」はここのレストランの名前、料理はローストポークにライス、スープとデザートの付いた洋定食だ)を食べる。テレビが台風の様子を中継していた。ひどいことになってるなー、と思っていたそのとき、すぐ南を通過していたらしい。
 夕方、隣接の「びふか温泉」に入浴して、レストランで味噌チャーシューメンを食べる。ラーメンはスープはおいしいんだけど麺がダメ。失敗だ。ラーメンを注文するときはいつも覚悟しているんだけどね。

2004-09-01 稚内(中川−増毛)

 台風一過? 天気は上々だけどひたすら西風が強い。オホーツク海に抜けた台風が吸い寄せる風だ。稚内港に車を置いて利尻島へ渡る予定だったけど、あまりに風は強く、波は三角だったので、稚内市内を歩くことにした。

ノシャップ岬にまかせてイルカ

 市内散策、といいながらまずは市街地を離れてノシャップ岬。8:20、到着。ここに来るのは久しぶりだ(普通の内地の人はそう何回も行かないぞ)。朝早いのと風が強いのとウィークディなのとで人気がない(「にんきがない」ではなく、「ひとけがない」だ。もっとも にんき がなければ ひとけ はないけどね)。だれもいないので写真の撮り放題だ、と思ったけど、強風にからだがあおられてブレる。しかも波しぶきが飛んでいるのでカメラが潮だらけになりそうだ。

防波堤ドームの中

 稚内港の防波堤。よっぽど波が高いのか、ものすごく立派だ。防波堤はいい風よけになるので、中にはテントが点々とある(あ、おやぢギャグだ)。バイクや自転車でツーリングしている人達が野宿しているのだ。ちょうど目覚めるころなのか、テントがもぞもぞ動いている。

皆さん、これが最後です。さようなら、さようなら。

 稚内港からてくてくてくてく歩いて丘の上の稚内公園へ。ちょっと高いところに上ると風が強い。南極探検の樺太犬慰霊碑とか。写真はそのひとつ、九人の乙女の碑。大戦末期(つか、1945年8月20日だから日本が降伏した後)、樺太になだれこんで来たソ連軍を前に自決した南樺太の交換手だった方々だ。もう終わったんだということ、日ソ両方とも知らなかったんだろうか? いらぬ悲劇だよ。碑に最期の言葉が刻まれている。「皆さん、これが最後です。さようなら、さようなら」……

竹ちゃんのカニ丼

 お昼ごはんはガイドブックに載っていた店でガイドブックに載っていたメニューを注文。カニ丼だ。うまそうに見える――うまそうに見えたんだよぉ。季節外れだったのか冷凍物だったのか、それともカニカマボコだったのか(<いい過ぎです)、カニ特有のうま味がなかった。がっかり。
 宗谷岬に寄って強風にあおられ、のんびりできる場所はないと悟って帰路につく。
 帰り道(もちろん1,800km離れた家への帰り道)は何を思ったか日本海沿いを行くことにこだわってみた――けど、海から潮を含んだ強い西風がぴっかぴかの吹き付てくる。きゃー、新車なのよー!

とんがり盆

 17:20、道の駅「富士見」で夕食。ここのレストランの名前はとんがり館。店の名前の付いた料理があればそれを注文することにしているので、とんがり盆を頼んでみる。タコの刺し身と煮付けの定食だった。味はそれなり。道の駅のレストランなのでこんなものだろう。タコは煮込むと赤い皮の部分が剥がれてしまうというのが発見だった。
 レストランを出たら夕焼けだった。水平線までくっきり見える――おおっ、これは期待できるぞ。三脚を立てて日没を待ち構えた。(続きは日本SUNRISE-SUNSET・遠別で。)

2004-09-02 余市(増毛−福島)

 道の駅「スペースアップルよいち」に寄る。おなかが空いていたけど、レストランがないので食事はできない。車の様子を見てみると、窓の隅に四角い塩の結晶がきれい――じゃなくて、早いところ洗い流してやらないと!

ニッカウヰスキー余市工場1号キルン(発酵棟)

 日本のウイスキー発祥の地、ニッカウヰスキー余市工場を見学する。
 JR余市駅前にあって市街地の真ん中だというのに敷地の中は閑静だ。ウイスキー工場の主な工程は発酵。10年も20年も発酵させる。だから、そこら中貯蔵庫だらけだ。かすかにウイスキーの香りが漂っている。知り合いのおみやげに工場限定販売のシングルカスク20年物を買った(限定モノに弱いのだ)。シングルカスクとは単一の樽のウイスキーのこと。同じ年のウイスキーでも樽によってまるで味や香りが違う。相手の好みがよくわからなかったので自分の好みで選んだ。これは、後で少しだけ飲ませてもらった。ウッディでヴァニリックな(って箱にスタンプされていた。注意深く味わってみると、なるほどわかるものだね)味わいがオトナの感じだ。かなり幸せな気分になれた。あれはいいものだ。

生ウニ丼  余市工場ニッカウヰスキー会館のレストランでお勧めの生ウニ丼を食べた。そのへんのウニ丼と違って、ウニの味わい、とくに甘みが上品でとてもいいんだな。いいものを食べると幸せな気分になれるんだな。自分、食いしん坊なんだな。いつの間にかマック@レジェンズなんだな。
 ところで、このテキストはりなざう(SL-C760)で打っているんだけど、「にっかういすきー」を変換すると「ニッカウヰスキー」が一発で出る。無意味にすごい能力だ(ただし、全般的な日本語変換能力はヘボい)。

2004-09-03 福島−五城目

 福島といっても北海道の福島。千代の富士関の出身地だ。
 道の駅「ふくしま」で車中泊して、函館の朝市でおみやげを買って、乗船手続きにぎりぎり間に合った。朝起きてから2時間15分で全部やった。できるもんなんだねぇ。朝一番の便で津軽海峡を渡れた。

マグロとじゃんけんするの像

 天気がよかったので久しぶりに大間岬まで足を延ばしてみる。言わずと知れた本州最北端だ。以前、朝の連続ドラマの舞台になったってから、今や人気の観光スポット――なのか? 岬にマグロとジャンケンをしている像があった。マグロに勝ったら捕れるのだろう。おもしろい風習だ(<違います)。

マグロ三色丼

 せっかく『焼きたて!! ジャぱん』でも話題になった大間に来たのだからマグロのものを食べてみる。マグロのみのマグロ丼は高かったので、マグロ三色丼にした。うわー、マグロに脂がのっていて、ウニがとろとろで、イクラがぷちぷちで、それはもう、この世のものとは思えないおいしさだー! おかあさん、ひとりでおいしいものを食べててごめんなさい。
 この日は秋田県の道の駅「五城目」まで来た。

2004-09-04 五城目−東京
旧両羽橋撤去工事

 翌日もひたすら帰路。日本海側にこだわっているので国道7号線を行く。数年前に掛け替えられた旧両羽橋が撤去されようとしていた。旧両羽橋はリベット打ちのごつくてかっこいい鉄橋だったのに。でも、残しておいても手入れが大変だし、洪水で流されたら被害甚大だから仕方ないのか。
 その後――新潟から関越道に入ったら関越トンネルが事故で1時間ほど足止め、レストランで食事のついでにのんびり休憩することにする。その程度の待機で開通したから運がいいんだと思った。遅くない時間に家に着いた。