マイクロソフトを支持する





 やっぱり Mac が好きだ。
 私の机の上には Windows95 と Windows NT の DOS/V機が一台づつ置いてあるが、Mac ほど好きになれない。
 Macはモニタを複数台使える(98で Windows もそうなる)、Photoshopのアイコンがサムネイルになっているなど、いろいろ理由はあげられるが、結局、好みの問題だ。Mac と Windows のどちらが優れているか、などという議論はもううんざりだ。好き、それだけだ。
 その私も、IE をめぐるマイクロソフトとアメリカ司法省の争いに関しては、マイクロソフトを支持する。
 5月8日の夕刊によると、米司法省はワシントン連邦高裁に、Windows 98 からの IE の分離をマイクロソフトに命じるように要請した。IE なしの Windows を十分に安い値段で提供しろという。
 横暴だ。
 そもそも Windows とは何なのか?
 OS(Operating System)である、というのは一応の答えではあるが、Windows はそれだけでは説明しきれないしろものである。
 かつてマイクロソフトは MS-DOS というソフトを販売していた。これは、アプリケーションやデータを取り扱う共通の基盤ソフト、すなわち OS そのものだった。MS-DOSを手に入れただけでは、ソリティアをすることも、絵を描くことも、文章を書くことも、何一つまともなことはできない。
 アプリケーションを買えばいいのだが、初心者には何を買えばいいのか良くわからない。普段は使わないけれど、たまに必要になるソフトというのもある。例えば、主に文章を書くためにパソコンを買ったのだが、友人からグラフィックのデータを渡された、というようなときだ。当時ならそのためにグラフィックソフトを買わなければならない。
 でも、Windows なら大丈夫(一昔前の宣伝か?)。
 Windows には、OSプログラムの他に、様々なアプリケーションやユーティリティがバンドルされており、アプリケーションを購入しなくても、パソコンにある程度の仕事をさせることができる。マイクロソフトは単なる OS を販売することに限界と疑問を感じ、「最低限のパソコンの利用環境」を提供することにしたのだ。インターネットの利用環境もそれに含まれる。
 その戦略が利用者の指示を得、パソコンは広く普及した。その結果、マイクロソフトは現在の地位を築いた。
 はじめから、マイクロソフトは抱き合わせ販売をしてきたのだ。そして、それがパソコンを普及させ、現在のインターネットの隆盛を引き起こした。
 その何が悪いのだ?
 複数のプログラムを一つのパッケージで販売することは法律に触れることなのだろか?だとすると、現在販売されている、かなりの数のソフトは違法なものだ。
 インターネットの出口をマイクロソフトが独占するのは危険だ、という考えはわかるし、同意見だ。それならば、IE の他にネットスケープコミュニケータもバンドルするように指導すればいい。それだけでいいではないか。
 ちなみに「Mac OS 8」には、両ブラウザの他、「CyberDog」(起動したこともないので良く知らない)がバンドルされている。ユーザーは好きなソフトを選べばいい。実際、私は IE ではなく、ネットスケープ(3.0)を使っている。
 今さら、ブラウザもバンドルされていない OS パッケージなど、誰が買うのだ。そんな商品は、時代遅れも甚だしく、陳腐きわまりない。
 米司法省は売れない商品を作れと命令しているのだ。インネンをつけている、としか言いようがない。
 巨大すぎるマイクロソフトを何とかしなければいけない、という考えはわかる。だが、やり方が汚い。このような形で Windows 98 が発売延期になれば、パソコン市場に悪影響がでるのことは間違いない。
 米司法省の背後にいるのは誰なのか?政治経済の知識に疎い私には想像できない。だが、消費者の利益のために動く連中ではあるまい。
 とても米司法省の命令は支持できない。私は、断然、マイクロソフトを支持する。敢えて言おう、がんばれビル=ゲイツ!


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