L710S改ダートラ仕様

2002年夏、思いつきから始まったこの計画ですがほぼ形になって
きたのでご紹介したいと思います。
それは全日本のC1ミラ平塚選手のドライブするL710Sを見たときに
これいいな〜!と思ったのが始まりで当初ミラのTRにJB改のエンジンを
積もうかと考えたのですが、まずTRの4WDのマニュアル車自体探すのが
困難、いまさらJB改713ccもまねっこだしと思っていた所に2003年は
車両規定の改正、改造車は2500cc以下の4WDクラスが設立されるとのこと。
そんなところにYRVターボのエンジンが私の所に転がってきました・・・
1300ccxターボ係数1.7=2210cc!おっ、ばっちりじゃん!ということで
ベース車にL710Sの3ドアのマニュアル車の中古車でTLグレードがちょうど
あったのでそれを購入、外装はTR用のフロントバンパーを装着しボンネットには
穴をあけてYRVのボンネットエアスクープを装着、さらにYRVのリアスポイラーを
無理やり装着、最後に改造車らしくオーバーフェンダーを装着したわけですが
サニートラック用がぴったりきたのでそれを加工して取り付けました。

エンジン搭載まで

ヘッド
ヘッドは後々タービン交換する予定なので面研はせず、ポートの
拡大をバルブ周りを中心に行いました。
カムシャフトはストーリア1300に110psのモデルがあり、
良さそうな作用角だったのでそれを流用しました。(写真右)

シリンダー
シリンダーはそのまま使うことに。
バリやカーボンのみスクレーパで取り除きます

ミッション
ミッションはストーリアX4のクロスミッション&フロントLSDを装着。
但しK3エンジンはクラッチが大型なため、K3用のかま(ミッションケース)を採用。
ハイパワーを伝達するのはD‐スポーツのスーパーシングルクラッチ!300psまでOK!

エンジン搭載!
トランスファーはミラ用をそのまま装着、エンジンメンバーもミラ用を使おうとしたら
マウントの位置が全然違う!マニュアルを見るとエンジンの大型化に伴いメンバーも
変更になっていました、すかさずYRV用のに変更。せっかくなのでロアアーム、
ギアボックスもYRV用でワイドトレッド化を狙いました。
ブレーキローター(写真左側)YRV用は明らかに大きい。
エアコンを外したためファンベルトだけは長さを計って特注しました。

燃料ポンプ
ポンプはエボV用を流用、左側がランサー用
長さが違うのでブラケットを加工して装着。

足回り
ショックはビルシュタインでダートラ用をオーダーしました、初めてのシャコチョーに
ちと感激、リアも別タンにしたかったのですがなぜか普通のが届きました。
長丁場でなければさほど性能に変わりないということなので良しとします。
コイルはとりあえず暫定仕様でF3.0k、R2.3kを入れてみました。

SMRインタークーラー
タービンアウトレットはぐるりと下向きにして、インタークーラーへと配管しました。
(ギャラン用加工)






L711S−X4 2004仕様!

シーズンオフにエンジンを降ろし、いよいよチューニングの開始です。
メニューはタービン交換で更なるパワーアップとそれに伴うギア比の最適化です。
※SMR(Sマジックレーシング)とはSマジック須田自動車のチューニングです。

CT12Bタービン
タービンはトヨタのCT12Bベースをワンオフボルトオンキットで装着(写真左)
ほんとはたこ足!と行きたかったのですがスペースの関係でノーマルのエキマニを使用、ワンオフ変換フランジで対応(写真中央)
エキゾーストパイプはステンレス60パイで作製、SMRワンオフ(写真右)

マフラー
G−MOUNT製ワンオフ60パイストレートマフラー装着。
タービン交換に伴い、マフラーもいちからアルスター材で作り直しました。
マフラーに関してはいろいろと論議が飛び交いそうですが男は黙ってストレート!
サイレンサー、触媒無しの後方排気です。

FUELコントロール
写真左がメインコンピュータ(ECU)ですが、これが一番の厄介ものでした、YRVターボにはA/Tしかグレードが無くて
オートマミッションからの信号が無いと、A/TコンピュータとE/Gコンピュータが相談して「こりゃ、異常だべ!」と判断、
結果、ブースト圧や可変バルタイなど様々なフェイルセーフ制御を作動させてパワーが出ませんでした。
これでワンシーズン悩んだと言っても過言ではありません、これはECUチューンで
あっさりと解決してしまいました、お金はまったくかけてませんがECUに「お前、ほんとはマニュアルなんだよ!」と
ウソをついたら「あれ?そうだっけ!」とまんまとダマされフェイルセーフ制御を解除してくれました。
現在の仕様はレブリミット1000rpmアップとハイカムに合わせた仕様になっております。
ブーストアップ時の空燃費補正はご存知トラストEマネージ(写真右)、パソコンと接続すれば手軽に燃調が
取れるし値段も安い!インジェクターや点火時期の補正、追加インジェクターも2本までコントロールできるなど
多用できます、メインECUがしっかりしてればサブコンでもかなりいけます。

SMR吸気システム
エアクリーナーから吸われたフレッシュエアーはSMRサクションパイプ(写真右)を通ってタービンへ
タービンで加給された圧縮空気はダイレクトにインタークーラー(写真左)へと送り込まれ走行風で冷却、
前置きにより効果的に冷却された空気がインテークへと送り込まれます。

強化バルブスプリング
レブリミットアップに伴い、バルブスプリングも高回転タイプに変更しました。(写真左)
交換にはバルブコッタツールを使用、車上でいとも簡単にバルブSP交換が出来てびっくり!(写真右)

プレッシャレギュレータ
高ブーストに備え、高圧タイプのものに交換。
これでインジェクターもしっかりと燃料を噴射してくれます。

ミッション
高出力化に伴い、ギア比の最適化を図りました。
ファイナルはハイギアード、1,2,3速は広いパワーバンドを生かすためにクロスからワイドへ変更、
4速は若干3速へ近づけました。
03年仕様はストーリアX4の中身でしたがダートトライアル競技の高速コースではあっという間に
4速まで使い切ってしまうこともあるので1ランク上の走りを目指すために変更。
計算上では4速まで入るストレートは時速150k/mを越えることになります。

04年仕様
タービンもなんとかエンジンルームに収まりました。
バンパーもかなりカッティングしましたがホントギリギリです。
走行後はタービンの熱でバンパーの一部がふにゃふにゃになるので
今後は遮熱板を作成しないとです。
ちなみにバンパーから出てる赤いのはA/F計を取り付けるための
O2センサーのカプラ−です。

2005 5/10 パワーチェック!

リンクサーキットにて
まずは、プロペラシャフトを外して2WD状態にしました。
それからラリータイヤでは滑るのでSタイヤに変更、いざ出陣!
申し込み用紙に名前住所記入、チューン仕様など記入、
予想馬力の欄には200ps!と控えめに記入。
そして、シャシーダイへ・・・
リンクのおじさん「へぇ、面白いくるまだね〜」と。
まずは暖気しながらタイヤなども暖めます。
アクセルハーフに開けた瞬間、ギューン!とタイヤ空転。
なかなかうまくいかない様子でスタッフを呼ぶ。
一人が助手席に乗り込みウエイト役、他全員でフロント部分を
押さえつけて再度チャレンジ、今度はうまくいくか?
アクセル全開、ギュイーン!
しかしトルクが唐突に出る5000rpmあたりで今度はクラッチトラブル。
どうも滑ってるらしい。
最後はクラッチが切れなくなったので終了。
結果、測定不能!
参考値 211ps
5000rpm以上のこれからっていうところが測定できませんでした。
リンクのおじさんいわく、おそらく270〜280psはでているのでは?
ということでしたが次回リベンジにて実証したいと思います。