学校へ行こう!

ポリテクセンターへ行こう!
05年末に会社を辞めプータローになりました。
とりあえずはガレージOPENに向けて下準備という段階でしたが
スキルアップのために雇用能力開発機構福島センター(長っ!)
通称ポリテクセンターで溶接技術を習得すべくテクニカルメタルワーク科に
H18年度7月生として入所、6ヶ月間ではありますが学生生活の始まりです。

かねてからインタークーラーのパイピングやマフラー等の制作も
自分でやりたかったのですが溶接の技術や知識がほとんどなかったので
溶接機導入しても使えないんじゃしょうがないよな〜っていう考えがあったのと
雇用保険をもらいながら溶接教えてもらえるなんて願っても無いチャンス!
受付日一番のりで申し込みに行きました。

結構知らない人が多いのか再就職先として不人気なのかはわかりませんが
定員割れ状態だったので難なく入所できることが出来ラッキーでした。
入所する人たちは皆さまざまな思惑があり、
それこそ溶接専門の職に就くため技術資格を取る人、会社を立ち上げる準備の人、
再就職の前にちょっとのんびりしていこうという人、間違って第2志望で来ちゃった人など・・
私の場合もパイプをくっ付けたいだけの目的でかな〜り動機は不純ですが、
誰しもが事情ありますからね、雇用保険も延長になることだし、
行っといて損はないはず、失業者の皆さんハローワークでグダまいてないで
さあみんなでポリテクにGO!

溶接機
テクニカルメタルワーク科(通称テクメタ)で訓練するのは

◆ガス溶接(アセチレンと酸素で炙って溶かすやつ)
これは会社で使ったことあるな・・

◆被服アーク溶接(手溶接ともいう、洗濯バサミみたいのにポッキーみたいな棒を
はさんで棒自体が溶けるやつね)
これはうちのオヤジが持ってるな、サビサビのやつ。

◆炭酸ガスアーク溶接(いわゆる半自動溶接、スイッチオンで延々とワイヤーが出てくるので
延々と溶接し続けられる、電流と電圧の調整がキモ)
これも欲しいかも?

◆TIG溶接(ティグ溶接、トーチの電極は溶けずにアークを発生させて金属を溶かし
そこに棒を入れてやって溶接する、交流直流の切替でアルミ、ステンレス、チタンなど
あらゆる金属が溶接できる)

ということで改造屋さんにはTIG溶接機が必需品です。
初期電流、クレータ電流、パルスなど機器の扱い方はもちろんですが
金属もいろいろな溶け方があるんだな〜と知りました。


誘惑
ある日、パナソニックの人が最新機種をデモしにやってきた、
数日前にダイヘンのデジタル機が導入されたばかりだったのでピーンときました。
(ハハーン、さては競合で負けたな)
それはさておき、せっかくなのでTIGの最新オールデジタル機を拝見。
スタッフがデモ溶接をしてくれたのですが・・・
ゲッ、なんじゃこりゃー!
”ビビッ”ってアルミニウムのタック溶接がわずか0.5秒くらいで完了。
周波数をどんどん上げることが可能でアルミの酸化皮膜なんぞあっというまに
破壊して即溶融状態になるじゃぁないですか!
試しにちょっと難しい板厚違いのアルミ板隅肉溶接にチャレンジ。
1.5mmと10mmだったかな?明らかに難しいはず・・・が
つうか普通にいけるじゃん!しかも厚いほうの板の電流値でいけるとは・・・
(ん〜、欲しい!)
次に出た言葉が「これいくらですか?」でしたが当然買えませ〜ん。
フン、溶接は腕よ。(たぶん、きっと、おそらく)
と、自分に言い聞かせてみた。

自由研削砥石
普段何気に使っているグラインダーですが
取り扱いに関して一冊の教科書になっていることにおどろき!
本にするくらい覚えることあんの?
しかし学んでみるといろいろあるんですね〜、確かにあのディスクが外れて
飛んできたら恐いわ〜(基本は大事)
知ってますか?この特別教育を受けないとグラインダーのディスクを
交換しちゃいけないんですよ。

it‘s a show time !
就職するわけでないので特に資格は必要なかったのですが
せっかくなのでJISの溶接技能検定にチャレンジ。
種目はTIG溶接のステンレス薄板下向き突合せです。
学科のほうは教科書丸暗記大作戦が功を創して5分で終了。
自己採点では9割以上正解かな?
問題は実技、単に平板を並べてくっ付けるだけなんですが
ちゃんと裏波を出してかつ欠陥が出ないように尚美しく。
曲げ試験で亀裂が入れば当然不合格ですが、それ以前に
外観検査でNG出ればお持ち帰りもしてもらえません。
普段どおりにやれば問題ないですが、なんせ勝負は時の運!
溶接技能の全国大会に出場するような人でも更新で不合格に
なることがあるので甘く見てはいけません。
ということで本番開始!
電流調整、開先加工、ルート間隔などを正確に行なってタック溶接、
ジグに固定して本溶接に入ります。(おっと、裏ガスも忘れちゃいけねぇぜ)
さあ、ショータイムの始まりです。(ダートラの本番スタートより緊張〜)
一層目は棒を入れずに母材を溶かしながら溶融プールを進めて行きます
裏波がしっかり出るようにゆ〜っくりゆ〜っくり3歩進んで2歩下がる。
ここで穴が開いたら全て終わりです。
クレータ側が欠落しないように注意しながら終了。(完璧や!)
2層目開始、初層で出来た少しくぼんだレールの上を今度は棒を入れて
予盛りしていきます、私はローリング法というトーチを母材にくっ付けて
コロコロと左右に転がしながら進行する技法で挑みました。
熟練者には簡単らしいんですが慣れないと滑ってビードがずれたり
トーチを傾けすぎると余計な所を溶かしちゃったりと・・・
はたから見ると一所懸命に何かをこねくっているように見えます。
おりゃおりゃ〜とトーチをこねくり回して突き合せ完了(どうだ!)
ほっかほか焼きたてアツアツのステンレス板を審査員に手渡し
刻印を打ち込みしてもらいます、そして自分のゼッケン番号が書いてある場所へ
置くのですがその際に他の人の作品を観察、「まぁ、こんなもんだろ」
と思ったら、居ました!まるでロボットのように正確で美しいビード!
負けた・・・今日は2位か。。(←いや、順位じゃなくて合否だから!)
ということで後は結果を待つばかり、さてどう出るか。

修了課題
12月を迎え、楽園、いや学園生活も残す所1ヶ月となりました。
そんな時、講師から「となりの科で使う常盤乗せる台を7月生で作ってくれ」と。。
おう、まかしとき!てな感じで修了課題が出来ましたが
ほとんどの人は就職活動が忙しくてそれどころではなかったので
私ともう1人、就職には関係ない組で制作することに・・・
常盤といっても数百`はあるシロモノなので乗せる台も頑丈でなければなりません。
正確に寸法を出して図面を作るのですが、この辺は親方にだいたい任せて
私は主に現場作業員に徹しました。
切り刻んだ材料をバッチバチと溶接して作品完成!

サビ止めに青い塗料をみんなで塗ったくり、いよいよ贈呈式。
とても人間の手では運べません、大人4人で持ち上げるのがせいぜいなので
リフターを使って移動します。

なんか常盤乗せる台にしてはかなり上出来、そのまんま作業台としても
使えそうだし、中央にネット張って卓球台にもなりそう(頑丈すぎ!)
一家に1台、ダイニングテーブルに・・(重すぎだろ!)
ともあれ、後々ガレージ用の作業台制作する予定なので参考になりました。