仙丈ヶ岳(3033m)

ちょうど梅雨明けが発表された翌日、7/21、南アルプスの仙丈ヶ岳をめざした。昨年、お盆の休みに訪れた同じ山を今度は、頂上まで・・・と心が躍る。前日、長谷村の仙流荘バス停から、北沢峠行きの最終のバスに乗る。臨時便がたくさん出るので、私たちの後にも、バス停にはまだ大勢の人がいる。、バスの窓から見える、鋸岳、甲斐駒ヶ岳が一年ぶりに、その勇姿を見せて出迎えてくれた。
今年は、それに加えて、反対側の窓の外が気になる。この時期、どんな植物が・・・半分ほど登った頃に運転手さんの、「ウスユキソウです」という説明。その方向に目をやると、はじめて見るその緑かかった白い花があちらにもこちらにも。それとルリトラノオかクガイソウのような紫の花も見える。うーん、今回は、期待できそう・・・とわくわくしながら進む。一時間弱で大平山荘の前に到着。ここで臨時に降ろしてもらうことができた。大平山荘の脇に、重幸新道、藪沢コースの登山口がある。さっそく山荘に荷物をおいて落ち着く。今日の予定はここまで。本当はもう少し登って、馬の背辺りまで登っておけばよかったのかもしれない。時間が早くてまだ、あまり人がいない。この日仙丈に登って明日は甲斐駒というカップルが一組。しばらくすると、その日の登山を終えた人々が続々。満員御礼。関東からの二人連れの中年男性と、山の話を聞かせていただく。かなりのベテランのようだ。仙丈だけでは、どうも、もったいないらしい(笑)。のんびりとした時間が過ぎ、美しい山の夕闇がせまる。
大平山荘
山荘周辺の、オダマキとサンカヨウ
山の夜は早い。翌朝、3:30に出発するという団体があり、7時頃には消灯。眠ろうとしてもなかなか寝付けない。この日の失敗の一つは、耳栓を忘れたこと(笑)。それでも、いつの間にかうとうと・・・物音で目が覚めると午前2:00。そうだ星を見なくては・・・
そっと外へでた。満天の星空。天の川も見える。こんなにたくさんの星を見たのははじめてだ。そのまましばらく放心状態。団体さんが起き出して支度を始めた。さあ、もう一度眠ろうか・・・と戻ったとたん、部屋の灯りがついた。3:30。何事かと思ったら、起床の合図らしい。「もう、起きるの?」とみなさん。「4:30には行動開始して下さい」と小屋の方。スパルタ式の小屋だと思った。しかし、後になってみればこれでよかった。おかげで、のんびり歩くことができた。
早々に身支度を整え、楽しいひとときを共に過ごした方々と、「じゃあ、お元気で」とお別れして、4時30分に藪沢のコースを歩き始める。まだ薄暗いシラビソの森の中をゆっくり登っていく。早朝の空気がおいしい。ゴゼンタチバナやヤグルマソウが目に付く。まだ、身体が慣れていないせいか、ちょっと苦しい。数人の方が、後になり、先になりして登って行かれる。眼下に滝の見える広場で休憩昨年も、ここで休憩したっけ。再び歩き出して、少しすると、一気に樹林帯から抜けだし、目の前が明るくなる。沢沿いの道に出た。ここからは花々のオンパレード。疲れもいっぺんに吹き飛ぶ。所々で立ち止まって、シャッターを切る。クルマユリ、シナノキンバイ、ハクサンイチゲ、ソバナ、ウサギギク、オトギリソウ等々・・・振り返れば、甲斐駒がその姿を現した。
クルマユリ
タカネグンナイフウロ
振り返ると甲斐駒ヶ岳が姿を現す
キバナコマノツメ
ソバナ
シナノキンバイ
ナナカマドの花
ハクサンシャクナゲ
ハクサンイチゲ
7時過ぎに馬の背ヒュッテに着く。ここで軽く朝食。中年の男性が、一人でお茶を湧かして朝食を取っておられた。
「ゆっくり歩くのがいいですね・・」としばし歓談。ここから先は、はじめて歩く道。マルバダケブキが群生している。
すれ違った方に、「この辺りにクロユリが咲いていますよ」と教えていただく。一つ、二つ・・・見つけては写真を撮る。クロユリの道を抜けると、一気に展望が開け、中央アルプスの山々が・・・そして、仙丈の勇姿が迫ってくる。思わず歓声がもれる。中央アルプスの山々には、ガスがかかっているが、三ノ沢岳のオフはどうだろうか・・・それにしても、素晴らしい展望。今日はラッキーだ!
また、この辺りはお花畑も満開で、チングルマ、ヨツバシオガマ、コイワカガミ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ等の高山植物が咲き乱れている。「すごーい」の連続。一登りして仙丈小屋へ。だんだん足が重くなってくる。仙丈小屋のベンチで休憩。さすがに風が強い。シャツの上にベストを重ねる
頂上はすぐそこに見えているが、力をふりしぼってもう一登り。頂上付近は、ここも素晴らしいお花畑。色とりどりの
花々が咲き乱れている。そこから足が進まないくらい。ゆっくりお花の写真を撮る。9時30分、やっと頂上に到着。
モミジカラマツ
コケモモ
シナノオトギリ?
クロユリ
仙丈岳と仙丈小屋を望む
中央アルプスを望む
山頂にはガスががかかっているが・・・
チングルマの群生
ヨツバシオガマ
イワベンケイ
フジアザミ?
仙丈ヶ岳山頂
山頂付近のお花畑
イワツメクサ
山頂に到着したときは少しガスがかかっていた。富士山が見え隠れする。しかし山頂を後にすると、徐々にガスが晴れ、その後は、ずっと、富士山、北岳、正面には甲斐駒、魔利支天、鳳凰三山、鋸岳などのパノラマを眺めながらの快適な尾根歩きが続く。振り返ると、仙丈ヶ岳の雄大なカール。なんて素晴らしい眺望!ずっとここにいたいくらい。
私があまりにもあちらこちらで立ち止まってカメラを向けているので、主人は待ちくたびれて呆れ顔。申し訳ないけれど、もう少しマイペースを貫かせてもらった。こんなチャンスは滅多にない。
ここの下りは風景は素晴らしいが、けっこう急な所が何カ所かある。ここを登って来るのも大変だろう・・・と思う。
私にとっては、登りに、お花の豊富な藪沢コースを選んで正解だったかもしれない。アップダウンの尾根歩きの後は樹林帯へ下っていく。景色に魅了されたとはいえ、長時間の歩行は、けっこう足に来る。眼下に、北沢峠の鮮やかな、テントの花が見えてくる。もう少しと思うが、そこからもけっこう距離がある。滑りやすいので、慎重に下る。
シラビソの森を歩いていくと、マイクでアナウンスする声が聞こえた。午後1時頃、やっと降りてきた!バスの音など、急に騒がしくなる。戸台口行きのバス停へ行くと、一瞬の差でバスが出発してしまった。しかし、運良く空いていたので、トランシーバーのお兄さんがバスを止めてくれた。走っていって、運転手さんや乗客の皆さんに、お礼を言いながら乗り込む。ラッキー!これをやり過ごすとまた大分待たなければならなかった。仙流荘バス停近くの駐車場に置いてあった車に乗り込み、途中、高遠のさくらホテルで、ゆっくり、温泉に入って(入浴料700円也)、夕方、名古屋に戻った。今回、こんなに、のんびり歩くことができたのは、大平山荘で3:30に起こされたおかげだと感謝している。
富士山と北岳
甲斐駒ヶ岳、魔利支天を眺めながらの
快適な尾根下り
鳳凰三山
小仙丈尾根より仙丈岳カール
山頂付近のカール
コイワカガミ
シラビソの樹林帯
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