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■冬道、FRでも大丈夫?
 当サイトにご質問いただく中でも、多い質問の1つが「冬道、FRでも大丈夫?」というモノ。日本全体で見れば定期的に雪が降り積もる地域なんてホンの僅か。それだけにあまり情報も無いのか、問い合わせが多く来ます。結論から言うと「モノ好きじゃない限りヤメた方がいい」ですね。で、こんなページを読んでいるくらいですからアナタは十分”モノ好き”でしょうし(笑)、かく言うワタシも”モノ好き”なのでノープロブレムですな(爆)。ともあれ「FRで大丈夫だろうか・・・」と悩んでいるくらいなら4WDモデルが出てるんだから無難に250GT-Fourを買えば良いんですし、むしろ「FRで乗り切ってやろうじゃないの!」って意気込みがあればどんなに埋まったって気合で何とかなるワケですしね(笑)。

■毎日がアウトドア
 私は北海道札幌市に住んでます。生まれも育ちも札幌です。北海道は約半年を暗く寒い冬の時期で過ごさねばならない辛い地域でもあります。反面、ご存じのように自然豊かな地域で、たとえば釣り好きな方なら会社の帰りに近くの川や湖で釣り糸を垂らす、な〜んてフィッシングライフを堪能できますし、スキーやスノボをやられる方なら北海道のパウダースノーは夢にまでみる最高の雪質であることでしょう。アウトドア好きとっては夏も冬も楽しい地域なのかもしれません(勿論、それだけ仕事に余裕があって、自由時間を捻出できれば、の話しですがねぇ)・・・しかし、それが毎日続くとどうでしょう。自然が身近にある、ということは逆に自然の厳しさも身近にあるということですから、強制的に自然を押しつけられるイヤな面も多々あります。
 札幌は人口180万人を抱える大都市です。ちょっと考えますと、さいたま市の人口が100万人、福岡市でも130万人なので、相応の規模であることはイメージしていただけることかと。ちなみに北海道全域の人口は560万人(つまり1/3が札幌に住んでる)。さらにさらに全世界を見渡しても、これほどの降雪地帯で、これほどの人口が居る地域は他に無いようで「北海道ならでは」という特異な生活習慣が見られるようですね。住んでる本人にとっては全然「変」と思わないようなコトですが、内地(北海道民は北海道以南を「内地」と呼びます)の人から見たら実に奇妙に映るようです。
 そんなワケで豪雪地帯でのカーライフについて、周辺事情を交えてお伝えしていきたいと思っております。
 



■北海道について
 北海道は日本海・太平洋・オホーツク海に囲まれた大地です。日本全体の国土における北海道の占める割合は22%にもなるんだとか。夏は涼しく、冬は(油断すると死んでしまうくらい)寒い地域。梅雨や台風は皆無で、私自身、梅雨というのがどういうものなのか経験したことないので良く分からない程です(笑)。雨が少ない反面、冬は雪が大量に降るため水不足になることも殆ど無い地域。明治時代に北海道開拓使がきてからの僅か100数年の歴史しか無い地域なので、基本的に「歴史的な〜」という類のモノはありません。内地からの移住組で成り立っている地域なので、開拓使時代はいわゆる「次男坊」な人が多く移り住んでいた、という話もあります。よって次男坊にありがちな「いい加減さ」が根付いているとかいないとか。離婚率が全国一なのはこのあたりに由縁してるんか?(笑)。まぁ、そんな感じで基本的に新しいモノ好きが多く、内地とも物理的に離れている為、最近では企業が新商品の試行販売を北海道限定で行ったりすることが多いようですね〜。新しいモノ好きといえば、日本全国の中でも在日比率が低いにも関わらず韓国車ヒュンダイの車が札幌では結構売れていたりしてます。安くて目新しくてモノとしても悪く無い、と。
 経済に関して言えば北海道経済はバブル時のリゾートブームで狂ったように花咲き、バブル崩壊とともに一気に崩れたのでも有名です。いまだに北海道経済は停滞しっぱなしで、経済に限っていえば明るい兆しは何も無く、平均所得も低く貧しい地域なのも事実です。要は田舎なんですよ。寂れた田舎。
 


■北海道の冬
 そんな北海道(ここでは便宜上、札幌の話しですが)に冬が訪れるのは、11月半ばくらいからでしょうかね。もうマジ寒くなる。で、初雪も来たりして、タイヤ交換やら衣類の整理やら、冬支度が本格的にはじまるんですよね。長く辛い冬の始まりです。
 冬の路面は呆れるほどツルツルに凍ってます。冬底の靴を履いても立ってられないような場所さえあります。凹凸のあるスケートリンクと思っていただければ良いかと。いや、大袈裟でなくマジでツルツルなんですよ。観光客は歩くのさえままならないワケですが、それでも地元民は慣れてますから、それなりにフツーに歩いてたりします。まぁ、それでも当然のように毎年、転んで骨折する人が大勢います。とりわけ老人が転んで骨折となると、回復が見込みにくいために以降一生車椅子生活になってしまう、な〜んて笑えない状態です。これは自然の脅威と言って良いかと。
 そんな北海道に春が訪れるのは、そうですねぇ〜5月上旬のGW頃でしょうか。よく卒業&入学シーズンでイメージされる”桜”ですが、北海道には桜のイメージなんてありません。卒業シーズンなんて一面雪ですし、入学シーズンの4月に入った頃なんて微妙に雪が融けはじめて道路はグチャグチャ。コレが泥のように溜まって本当に汚いんですわ。雪は降り積もっている間はキレイですが融けると泥と混じって汚くなる。道も凸凹になって本当に酷い。こんな酷い時期を2ヵ月近く過ごして、ようやく5月GW頃になって「春が来たなぁ」と実感できるんです。毎年毎年、けっこう辛い。
 


■FFでの雪道
 話が本題から逸れてきたんで、FRと冬道について考えていきましょう。で・・・そもそも何でFRが冬道に弱いのか?具体的にFFとFRで比較してみましょう・・・では、まずFFから。
 FFでは極端な話し、何もカモがフロントに集中してる。エンジンもミッションもギアボックスもフロント。およそ考えられるような重量物は前輪の上(とその周囲)に載っかってる。つまりソレだけ前輪が路面に対して押し付けられているワケで、強大なグリップ力が期待できます。多少路面が滑りやすくてもある程度はその押し付けるチカラでカバーできてしまう。勿論、それでも滑りますよ。交差点の発進時や坂道発進時などは。そして雪道はいわゆる低μ路だから車の素性も出やすく、コーナーでは終始アンダーステア傾向にあります。これはシロートでもハッキリと分るくらいのアンダー。早い話しが「曲がれない」のね。たま〜に街中の交差点とかでサイドブレーキを引いてドリフト状態で曲がっていくFF車も居るけれど、時速にして20km/hとか、そんな感じの平和なドリフト(笑)。
 つまりFFは雪道ではアンダーがハッキリとでるけれど、まぁ、それなりに問題なく雪道を走れてるワケです。


■FRでの雪道
 ではFR車の場合、どーでしょう。最大重量物であるエンジンが前方についてて、尚且つ駆動輪である後輪の真上にさして加重を与えるような重量物がありませんから(強いて言えば後席同乗者とリアガラス程度でしょう)、どうしても駆動輪を押し付けるチカラが圧倒的に弱い。しかも前輪はエンジンの加重で押し付けられてるとなれば、低μ路の雪道じゃあタイヤが空転するのも無理はありませんよね。つまり、FR車の”前後重量バランスの悪さ”(後述)が、雪道&氷結路では致命的である、と。
 後輪が空転して前に進まないし、ちょっとした坂道でも登れないし、直線を走ってても突然リアが横に流れて(ケツ振り状態)不安定だとか。とにかくマトモに走ることができません。ちょっと大袈裟に言えば駐車場から出ることさえまま成らないんですよマジで。ワタシ、前愛車のフェアレディZ(Z32)に乗っていたとき、キレイに除雪されたスーパーの屋外駐車場に停めていて買い物を終えて帰ろうとして全く発進できなかった経験がありました(苦笑)。キレイに除雪されていた=路面がスケートリンクのようになっていた駐車場だったので、一旦停止したが最後、そこからの発進はいくらアクセルを踏んでもクルクルと駆動輪が虚しく空転するダケでしたもの。このようにFRは致命的に冬道に弱いです。
 そしてFFのアンダー傾向に対し、FRの場合、オーバーステア傾向が強まります。街中の交差点を曲がるダケでも尻が流れてスピンしそうになる。だから雪国では皆、無意識のうちにカウンターあてて曲がってる。買い物に出掛けるオバチャンでも、そこらへんの交差点で3カウンターあてて曲がってる(笑)。まぁ、その殆どが十分に尻が滑りきってからのカウンターなのでキレイなドリフト状態ってワケでは無いですがね。ちょっと腕に覚えのある輩は、キレイな体勢を維持したままドリフト状態で曲がっていきますが(コレがうまく決まった時の気持ちよさと言ったら!(笑))。

 ・・・あれ?と思った人、手を挙げて〜。はい、 そうですね。FRってのは本来、エンジンをフロントに搭載して、トランスミッションをセンターに、そしてリアにデファレンシャルギアを搭載するというカタチで重量を1ケ所に集中させることなく、前後の”重量配分を適正化できる”のが「売り」のハズですよね。ちゃんと設計すれば前輪と後輪に同じだけの重量配分になるハズなんですね・・・で、そんなマジメな作り方をしてるFR車ってあるでしょうか?・・・世界中さがしても50:50の不文律でコツコツと車作りしてるのはBMW社だけですよ。そしてそんなBMWの車は、雪道でもとくに問題なく走れたりするんですよコレが。だからFRの全てが冬道に弱いワケじゃあ無い。”重量配分の不適切なFRは雪道に滅法弱い”ということです。クラウンしかり、マーク2しかり、ローレルしかり、前後重量配分が不適正なFR(=一般的なFR車)だから冬道に弱い、ということダケなのです。
 日本の自動車メーカーが前後重量配分の均等配分なんて言い出したのは、つい最近のコトですよね。バブル期頃から北海道でもBMWはゴロゴロと溢れ出しました。でもその殆どがFR車。BMWにも末尾に「X」が付く4WDモデルがありますが、この北海道でさえ殆ど皆無に近いです。つまりBMWはFRでも問題なく走れてるんですよね(直4だの直6だのあんな大きく長く重たいエンジンを前に積んでおいてよく出来るよな、と感心しちゃいますわ。さすがBMWですなぁ)。一方、プレミアム・セグメントの代表格であるメルセデスにおいては4MATIC、つまり4WDモデルが結構な割合を占めているように(パッと見ですが)感じます。昨今のEクラスなら街中を走る殆どが4MATICモデルだと感じます。それに冬の坂道を登れないメルセデスを見かけることは少なく有りません。札幌の高級住宅街は小高い山の上にあることが多いので、そんな坂を難儀そうに登るメルセデスを目にすることは何度となくありましたね。余談ですが、全国でもAudiがBMWの販売数を抜いているのは北海道地区ダケだそうです。Audiの4WD戦略が北海道民にウケたようで。
 



■チェーン装着のFR車
 前述のような(重量配分が不適切な)一般的なFR車が、取る解決策としてタイヤチェーンを装着するってのがよくあるパターン(勿論スタッドレスタイヤの上に装着ですよ)。実際、ワタシもフェアレディZ(Z32の2by2)に乗ってた頃はゴムチェーンを後輪に装着してました。で、結論から言うと、前後のグリップ力に決定的な差が生じてしまって、駆動輪である後輪の前進するチカラは凄く強いのに対し、前輪が相対的にグリップ力が弱くなってしまい、交差点で曲がろうとハンドルを切ってもそのまま前進してしまうという状態に(笑)。ウィンカーあげたまま交差点を直進しちゃうのね。いや、コレは結構あぶなくて笑えないんですわ。さらにいくらゴムチェーンでも乗り心地が最悪だし走行音が激しい。まるでキャタピラのついた戦車に乗ったような乗り心地。そしてチェーン装着の関係上、40km/h程しかスピードが出せないし、常に装着したままだと1シーズンでボロボロになって使えなくなるし・・・で、まったくもって実用的ではありません(え?4輪にチェーン装着できないかって??無理じゃ無いけれど、非現実的です。戦車の乗り心地に耐えられるなら別ですが・・・あ、あとV35ってホイールハウス内がそんなに大きく無いから・・・っていかタイヤが目一杯おおきく設計されてるからチェーンはただでさえ厳しいのカモ)。
 ただ、スタッドレスタイヤでは経験できない強大なトルク伝達と、走破性を体験できます。コレはコレで結構楽しかった思い出がありますねぇ〜。いずれにしても北海道でチェーン装着のクルマなんて殆ど皆無ですわ。
 


■フロント・ミドシップ・レイアウトFR車(上の図は大袈裟)
 そして我らがV35スカイラインから採用された日産が誇る「フロント・ミドシップ・レイアウト」なFR車の場合はどうでしょう。結論から言うならば、先述のBMWが雪道でもほぼ問題なく走行可能なように、フロント・ミドシップ・レイアウトを採用したV35スカイラインも”ある程度”問題なく走ることができます(この”ある程度”ってのがミソ。詳しくは後述)。
 前後重量配分が最適化されて50:50に近い52:48となったV35スカイラインは、それまでの国産FRとは”まるで比較にならない程”に雪道を走ることができます。BMWオーナーがそれほど苦なく雪道を走っているキモチがようやく分かった。たいしたモンだわ。ただし、あくまでFRというカテゴリの中において”まるで比較にならない程”って話しです。これをFFや4WDの基準に揃えて考えると、やはりダントツでFRは雪道に弱いです。間違い無く弱い。
 まずFRの宿命として、少しでも不粋なアクセルワークをするとスグさまリアが横に流れます。直線だと直ドリ状態、コーナーだとまさにドリフト状態。しかし前後重量配分の適正化によりコントロールしやすいです。終始、オーバーステア気味ですが、このサイトを見ている”モノ好き”な皆さまには、さして苦にならんでしょうし、むしろソレを積極的に楽しむ事だってできるハズ。低μ路ならではの圧倒的に低い速度域で滑る感覚が味わえますので、時速30kmでアクセルワークによる姿勢変化とかを堪能できます(笑)。要は、この滑るって状況をウィンターシーズン限定のイベント的要素だ、と好解釈できる方なら結構楽しめるとオモイマス。
 
 そんなに前後重量配分が影響するのか?って思う方も居られるでしょう。でも考えてみると、前後重量配分の適正化が最も効果を発揮するのは、乾燥路においては限界点に近付いたときですよね。冬道は、いわばこの限界点が尋常じゃ無い程に低く、それこそ低μ路の極みなワケですよ。つまり常に限界点あたりをウロウロ彷徨いながら走るのが冬道ってワケで、常に前後重量配分適正化FRの持つ最も美味しい部分を使いまくって走るってことにもなる、と解釈できるんですね。だとしたら、そのホンのチョットの差が、常に迫り来る大きな差になってあらわれると思うんです。
 ちなみにR34スカイラインの前後重量配分は56:44です。V35のソレ(52:48)と大差ないように思われるカモ知れませんが、このチョットの差がデカイんですよ本当に。R34では登れない冬の坂道を、V35なら楽々登れる。実際、そんなモノです。
 


■路面はツルツル
 次に雪国の路面状況についてご紹介。冬の路面は呆れるほどツルツルに凍ってます(これは北海道に限らず新潟など本州方面で雪の降る地域でも同様だそうで。むしろ北海道より暖かい長野や新潟等では昼に降った雪がスグに溶けてしまい、それが夜の寒さで氷って、とんでも無い凍結路面になってしまうそうですね)。冬底の靴を履いても立ってられないような場所さえあります。不整地な凹凸のあるスケートリンクと思っていただければ良いかと。それでも地元民は慣れてますから、それなりにフツーに歩いてます。・・・が当然のように毎年、転んで骨折する人が大勢います。とりわけ高齢者が転んで骨折となると、回復が見込みにくいために以降一生、寝たきりor車椅子生活になってしまう、なんて笑えない状態です。高齢者が滑って転ぶ姿を見ると「大丈夫か!?」と本当に心配になりますもの。
 で、そんなツルツルの路面を、ゴムのスタッドレスタイヤで走ろうっていうんだから土台無理がある話しなんですよ(苦笑)。さらにいうとゴムタイヤが路面を研摩し、余計にツルツルになるんですね。さらにその上を走るワケですから、根本解決がまるでなされていないってワケなんです。じゃあゴムタイヤなんかヤメて、鉄のピンを打ったスパイクタイヤでも履けば良いじゃん!って思うかも知れません。しかし、このスパイクタイヤが法律で禁止されてるんですよ。昔はOKだったんですけれどもね。・・・え?なんで禁止したのかって?実はスパイクタイヤには深刻なデメリットがあるんですよ。
  


■スパイクタイヤ禁止
 歩道でさえ立ってられない状態なのに、車道はもっとツルツル。これは現在、前述のようにスパイクタイヤが禁止され、スタッドレスタイヤしか使えないためです(一部緊急車両と障害者指定車は除く。あ、あと法律を無視して装着してるDQN車輌も)。遡ること1990年、北海道ではスパイクタイヤが禁止になりました(スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律)。スパイクタイヤを使えば確かに雪道は安全かつ快適に運転できます。しかし、強靱なスパイクは道路のアスファルトをも砕き、空気中に「車粉」と呼ばれる粉を撒き散らすことになったんですよ。この粉がヒトや動物の肺に入って深刻な健康被害を及ぼしてました。実際、雪が降って喜んで庭を駆け回っていた犬が変死したので解剖してみたら肺をはじめとした内臓が車粉で真っ黒になっていた、という例も報告されている程。私自身、当時は外を少し歩いたダケで口の中がザラザラしたのですから健康に良いハズがありませんよね。鼻をかんだら鼻水が灰色に・・・なんてこともありました。いやはや恐ろしい。こりゃマズイ、っていうかマズすぎるだろ!ってコトで禁止になりました。
 
 それまでの北海道の道路インフラはスパイクタイヤが前提で設計されたものであり、当然スタッドレス移行直後はかなりの混乱が生じることになりました。事故が多発し、ツルツル路面で速度は下がり交通インフラは麻痺状態、ただでさえ広大な土地で移動コストが嵩む北海道において経済への影響も計り知れない程でした。反面、悪いことばかりでは無く、スパイクタイヤ禁止後は札幌の冬にも青空が戻り(スパイク時代は車粉で空が黒かった)、健康被害も皆無となりました。しかしながらスパイクタイヤ禁止によって発生した悪害の多くが未だその解決方法さえ見つけられないという状況であることもまた事実です。
 余談だけど、先述のように禁止してもスパイクタイヤを装着する不届きモノは居るモンでして、ヤクザのベンツやDQNセルシオとか違反を承知で装着してるんだよなぁ。あと冬でも走りを忘れない過激なFDやら86やらが「ラリーにでも出るのかよ!」って言いたくなるようなスパイク履いてますわ。やれやれ。まぁ、普通乗用車でスパイク履いてたら「アイツは下手クソな憶病者」と思われるでしょうけどね。
 


■スタッドレスタイヤってどうよ?
 スタッドレスタイヤはここ数年で大きく進化してますよね。初期のスタッドレスは性能的にも劣っていたことも勿論だけど、これまでのスパイクタイヤとはそもそも全く概念の違う運転感覚を要求する為、運転者の不慣れが原因でスパイクタイヤが禁止となった年の冬には多くの悲しい事故が発生してしまったようです。最近のスタッドレスタイヤの進化は著しく、とりわけブリヂストンが作る「ブリザック」はスタッドレスタイヤのトップブランドになってます。「死にたくなかったらブリザックにしておけ」と言われる程。私自身、ブリザックMZ-03を使ってるケド、すごく良いですわ。
 スタッドレスタイヤは指で触っても分かるくらい、とても柔らかいタイヤです。その柔らかさで雪と氷を掴むとか。スタッドレスタイヤは経年劣化で大体3年(3シーズン)目で使用限界と言われます。雪の上を走るワケですから摩耗は殆ど無く、見た目にはバリ山なんだけど、経年劣化で固くなったタイヤだと路面を掴めないんですわ。
 スタッドレスタイヤは基本的に「滑り」ます。って言うか、滑りまくる。だから「滑りながら」走ったり、停まったりしてるんですな(笑)。内地の人が北海道にくると、フツーに車がドリフトかましてケツ滑らせながら走る姿に驚くみたいだけど、地元じゃ買い物にいくオバチャンでさえドリドリ状態ですからねぇ〜(笑)。
 

■スタッドレスタイヤは年中使える?
 たまに磨耗したり劣化し硬化したスタッドレスタイヤを夏シーズン用タイヤとして使ってる人を見かけます。そーゆークルマに限って、すげー汚ったない軽自動車とか、ビンボーくさいクルマが殆ど。で、ロクに保険なんか入って無いんだろうなぁ〜って感じの事故とかに巻き込まれたく無い類いのクルマ&オーナーたちです。で、結論から言いますとワタシの持論としては「スタッドレスを冬以外に使うな」デス。
 以下、北海道警察の機動交通分析プロジェクトチームが行った調査結果を掲載(引用)します↓

湿潤路の制動距離

夏タイヤ 溝4.9mm

スタッドレス 溝6.9mm

スタッドレス 溝10.2mm

40km/h

8.71m

10.39m

11.19m

60km/h

18.62m

22.53m

25.00m

乾燥路の制動距離

夏タイヤ 溝4.9mm

スタッドレス 溝6.9mm

スタッドレス 溝10.2mm

40km/h

8.30m

8.94m

9.12m

60km/h

18.38m

18.75m

19.05m

 湿潤路面および乾燥路面ともに制動距離が2〜3割も延びてるのが分ると思います。さらに同プロジェクトチームの調査結果によれば、スタッドレス装着車は半径100mのカーブでおよそ10km/hほど速度を落とさないと曲がりきれない、とのこと。つまりスタッドレスタイヤを夏シーズンも使うことは危険が伴うのです。
 ワタシの大好きな自動車テクノロジーライター・松本英雄氏の著書「カー機能障害は治る」(二玄社)P93には「スタッドレスタイヤは年間を通して使用してもさしつかえありません」と書かれていますが、この意見にワタシは断固反対します。勿論、松本氏の主張にはスタッドレスタイヤを通年利用することのデメリットや注意点について細かく具体的に書かれており、誤解を招かないよう注意を払っている様子がうかがえます。それら注意を促した上で「交換した方が望ましい」と結論付けてはいます。しかしワタシとしては「望ましい」なんて弱い表現では無く、「交換しなさい」「っていうかフツー交換するだろ?」と声を大にして言いたい。
 なぜなら、そーゆー安全性を犠牲にしてタイヤをケチるような思考パターンを持つ輩が乗るクルマってのは、無謀な運転を我がもの顔でしてるようなのが多く、ただでさえ危なっかしい無保険DQN連中なのに、さらに物理的に制動距離が延びてしまうようなタイヤを装着して走るだなんて。単独事故で本人が怪我&死亡するダケなら構わないが、他人を巻き込んで事故るのだけはカンベンして欲しい。
 


■冬タイヤは細目が良い??
 冬タイヤにおいて、よく言われるのが「タイヤ幅は大きい(広い)方が良いの?」って話し。一見、タイヤ幅が大きい(広い)と接地面積が大きくなり、グリップ力が向上するように思えます。しかし幅が大きいことは、単位面積あたりに掛かる加重も少なくなってしまうことを意味し、けっして冬道では有効とは言えません。逆に幅が小さいと、それだけ過重面積が集約され、重さがシッカリとのしかかります。WRCなど冬道を走るラリーで、ウィンタータイヤ(あれはバリバリのスパイクですが)はビックリするくらい細いですよね。アレも同じ理屈なようです。
 また、冬はタイヤの空気圧を少し抜いて接地面を多めにするってのもセオリーです。なんだか矛盾してるようですが空気圧を減らすことで稼げる接地面の向上と、タイヤ幅そのものを大幅に拡大する低偏平率タイヤとは全然話しが違うってコトですな。あとスタック時はタイヤの空気圧を少し抜いてあげると出やすくなる、ってのはクロカン四駆乗りな方々が泥地でスタックしたときによく使う手ですがソレと同じですね。

■オールシーズンタイヤは論外
 世の中にはオールシーズンタイヤなるモノがあるそうで。普段はフツーの乾燥路用タイヤとして使用でき、さらに多少の雪が降ってもOKなタイヤのコトらしいですが、はっきり言って「多少の雪」ですから、雪国では全く通用しません。たまーにクロカン系四駆が好んで履いているようですが、ロクな走り方してないですからね。ワタシ的にはオールシーズンタイヤは雪国においては論外だと思ってます。たま〜にしか雪が降らない地域なら良いのでしょうが。

■自分で交換、当たり前?
 北海道では冬になるとスタッドレスタイヤに交換するワケですが、そのタイヤ交換作業は自分で行うのが当たり前のようになっています。コレ、雪の降らない地域の人と話をすると驚かれるんですよね。「え?タイヤ交換なんて自分でしたことないよ」と。まぁ、無理もありません。夏タイヤだけでイイなら、磨耗して買い替えるときかパンクしたときくらいしか交換なんてしないワケですし、それも買った店でやってくれるのが一般的でしょう。
 北海道では1台のクルマに対し、夏用のホイール&タイヤと、冬用のホイール&タイヤを用意しています。シーズンが冬近くになるとクルマを買うときに冬タイヤ用のホイールとタイヤも一緒にディーラーで買うってのが多いです。クルマ買ったら一緒に冬タイヤも買う、と。
 で、同じホイールを夏と冬に使い回しても良いんだけど、そうすると交換の度にガソリンスタンドやらカー用品店やらに持ち込まなきゃいかん。タイヤ組み込み料&バランス料だってバカにならんでしょ。ましてそれを1年に2回(冬と春)に行わなきゃならんですし。それも毎年!さらに例えば朝起きたら外が一面真っ白に雪積もってたりするワケですよ。そうするとタイヤの組み換えにいくことも出来ない(万が一、辿り着いたとしてもカー用品店はタイヤ交換で大混雑。数時間待ちなんて当たり前で一日を棒に振る)。まぁ、どーせクルマ好きならホイールを自分の好きなのに代えるでしょ。じゃあ余った純正ホイールを冬タイヤ用にしよう、ってパターンが多いです(ワタシ自身、夏シーズンは300GT純正17インチ、冬シーズンは250GT純正16インチを使用)。大径タイヤのスタッドレスも売っているケド、かなり高額だから、だったら冬の間は純正ホイール&純正サイズのスタッドレスでイイや、と。
 そんな感じで北海道に住む人のかなりの割合が夏用と冬用のタイヤ&ホイールのセットを用意し、尚且つ自ら交換してます。



■4WDだらけ
 北海道では4WDが非常に多い。それはRV系の4WDが多いのは勿論、セダンなどにも4WDが設定されている車は間違いなく4WDが選ばれるんですね。たとえばV35スカイライン、非降雪地域にお住まいの人は4WDのV35なんて滅多に見ないでしょうが、北海道ではFRのV35スカイラインなんて殆ど見かけん。ワタシはFRなんだけど周囲から「なんで4WDの設定がある車種でFRを買う!?」と不思議がられる(笑)。
 マーク2然り、シーマ然り、マーチ然り、商用バンに至っては確実に4WD。北海道では「埋まる」ことが多いからです。例えば一晩、大雪が降った後の朝、車を出そうと少し前進したダケで深い雪に埋まったり、ちょっと脇道に入った途端に除雪されてなくて埋まったり。そうした時に4WDならカンタンに脱出することができますが、FFでも辛い。スコップもって外に出て雪を除けてやらなきゃ行けません。さらにFRなら・・・諦めてJAFを呼ぶしか。いずれも大雪や吹雪の中では大変な作業ですし、JAFのキャパにも限りがあるので悪天候の日などは他にも同じようにトラブっている人が居るためレスキュー予約が超混雑して「明日にならないと行けません」なんて言われることも。大雪の日なんてJAFに電話さえ通じませんからね。回線パンク状態。みんな同じように困ってるんだなぁ、と実感(もしくはJAFの回線数が物理的に足りないか、JAFが怠慢なのか)。
 ともあれ、ワタシとしては雪道で困るのは12月〜4月の5ヵ月間。残り7ヵ月はFRで問題ないワケですよ。っていうか好みの問題でワタシ的にはむしろFRの方が好き、だから北国に住んでますがFRに乗ってます。でもV35スカイラインやBMWのように前後重量配分の最適化がなされていないFR車に乗るつもりは毛頭ありません。冬、大変な目にあうだけですから。
 ちなみに前述のように近年、北海道ではFRのBMWよりも4WD設定が標準的なAudiの方が売れてるんですって。信じられます!?コレは北海道人の殆どが盲目的に「雪道は4WDでないとダメだ」と信じているから。住んでいる場所にもよるんだろうけど、そんな4WDで無いと絶対にダメなんて機会はワタシの場合、年に1〜2回くらいしかありませんけれどもねぇ。ミニバンの3列シートのようなモンでしょうかね、ほら「3列シートだとたくさん人が乗れるから」とか言うけれど、そんなの使う機会なんて年に何回あることやら・・・と。まぁ、それでも確かに冬道の4WDは安定してて良い魅力的ですけれどもね。

■スノーモードってどうよ?
 V35スカイラインのATについてるスノーモード。スノーモードを選ぶと発進加速を低下させ、急発進に起因するスリップを防ぐモノです(2速発進を行うのではなく1速から順にステップしていく)。賛否あるようですがワタシは雪道を走るときは常にスノーモードにしてます。不意なケツ滑りとかが未然に防げます。スタック時もハンドルをまっすぐに戻してスノーモードでジワリと発進すれば案外簡単に脱出できるものです。
 春になりスノーモードを解除してオートモードに戻すと、これまで封印されていた発進加速に驚きます(笑)。すげー、こんな速いクルマだったのか!と(笑)。あらためて感動したくらいにして。でも数十分で慣れてしまうんですけれどもね。

■ハイテク装備は使える?
 車輌の危険回避手段のひとつとして世界中の自動車メーカーが研究開発&装備をすすめるハイテク装備。V35スカイラインにもVDC(Vehicle Dynamics Control)と呼ばれる車輌安定制御装置が搭載されています・・・ただし、最初期の300GTにメーカーオプション、マイナーチェンジ後の350GTおよびクーペにのみ標準装備です。ワタシの持つ250GTにはオプションでさえ用意されていません。つまり付けることができません。
 このVDCとは、TCS(トラクション・コントロール・システム)と、ブレーキLSDを足したようなモノで、車輪のスリップを抑えながらも駆動力を確保することで前に進むチカラを得よう、という装置。要はケツ振って滑り出すような路面において、安定してまっすぐ走れるって装置です。低μ路な雪道において、まさに有り難い装置といえるでしょう。このVDC装着車はデフォルトとしてVDCは作動しっぱなしになっており、ドライバーの意思によりスイッチによるVDCキャンセルも可能(ただしブレーキLSDは常に作動)。
 で、このVDCも賛否両論なのは皆さんご存じの通り。このテのデバイスってハッキリと好みが分かれますよね。ワタシは雪道、このVDCを装着しているスカイライン・クーペに乗ったことあるんだけど、氷った路面の交差点を少しオーバースピードで進入したとき”VDC”が介入してきました。ガガガガガって大きな作動音を響かせて失速、メーター内のVDC作動を知らせるインジケータ点滅とともに車輌は何事もなかったかのように交差点を抜けていきました。コレがVDC非装着車であるワタシの250GTならすかさずリアが滑ってカウンターあてないと交差点を抜けることができなかったでしょう。しかし、VDC装着車であるクーペではリアの流れを感じる前に電子デバイスが間髪いれず介入し、運転者はブレーキもかけていないのに車輌はいっきに速度を落としつつ、でも確実に前に進む、みたいな。
 それまでVDCのような制御装置を体験したコトなかったワタシは、はじめナニが起ったのか理解できなかった程です。その後、何度かワザとリアを滑らせてやろう、と直ドリ状態に持ち込もうとするも、ことごとくVDCに相殺されてしまい何だか説教されてるような気分です(苦笑)。VDCを簡単に体験するならプレイステーションの「グランツーリスモ」をプレイしたことあるなら、分ると思いますがVDCをONにしてるとスピンとかわざとさせようとしても出来ませんよね、ソレです。
 まぁ、その”不自然さ”を嫌う人がいるのはよく分ります。ただ、こと雪道においては”極めて有効な装備”であると思います、ワタシは。とくに冬の峠道などではとても頼もしいでしょう。「VDCウザイ」って意見もよく分りますが、まぁサーキット走るワケじゃありませんからね。完全にOFFにできればもっと良いんでしょうが。
 もう1つのハイテク(すでにローテク?)なABSについても便利。ABS嫌いな人も多いでしょうが、いまやABSは欠かせないデバイスでしょう。雪道においても安定した走りをサポートしてくれるテクノロジとしてワタシは積極的に評価しています。・・・と、まぁ、ハイテク装備は「あるに越した事はない」とワタシは積極的にWelcome姿勢デス。雪道では、これら装備があればあるほど安全になりますし。勿論、無くても大きな支障はありませんが。まぁ、その程度の付き合い方で良いんじゃないでしょうか。

■LSDは必要?
 V35スカイラインにはLSDがメーカーオプションで用意されています。ただし前述のVDCとは排他装着となります。ワタシの250GTにはVDCがメニューとしても用意されていないけれどもLSDは4万円で装着可能です(ただし廉価モデル250GTeには装着不可)。LSDはビスカス式。「ビスカスなんて役に立たないよ」って人はサーキットでも走る人なんでしょうかねぇ。冬道においては少なくとも4万円以上の価値はあるとワタシは思ってます。路面の摩擦係数が前後左右で絶えまなく激しく変化する冬道においてはビスカスでも十分体感できる効果がありました。ちなみにワタシのV35スカイライン250GT-PコレにもLSD付いてます。このテのメーカーオプション系は「あとで装着」ってワケには行かないので、後で後悔しそうな予感がしたら購入時に装備しておくor中古なら装備済のを意地でも探すのが宜しいのかと。

■エンジンブレーキ過信は禁物
 よく冬道走行で「エンジンブレーキを多用しなさい」ってのがあるけれど、ワタシはコレに反対票を投じます。なぜか?その理由はエンジンブレーキは駆動輪にしか掛からないため、前後輪の制動差が激しく車輌が不安定になるためです。実際、JAFの安全教本にも低μ路である冬道でのエンジンブレーキは危険が伴うので好ましく無いと書かれていました(4輪が駆動輪である4WD車はOK)。
 ところが一般的には「雪道にはエンジンブレーキを」と信じられているようですし、自動車教習場でもそういう教え方をしてるトコがあるようですね。そのせいで結構強いエンジンブレーキをかけてるドライバーをたまに目にします。そのことを指摘すると「はぁ?雪道にはエンジンブレーキだぜ。おまえ知らないのか?」なんて言い返されたりして。まぁ、強いて言えば確かに少しずつ少しずつエンジンブレーキをかけて制動効果を出すのであれば効果的かも知れません。しかし多くのドライバーはそんな繊細な運転をしておらず、ただ闇雲に「雪道にはエンジンブレーキ」と信じ、容赦なくエンジンブレーキを浴びせる。エンジンブレーキであれフットブレーキであれ”急な制動”はダメってことを理解する必要があると思います。
 またエンジンブレーキは後続車に制動をかけている行為を知らせない(ブレーキランプが点灯しない)ため、ただでさえ車間距離に気を配る必要のある雪道においては危険行為だとワタシは思うのです。さらにエンジンブレーキをかけようとした場合・・・MT車で考えると分かりやすいのですが、駆動が伝わって前進しているときに、まずクラッチを踏むことでタイヤへの駆動伝達が切れ、次にエンジンブレーキによる制動が駆動輪にのみ掛かる・・・という2段階で車輌が不安定になる要因を作ります。これが凍結路などの極端な低μ路では悪影響を及ぼす危険性が(僅かであれ)発生します。逆にフットブレーキでは4輪すべてにほぼ均一に制動が掛かるワケであり、偏った制動にならない点からも安定度は高いと考えています。
 このようにワタシは冬道のエンジンブレーキ過信は危険だと考えています。

■寒冷地仕様車ってどんなの?
 雪国には「寒冷地仕様車」ってのがあります。リアワイパーが付いていたりバッテリーが大型化されてたり、ダイナモやらセルモーターやらが強化されてたり、バックフォグが付いてたり、ドアモールの材質が違っていたり、クーラント液の濃度が違っていたり、ワイパーのモーターが強化されていたりする等、実用&必要面で強化された装備になってて値段も若干高めになってます。昔はそれこそ寒冷地仕様車じゃなきゃ北海道は走れない、なんて言われていましたが、最近では車輌そのものの基本性能が上がり非寒冷地仕様車でも問題なく走れます。ただ、寒冷地仕様車だと冬に便利な装備が色々と付いてきます。
 V35スカイラインの場合、「ヒーター付きドアミラー」と「ワイパーデアイザー(フロントガラスの一部に雪を融かす熱線が入ってる)」、「大型バッテリー」の3項目が設定されています。ヒーター付きドアミラーとかは結構重宝しますよ〜。

■関連装備も重要
 例えば大雪や吹雪のような悪天候の深夜、車が滅多に通らない峠道とかで事故ってしまったり(冬道の場合、単独事故が多い)車が故障したとしましょう。自走不可能でエンジンも掛からない。外は猛吹雪マイナス20度の世界、JAFを呼ぼうにも携帯電話は圏外・・・さて、どうしよう・・・。こうした場合、はっきり言って命に関わる問題になる。エンジンを切った車は急激に冷え込む。そりゃ〜鉄とガラスの固まりなワケですから雪や風は防ぐことは出来ても暖かい場所では決してありません。さらにもしも「ちょっとそこまで」と軽い気持ちで外出したもんだから軽装備で薄手のコートしか持って来てない!なんてコトになったら凍死まで時間の問題ですわな。
 私は車のトランクに厚手のコートを常備してます。吹雪が止むのを車の中で待つ為、そして最悪の場合、車を捨てて携帯が圏内になる場所まで歩くために。でも携帯って圏外のときはバッテリー消費が激しいし、極寒の中では携帯のバッテリーはアッと言う間に切れてしまうし、携帯の液晶も凍って表示速度が著しく鈍くなる(!)ので注意が必要ですけどね。ともあれ、寒さというのは機械も人も動けなくする恐ろしいモノだから一歩間違えば命に関わるってことになりかねませんね。なので深夜に人寂しい峠とかには行かないようにしてます(10年ほど前、深夜にパルサーを運転中、森の奥で埋まったことがあり死ぬかと思いました。もちろん携帯も圏外。数時間後、偶然通りかかったジムニーに助けてもらいましたが)。
 その他、多少のスタックには自分で対処できるようスコップを常備しておくのは勿論、牽引ロープなども必須装備の1つですね。あとワタシの場合、ウォッシャー液も必ず予備を持っています。夏なら水で代用できるでしょうが冬は不凍液じゃないと氷ってしまうので。

■その他、注意すべき点
 冬、駐車するときは建物の側に駐車しないのがベストです。豪雪地域では建物の屋根に降り積もった雪が屋根から滑り落ちるからです。屋根の下にクルマを停めてしまうと落ちて来た雪でクルマが潰されます。いや、マジで潰れます。クルマの屋根なんて簡単に凹みますからね。また、ガレージの上も雪が積もり過ぎるとガレージごと潰れてしまいますから、ガレージ上の除雪も怠ることはできません(実際、ワタシの遠い親戚が買ったばかりの新車をガレージもろとも雪に押しつぶされました)。

■結論
 結論です。V35スカイラインならFRでも十分、冬道は走れます。ワタシの言い分だけじゃ不安だって方に雑誌「CAR GRAPHIC」2002年3月号P113の記事の言葉を御紹介します→「もちろん、コーナーでは常にカウンターステアが当たりっぱなしだが、そのトラクション性能はフロントにエンジンを積むRWDとしては飛び抜けて高い」「本来はシャシーの粗が出やすい低μ路なのに、今回は逆に基本設計の良さを思い知らされてしまった」(新井勉氏のレポート記事より)。まさにその通り。これで冬道のFRに関する不安は解消されましたか?さぁ、一緒にウィンタードライブを楽しみましょうよ!





 


作成:2005年3月