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書籍製作に当たって
中川弘夫
BCLブームが去ってから、20年以上の歳月が経ちました。全国の青少年を中心としたファンを熱狂させたこの趣味は、ブームが去ると急速に衰えて行きました。ブーム時に大人気を誇ったラジオオーストラリア、BBCは10年以上前に日本語放送を中止し、ここ数年でもDW、バチカン放送、アンデスの声と次々放送中止に追い込まれました。日本語放送だけでなく、いわゆる短波放送自体が衰退していきました。SRI、R.Denmarkなどの大手国際放送、そしてアフリカ、インドネシア等短波局数多くが姿を消し、聞ける対象自体が減ってしまいました。
一方、短波を中心とした海外放送を聞くための環境も、悪化の一途をたどって行きました。ノイズは増え、アンテナを張る場所はなくなり、手軽に楽しめたDXという趣味は誰にでも楽しめるものではなくなっていってしまいました。中波はNHK/KBSの24時間放送化で、その楽しみの殆どが奪われてしまう格好になってしまいました。
こうした中、BCLに対する世間の関心もますます薄らいで行き、BCL/短波等を扱う雑誌も減少の一途を辿り、月刊『短波』廃刊後長らく情報源であった『ラジオの製作』も廃刊になり、今やBCLという言葉を一般人が耳にする事すら困難になりつつあります。
衛星、そしてインターネットなど画期的なメディアが誕生する中で、短波放送の地位は低下の一途を辿っており、PLCの問題も持ち上がっており、この趣味を取り巻く環境は非常に大変なことになっています。 必然的に新しい仲間を得ることは困難であり、平均年齢も上昇しております。
こうした数々の逆風の中、我々BCLの活動ももはや風前の灯火となっており、ネットを中心にして時折飲み会で会う程度であり、その結びつきは強いとは言えません。かつて『短波』が多くのBCLの拠り所であったように、もう一度書籍にその交流の場を設けたい……但しもっと自由に。
『短波』はためになる情報誌でしたが、同時に厳しい雑誌でもありました。BCL―特にDXを精進すべき“道”と捉え、投稿者や読者に対して大変厳しい姿勢を求めるシーンもあったように感じられます。これは少年リスナーが多かった当時の特性と言えなくもありませんが。
しかし今、我々の殆どは大人です。一定のルールをわきまえていれば、もはやBCLを純粋な“楽しみ”として捉えても良いのではないでしょうか。情報提供も様々な発言ももはや自己責任で行うべきで、“アドバイザー”がとやかく言う問題ではないと思います。
そんなつらい状況にあるBCL相互が自分の楽しみを語り、励まし合う場として、今回BCLの有志が飲み会の席で本を作ろうと話しました。
ほんの思い付きでしたが、ひょっとしたら、いやきっとそんな思いを他の人も持っているに違いない……そう思ってこの企画を実行に移すことにしました。僭越ながら世話人を務めさせて頂きますが、どこの団体がイニシアチブを取るのでもなく、“日本のBCL”というくくりで、自由に語って頂きたいと思います。
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