言語と文字
ジャワ語(Jawa, Jawaese)
タトゥイーンの原住民ジャワ族の話す言語。ジャワ族は甲高い声で、かなり早口に話します。600万以上の伝達手段に通じている3POでもジャワ語はわからなかったようですので、銀河社会ではその存在価値はまったく認められていないものと推測できます。ただ、「ファントム・メナス」で3POはタトゥイーンで再生されていますから、多少はジャワ語を知っていても良いはずですが、本来のソフトウェアに組み込まれていない言語を学習する機能はないのか、あるいはジャワと接触する機会がなかったのでしょうか(小説ではアナキンがジャワと取り引きするのにいっしょについていきます)。
■ジャワ語の例
■ジャワ語の創造
小さくてちょこまかしていて、ちょっと卑屈でうっとうしい感じのジャワ族には、直接的ではありませんがやはり多少は日本人のイメージが重なっているようで、ジャワ語は当時のアメリカ人にとって日本語に聞こえるようにつくったという話もあります。たしかに、英語でいうところのアクセントに乏しく、一本調子で早口にまくしたてる、羽虫の音のようなジャワ語には、外国人から見た日本語のイメージが反映されているようにも思えます。「新たなる希望」公開後のインタビューでルーカスは、ジャワ語はベン・バートがアフリカのある言語を独習して、それを録音したものを早回しにしたと言っています。つまり、映画で使われているジャワの声はベン・バートのものなのです。また、ジャワ同士の会話の部分ではルーカスの事務所から2人ばかり引っぱってきて、台詞を読ませたそうです。具体的にアフリカの何語なのか、きちんと意味のある文章になっているのか、それとも適当に音をつなげただけなのか、ルーカスへのインタビューからはわかりません。ぜひともベン・バート本人に聞いてみたいものです。
■引用集
- Jawas are cautious creatures who jabber in low guttural croaks and hisses. [GSW, p.100]
- Jawas understand the common language of the Empire, but prefer their natural tongue, a jabbering of low, guttural croaks and hisses intelligible to most inhabitants of Tatooine --- at least to those who must deal with them. Jawas also speak a strange, variable dialect of their language that is incomprehensible to non-Jawas; this greatly aids their ability to bargain with outsiders. Moisture farmers often learn the hard way that it is safer to deal with one Jawa than negotiate with a Jawa commitee. [SWSB, p.74]
- Jawas, the meter-tall scavenger race native to Tatooine, a rodentlike beings with offensive odors and jabbering speech. [GSW2, p.240]
- 惑星タトゥイーンの原生種族。スクラップ回収などが生業。身長1メートルほど、鼠のような生物。悪臭を放ち、早口で喋る。[SWU, p.178]
- Utinni!: Jawa trade language word for "Come here!" [CCG]
- ウーティーニー!:ジャワ同士の言葉で、「こっちへ来い!」の意。[CCGJ]
- The Jawa who shot R2-D2 with an ionization gun called to his companions, 'Utinni!,' the Jawa word for "come here!" [CCG]
- The Hubba gourd, a difficult-to-digest fruit, is their primary food; in the Jawa language, hubba means "the staff of life." [SWE, p.149]
- また、彼らはハバ瓜という消化しにくい果実を主食にしているが、ジャワの言葉でハバとは「生命の支え」という意味である。[SWEJ, p191]
- There are forty-three different terms to describe relationships, and linage and bloodlines are carefully recorded. [SWE, p.149]
- 血縁、人間関係を表わす43の異なる用語があり、家系は注意深く記録に残される。[SWEJ, p.191]

■日本語に聞こえるジャワ語
ルーカスへのインタビューからはジャワ語はアフリカのある言語が元になっているとのことですが、実際に映画のジャワ語を聞いてみると日本語に聞こえる部分も少なくありません。ただ、アフリカ諸語も日本語も一般的に音節構造が単純であり、お互い似た言葉が生じやすいということもありますので、一概に日本語が使われているとも言えません。
- 「オツカレー」
R2を捕えたジャワたちがサンドクローラーに戻ってくる場面で、遠くから聞こえてきます。まるでサンドクローラーで留守番していた連中が、獲物を持ち返った仲間に「お疲れ〜」とねぎらいの言葉をかけているみたいです。この言葉のあと続く長めの台詞は、語尾が「〜アガリーヤ」と聞こえます。もしかして「お疲れ〜、まあ、お茶でも上がり〜や。」と言っているのでは...と妄想は広がります。
- 「トマッテ、ダメ」
ラーズ家の前でのジャワのドロイド市で、R5−D4とともに売られていく3POの後を追って、R2がついていこうとします。その時1人のジャワがコーラーを使って、行動規制ボルトの付いたR2を止めながらこの言葉を言います。
- 「アーッ、イイネ」
ルークがモス・アイズリーのカンティーナ近くにランドスピーダーを駐めると、すぐにジャワが1人寄ってきて、ランドスピーダーをさすりながら言います。みなさんも町で格好いい車を見かけたら真似してみてはいかが? って、そんなわけにはいきませんよね。ちなみにこのランドスピーダーですが、「ファントム・メナス」にも同型のもので赤が2回、緑が1回出てくるのを見つけました。32年前に現役だったことを考えると、ルークのスピーダーは流行遅れのポンコツだったということでしょうか。事実、ルークがスピーダーを売り払う時、「XP−38が出てから需要が減った」とのことで高く売れませんでした。そのオンボロ・スピーダーに惚れるのですから、ジャワはなんともガラクタ好きです。「アーッ、イイネ」は、サンドクローラーがルークの家の前に到着して格納庫の扉が開き、ジャワたちがドロイドを連れ出しにくる場面でも聞こえてきます。
- 「イヤー、オヤバナレ、ゼンゼンボクワダメデネ」
これのどこがアフリカの言語なんだ〜っ!!! というくらい見事な日本語(に聞こえます)。ハン・ソロがグリードを返り討ちにして店を出る時に、入れ違いに入ってきたジャワが言います。「いや〜、親離れ、全然僕は駄目でね」と、なんだか昭和初期の映画の台詞にありそうな文体です。
 日本語の早口ことばが得意かも? |
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Ver.1 1999.12.12
Ver.2 1999.12.26- 「アーッ、イイネ」の写真を追加。
- 「アーッ、イイネ」の解説にサンドクローラー内でも聞こえる旨を追加。
Ver.3 2000.3.5フォースのともにあらんことを
ベン・アンティリーズ