教材案内

現在のところ、クリンゴン語の資料・教材には以下の様なものがあります。

書籍

新刊情報
  書名:KLINGON FOR THE GALACTIC TRAVELER
  著者:Marc Okrand
 出版社:POCKET BOOKS (Simon & Schuster Inc.)

クリンゴン語に関する新しい本が出版されます。題名は「Klingon for the Galactic Traveler(銀河旅行者のためのクリンゴン語)」です。著者はもちろんマーク・オクランド博士です。内容は題名から一目瞭然でしょう。文法解説に徹したTKDよりも、より実践的な会話集になるそうです。新出単語もかなり沢山紹介されるようです。同時に、既存の単語の意味の拡張や用例の解説もあり、今まで不明確であった同意語のニュアンスの違いに関しても解説される予定です。例えば、戦士の意 SuvwI' と vaj の使い分けなどが明らかにされるようです。発売は9月の予定です。

  書名:THE KLINGON DICTIONARY
  著者:Marc Okrand
 出版社:POCKET BOOKS (Simon & Schuster Inc.)
ISBN:0-671-74559-X
  定価:$10
 発行年:1992年(増補版)

現在のクリンゴン語は、映画の3作目「ミスター・スポックを探せ」のために、本職の言語学者であるマーク・オクランド博士が創り出したのが始まりです。(因みに1作目のクリンゴン語はスコッティ役のジェームズ・ドゥーアン作です。)この本はオクランド博士自身によるもので、現在、唯一最良の公式のクリンゴン語書籍です。内容は、簡単な文法概要と単語集(約1800語)から成っています。ペイパーバックですが、大きさは21cm×13.5cmと、普通のペイパーバックよりも少し大きめです。表紙にはクルーグ船長、トルグ、モルツの3人のいかめしい顔が載っており、知らない人が見たら一体何者だと驚くことでしょう。洋書店や大きな書店の洋書コーナーで時々見かけます。日本での値段は1500〜2000円くらいです。

  書名:STAR TREK: THE KLINGON WAY - A Warrior's Guide
     (tlhIngan tIgh: SuvwI' DevmeH paq)
  著者:Marc Okrand
 出版社:POCKET BOOKS (Simon & Schuster Inc.)
ISBN:0-671-53755-5
  定価:$12
 発行年:1996年5月

内容はテレビや映画に登場したクリンゴンの台詞から、諺・金言・格言等を再構築し、解説を付けています。これにより、クリンゴンの考え方の一端をうかがい知ることが出来ます。既存の単語の新しい意味・用法等も盛り込まれており、非常に有益です。よくぞここまで、という位のよく出来た本です。 bIje'be'chugh vaj bIHegh.


カセット・テープ

  題名:CONVERSATIONAL KLINGON
  著者:Marc Okrand
吹き込み:Michael Dorn, Marc Okrand
 発売元:Simon & Schuster Audio Division (Simon & Schuter Inc.)
ISBN:0-671-79739-5
  定価:$11
 発行年:1992年

  題名:POWER KLINGON
  著者:Barry Levine, Marc Okrand
吹き込み:Michael Dorn, Marc Okrand
 発売元:Simon & Schuster Audio Division (Simon & Schuter Inc.)
ISBN:0-671-87975-8
  定価:$12
 発行年:1993年

これらは、マーク・オクランド博士自身による発音ガイドや会話集やことわざ・慣用句等が収録されていて、大変参考になります。また、解説がウォーフ役のマイケル・ドーンであることも見逃せません。但し、当然のことながら解説は英語なので、英語が分からない人にはちょっとつらいかもしれませんが、クリンゴン語独特の音やリズムを楽しむことは出来るでしょう。逆にこれらのテープで英語のヒヤリング力を付ける、なんてことも出来るかも? 「CONVERSATIONAL KLINGON」はクリンゴン語の基本で旅行者向け、「POWER KLINGON」はより突っ込んだ内容になっていて長期滞在者向けになっています。旅行の会話では、ホテルのフロントで「teplIj yIwoH 'ej pa'lIjDaq yIjaH」(荷物を持って部屋へ行け!)等と客の方が言われたりします。

  題名:STAR TREK: THE KLINGON WAY
  著者:Marc Okrand
吹き込み:Michael Dorn, Roxann Dawson
 発売元:Simon & Schuster Audio Division (Simon & Schuter Inc.)
ISBN:0-671-57380-2
  定価:$12
 発行年:1996年

上の書籍編で紹介した「STAR TREK: THE KLINGON WAY」のカセットテープ版です。CONVERSATIONAL KLINGONとPOWER KLINGONはカセットテープがオリジナルですが、こちらは原書の朗読です。朗読はウォーフ役のマイケル・ドーンと新シリーズ「ボイジャー」のベランナ・トレス役のロクサン・ドーソンの2人です。2人とも発音はかなりいい加減なので、ヒアリング教材としてはあまり役に立ちません。先にCONVERSATIONAL KLINGONとPOWER KLINGONで正しい音を体験してから聞くことをお薦めします。但し、さすがは俳優だけあってとても雰囲気を出して読んでいます。特にドーンの一音節づつ区切って延ばしながら発音する読み方は、クリンゴン語の朗唱法にひとつの見本を提示する感があります。

現在、CONVERSATIONAL KLINGON、POWER KLINGON、THE KLINGON WAYともにCD版も発売されている模様です。


CD−ROM

  題名:STAR TREK: KLINGON
     (STARFLEET ACADEMY HOLO-SIMULATION #1)
  製作:Keith Helper
  監修:Marc Okrand
 発売元:Simon & Schuster Interactive
対応OS:Macintosh, Windows
 発売年:1995年

これは、宇宙艦隊アカデミーの訓練用ホロデッキ・シミュレーションという体裁で、プレイヤーはクリンゴン戦士を演じ、その場の状況に合わせて行動していくうちに、クリンゴンの文化や行動様式を学習出来るというものです。いわゆるインタラクティブCD−ROMです。3枚組のCD−ROMで、内2枚がホロデッキ・シミュレーション、1枚が語学学習となっています。ホロデッキ・シミュレーションの方は、約1時間程のクリンゴン物語となっていて、スタートレック番外編として観るだけでも楽しいです(結構凄まじい内容ですが)。プレイヤーの案内役として、ガウロン役のロバート・オライリーも出演し、各場面の監督はライカー役のジョナサン・フレイクスです。POWER KLINGON のダイジェスト版も付いています。


映画

 題名:STAR TREK - THE MOTION PICTURE
 邦題:スター・トレック
 監督:Robert Wise
 制作:Gene Roddenberry
公開年:1979年
 題名:STAR TREK III - THE SEARCH FOR SPOCK
 邦題:スター・トレック3 ミスター・スポックを探せ
 監督:Leonard Nimoy
 制作:Harve Bennett
公開年:1984年
 題名:STAR TREK V - THE FINAL FRONTIER
 邦題:スター・トレック5 新たなる未知へ
 監督:William Shatner
 制作:Harve Bennett
公開年:1989年
 題名:STAR TREK VI - THE UNDISCOVERED COUNTRY
 邦題:スター・トレック6 未知の世界
 監督:Nicholas Meyer
 制作:Ralph Winter, Steven-Charles Jaffe
公開年:1991年

よく言われることですが、映画はよい語学教材です。特にクリンゴン語の場合、映画の中にのみ存在するものなので、なおさらです。上述のカセット・テープでは説明しきれない「生の」クリンゴン語を聞くことが出来ます。多少、文法規則からはずれていることもありますが、貴重な実用例です。クリンゴン語という観点から見ると、やはり5作目が一番楽しめるのではないかと思います。クラー船長とヴィクシスは、エンタープライズ号に逢うまでずっとクリンゴン語で通しています。しかし、3作目のクルーグ船長のしわがれた声での「So'wI' yIchu'Ha'」(隠蔽装置解除!)も聞き逃せません。6作目ではエンタープライズ号がクリンゴン帝国内に進入する際に「クリンゴン語を駆使して...」等という場面があり、クリンゴン語ファンはワクワクさせられました。因みに、あの場面でのクリンゴン語は、ウフーラはもちろんクリンゴンの警備員の方も、訛りが強いので参考にはしない方がよいでしょう(?)。

また、1作目はクリンゴン語が登場した記念すべき初の作品ですが、ここでのクリンゴン語はマーク・オクランド博士によるものではなく、文法は考えられていませんでした。後になってオクランド博士が3作目のためにクリンゴン語を創る際に、1作目の発話に(ある程度)辻褄を合わせながら作業が進められました。従って、1作目の台詞は必ずしも「THE KLINGON DICTIONARY」通りに解釈出来るわけではありません。


その他

  名称:Klingon Language Institute
     (tlhIngan Hol yejHaD)
 主催者:Lawrence M. Schoen, Ph. D.
 設立年:1992年

これは、クリンゴン語の維持・発展のために活動している団体です。通称KLI。単なるファン・クラブとは違って、米ペンシルベニア州に非営利団体として正式登録されているそうです。世界の文学作品のクリンゴン語への翻訳を進めており、現在のところ「聖書」の一部や、シェークスピアの「ハムレット」と「から騒ぎ」、「イソップ童話」等が揃っていて、 anonymous-ftpで入手可能です(ftp://ftp.kli.org/)。クリンゴン語の通信教育講座や研究誌の発行もしています。まるでエスペラント組織を連想させます。クリンゴン関連の組織の中ではかなり水準の高い団体です。(因みに私は1997年3月に会員になりました。)

現在では、このKLIから「ハムレット」のクリンゴン語訳が正式に出版されています。初版ハードカバー版は既に品切れ、近いうちにペイパーバック版が出版され入手しやすくなる模様。


...クリンゴン語入門メニュー
Ver.1.1 1996.3.20
Ver.1.3 1996.6.15
Ver.2 1997.4.12
Ver.3 1997.7.20
Ver.4 1997.11.30
コウブチ