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まずは、結論から。
 先を急ぐ訳ではありませんが、まずは結論から。
 もしアナタが日産車のオーナーで、愛車をドライブ中にiPodなどの音楽再生装置を高音質に、それでいて手軽かつ安価で確実に楽しみたいと考えるなら「日産車純正デッキ外部入力コントロールユニット・AIC-210」こそベストなソリューションである、と確信します。ワタシは自作のケーブルで純正オーディオに外部入力を実現しiPodを接続して使用していたものの、このAIC-210の導入により使い勝手が飛躍的に向上し、前にも増して車内で音楽を楽しむようになりました。
 このAIC-210は某巨大オークション等で販売されており、価格はワタシが購入したときは14,000円でした。この類いの装置としては安価であり、ワタシが以前購入した米国PAC社のAAI-NISという同種の外部入力装置は標準価格$129.96(約15,000円)で、さらにこれに日本迄の送料や入金手数料などが掛かり、結果的には20,000円ほどの出費となりました(そして悲しいことに日本仕様のデッキには使えなかったというオチまで付いて(苦笑))。つまりAIC-210は同種の商品と比較してもコストパフォーマンスが高い装置であることは勿論、その製品クオリティも極めて高く、使い勝手も良いコトから現時点においてこのAIC-210こそが「ベスト」とワタシは結論付けました。
 (※ちなみに日産が純正オプションとしてiPodが接続可能なHDDナビをリリースしましたがコレなんて本体が315,000円、さらにiPod接続アダプターが20,000円も必要だったりします(!)。まぁ、この製品はカーナビ画面でiPod操作ができる、という意味で一概に単純比較はでき無いんでしょーが、それにしても結構なお金が掛かります。ただクルマの中でもiPodに収めた音楽を聴きたいダケなのにぃ・・・)
 

実は用意されている外部入力
 あまり知られていないことですが、日産車の純正オーディオデッキには車種やグレードを問わずほぼ全に古くから音声の外部入力が搭載されていました。しかし、この外部入力は日産が販売する純正のオプション装置、、、たとえばカーナビだったりMDチェンジャーだったり、そうした機器を装着するためダケにしか活用されることはありませんでした・・・いや、正確に言えば「純正機器しか使えなかった」というのが正しいカモ知れません。
 カーオーディオにはメインユニットとなるデッキがあり、外部に接続される再生装置はデッキと特殊な電気通信を行うことで「デッキにMDが繋がっているよ」等のやり取りを行っています。例えばV35スカイライン(前期及び中期モデル)の場合、標準ではMD再生装置が付いていないのでメインユニットの表示部分に「MD」なんて表示は出てきませんが、純正オプションのMDチェンジャーを装着すると表示部分に「MD」の表示が出てきます。つまりコレは後付けした純正オプションのMDチェンジャーとメインユニットが互いに通信を行っているからMDチェンジャーが接続されたことをメインユニットが認識してくれるのです。
 ナニも日産車のデッキに限ったことでは無く、カー用品店で販売されているソニーやケンウッドのカーオーディオでも同様で、各メーカー独自のプロトコルによって機器が連携しており、同時に他メーカーの装置を排除するような構成になっています。
 そして日産車の純正デッキにも古くから(ワタシの確認したところでは80年代後半の日産車くらいから)音声の外部入力機能が備わっているものの、前述のような純正装置しか接続を許さない構成により活用されることが無い(活用できない)状態だったのです。
 
 

  

   


 
 
AIC-210とはナニか?
 ここでご紹介するAIC-210とは、日産車の純正オーディオデッキに付いている(のに活用されることの少ない)音声の外部入力(AUX)を実現するための装置です。デッキとの間で特別な通信を行うことにより、あたかも純正装置が接続されたように音声の外部入力を実現する装置であり、とてもスマートにiPod等の再生機器を接続することが可能です。

 AIC-210(”210”とは製品バージョンのようで今後この数値表記は変更になる可能性がありそうですね)は、ある専門知識を持った方が個人的に開発し、現在のところ某巨大オークション等のネットで販売されているハンドメイドの装置らしいです・・・こう聞くと不安に思われる方も居るでしょうが、少なくともワタシが実際に試した範囲では全く問題なく使えました。

 ・・・いや、より正確に言うならば「全く問題なく」どころかクオリティの素晴らしい製品であり、1つ1つ丁寧にハンドメイドで作られていることが伝わる評判通りの秀作デシタ。よくネットでお手製の品を販売している人たちがいますが、このAIC-210のクオリティはそうした低レベルでは無く、明らかにプロの仕事による作り込みである、と実際に製品を手に取った瞬間に感じられます。
 
 
 



 
 
抜群の操作性
 AIC-210最大の美点は何といってもそのスマートな操作性にあるとワタシは考えます。V35スカイライン(BOSEオーディオ装着車)を例に見ると、ステアリングにオーディオ切替を行う「MODEスイッチ」が付いていますが、AIC-210を装着するとこのスイッチでAUXへの切替が可能です。ちょうど上記図のように、CD→AUX→TAPE→FM1→FM2→AM1→AM2→CD→AUX・・・と切り替わります。

 これはAIC-210では「AFC機能」なる機能が搭載されておりデッキと通信を行うことで可能となっているようです。これまで他の同種製品では、こうしたモードの遷移が行えず、強制的にAUXに切り替えるものばかりであった他、こうした従来品に見られた外部入力ONスイッチによる強制切替で無いのは勿論、外部入力をOFFにした際に純正デッキの電源が強制的に落ちてしまう不具合も回避しているという点で画期的です。

 またAIC-210ではMODE切替スイッチが付いていない日産車(V35スカイラインで言うとBOSE非装着車)の場合も考慮されており、外部入力ONスイッチが別途付属しています。このスイッチをポンっとワンクリックするだけで、いつでもどのモードからでもAUXに一発で切り替えることが可能です。ワタシのV35スカイラインはBOSEオーディオ搭載車なのでステアリングのMODE切替スイッチで前述のように遷移させていくことが可能ですが、1つ1つ切り替えていくのが面倒なとき(例えば交通情報ラジオを聞いていて、そこからAUXに切り替えたいとき)などAIC-210付属のONスイッチを押せば瞬時に切り替わりますのでコレはとても便利。

 さらに!AUXから他のモードへ切り替えたい(例えばFMラジオを聴きたい)ときなども、各モードのボタンを1クリックするだけで、いつでもAUXのモードから抜け出せることができます。この外部入力ONスイッチがあることで、およそ殆どの日産車に対応しているってのも嬉しい配慮ですね。

 またこのAFC機能により、キースイッチをOFFにする直前に選択されていたモードを記憶し、エンジン再スタート時にはその記憶したモードから再生をスタートすることが可能。つまりAIC-210は、まるで日産純正品のように自然に無理なくスマートに機能してくれるのがステキ。こうした操作性の良さは非常に重要な性能と言えます。最小限の操作で済むということは運転中のドライバーへの安全面からも大切なことですからね。
 



 
 
DIN 8pin端子が未使用な日産車に対応
 AIC-210は、日産車の純正オーディオデッキ裏側にあるDIN 8pin端子に接続されます。つまり、この8pin端子が空いている必要があります。例えば純正のカーナビ装着車やカーウィングス装着車の場合それら機器がこのDIN 8pin端子に接続されているためAIC-210は接続できません(ちなみに純正カーナビ装着車の場合、純正カーナビに音声外部入力端子が既に備わっているためそこから接続できます。詳しくは日産ディーラー等に聞いてみてくださいませ)。逆に言うと、純正ナビやカーウィングスが装着されていない日産車で純正デッキを使用しているのなら、ほぼ車種に関係なく装着が可能です。

 昔、デッキにはカセットテープしか装着されていなく、CDプレイヤーが純正オプションで用意されていたような80年代の日産車にもこの8pin端子は確認できました。ちなみにこうした純正オプションのCDプレイヤーは8pin端子でデッキに接続されているため、AIC-210を使おうと思うとCDプレイヤーを外すことになってしまいますが。また、日産純正デッキの中で、2DINのCD&MD一体型デッキやカセット&CD一体型デッキの場合、10pin端子と6pin端子しか付いていない場合がありますので装着ができず注意が必要です(2DINのデッキは注意が必要ですね)。あと日産モコのようにスズキのOEM車だったりする場合もオーディオシステムが違うため接続ができないようです(日産車の場合デッキの多くはクラリオンや松下電器が作っている)。
 自分の愛車がAIC-210に対応しているかどうかを確かめる最良の方法は実際のデッキの裏側を見てみることです↓



実際のデッキの裏側を見て、上記(2)の8pin端子が未使用状態であるならAIC-210は接続が可能です。仮にデッキの裏を見て8pin端子に何かケーブルが刺さっている場合、そのケーブルを抜いてしまえばAIC-210を使うことは(もちろん)できます。例えば8pin端子に接続されていたのがCDプレイヤーだったりすると、iPodがあればCDなんて使う機会殆ど無いのですから「もうCDとはサヨナラさ!」といっそCDプレイヤーを外してしまうって選択もあり得るハナシではないでしょーか?(笑)。ともあれ8pin端子さえ空いていればAIC-210を接続することが基本的には可能なようですね(保証はしませんが、まぁ、ダメな理由は無いでしょう)。
 
 


   
取付作業について
 実際の取付作業でもAIC-210の利点を感じることができます。まず付属のマニュアルが非常に詳細で丁寧に記載されていることが分ります。車の電装品とか自分で付けたことある方なら一目瞭然でしょう。さらにユニットから伸びる各配線の長さも実に考えられており、何も付け足すことなくそのままポンと取付できる感覚です。この手軽さは作業してて感じる嬉しさです。・・・そして何より、このAIC-210の利点であり美点なのがユニットそのものの大きさが非常にコンパクト!であること。小さなユニットと取り回しやすい十分な長さを持った各配線のおかげでチョットした隙間などに納めることができました。このあたり非常に考えられているなぁ〜、と感心します。

 取付作業にあたり、まずは内装をバラす必要があります。で、多くの人がこの作業に不安や難儀を感じることでしょう。V35スカイラインオーナーなら、G35iPod.comの説明が分りやすいでしょう。ソレ以外の日産車オーナーにはソニーのホームページにある資料が役立つことでしょう(そーいえばソニーは車載用カーナビ事業から撤退するそうなので、いつまでこのサイトの資料が使えるかは微妙・・・)。まぁ、1つ1つ丁寧にバラしていけばナンてコトはありません。引っ掛かりを感じたときは無理は禁物。そっと(それでいてチカラを込めて)取り外せば難無く内装をバラすことができますよ。手慣れてくると10分もあればダッシュボードやコンソール付近はバラバラに開腹できます。どーしても上手くバラせない時は日産ディーラーに持ち込めば良いんですしね。プロはものの数分でテキパキと分解していくので圧倒されます!
 内装をバラしたらあとは8pin端子にAIC-210のユニットを接続し、常時電源(+)とアース(ー)に接続するだけ。アースはボディは勿論、デッキ本体の裏側の金属部分など、どこからでも取ることは可能です。
 



クオリティは完璧。
 AIC-210を介して聴く音は完璧な高音質です。AUX入力によるデッキへのワイヤード接続であることは勿論、AIC-210自体のクオリティが高く(ケーブルもノイズ耐性の強いものが用いられている等)、無音時のノイズも感じられませんでした。

 iPod等の再生装置を車載する方法として簡単なコトから「FMトランスミッター」を使われる人が多いようです。実際、ワタシも試したことがありますが、ハッキリ言ってFMトランスミッターの音質は「悪い」です。FMラジオを車内で聴くと、とても高音質に聞こえるためFMトランスミッターで接続したら同等レベルの高音質が得られるだろう、と考えがちですがソレは大きな間違い!まずFM局が発する電波には予めノイズ対策として音をイコライジングかけて聴きやすくされています。FMトランスミッターではそんなイコライジングも無く素の音が出ますので同じFM方式でもプロの放送局とは音質が雲泥の差です。
 またFMトランスミッターには周波数を割り当てる際にアナログでダイヤルを回していくタイプと、デジタルで特定の周波数を選択できるタイプのモノがありますが、まずアナログは使いモノになりません。シロートの手で調整なんてできるような代物ではありませんし、仮にオシロスコープでも覗きながら根性で微調整したとしても、ほんの僅かな狂い・・・例えば走行時の振動等で発生する狂いでも音質は一気に悪くなります。その点、確かにデジタル式なら特定の周波数にピッタリあわせることができますが、それでも”所詮はFM波”の音質です。・・・にも関わらず高価なのです(3,000円〜8,000円もする!)からFMトランスミッターを選ぶ理由はナニひとつ無いハズ。

 また、カセットアダプターを使うことでiPod等の音をデッキに送る方法もあります。V35スカイライン(初期及び中期モデル)の場合、標準デッキがカセットテープ&CDチェンジャーなのでカセットアダプターを使うことができます。なぜか世の中、誤解している人が多いのですが、FMトランスミッターよりもカセットアダプターの方が音は良いです(カセットというと音が悪いような印象を持っている人が多いみたいで悲しい)。
 これはFM波の周波数特性が50Hz〜15KHzに限られているのに対し、カセットテープでは50Hz〜20KHzであることは勿論、FMトランスミッターの場合、電源を車から取ることになりますが車の電源は非常にノイズが多い為、総じてFMトランスミッターは音が悪くなりがちです。そうした意味からもカセットアダプターがシンプルかつ安価(1,500円前後)で音質も良いと言えますが、カセットアダプター自身の品質により音が大きく左右されるので、なるべく良い品を買う必要があります(個人的にはカセットアダプターも数種類試したのですが唯一、オーディオテクニカのAT-CA5は納得のいく音質が得られました)。しかし、忘れてはイケナイのは所詮はカセットアダプターなのです。デッキへの直結にくらべれば音質はやはり”それなり”です。

 こうしたことから、高音質を望むならデッキへの直結がベストであり、さらに言うならデッキへの接続も高音質でなければ意味がありません。ましてBOSEオーディオシステム搭載車なら高音質で音楽を楽しみたいことでしょう!そう考えるとV35スカイラインオーナーならFMトランスミッターやカセットアダプターでの接続などで妥協することは出来ないワケで、こりゃーもう、直結するしか無いでしょう!と。

  

   


 
iPodは勿論、将来の拡張性に

 AIC-210を用いることで音声外部入力を備えることができますが、これはiPodの接続は勿論、DVDオーディオ機器の接続など可能性は広がります。今後、どのような再生装置が世に出てくるかワカリマセンが、少なくとも将来の拡張性としては十分なモノでは無いでしょうか。
 また、例えばオーディオファンで、自宅にDAT(Digital Audio Tape)に録りだめた音源が山のようにあるならDATユニットを車載してAIC-210を経由してBOSEサウンドシステムで鳴らすことだって可能なのですから!いや、いっそのことオープンリールデッキを車内に持ち込んで・・・(以下略。笑)。と、まぁ、好きなよーに出来るワケですわ。コレって素晴らしいことですよね。
 このAIC-210はiPod等を接続できますが、iPod等の機器をコントロールすることはできません。逆に言えば、それ故に汎用性があると思えます。iPodの操作までできる装置だとした場合、どーしても接続対象がiPodに限られてしまいますし。iPodの固定位置さえうまく考えれば、いつもの快適ホイール操作ができるので問題はありませんよね。

iPod対応車は増えていくものの・・・
 ご存じのように各自動車メーカーがiPodへの対応をはじめています。先陣を切ったのはBMWでしょうか。iPodの操作もできるAUXケーブルを31,500円(取付工賃別途)で発売していましたが・・・正直、高くないです?iPodの操作が出来るっていったって曲送りくらいでしょうに。そう考えるとたかがAUXケーブルに31,500円(しかも取付工賃別)とは、どーにも割高に感じてしまいます(まぁ、BMWオーナーのような高所得者には安価なのでしょうが)。
 日産もiPod対応車種を増やすとしていますが、どーせ新型車種に限られるワケですよね。新型車への付加価値の1つとしてiPod対応が謳われることは良いコトなんですが、じゃあ古い日産車オーナーはどーするのか?と。まさかiPodを繋げたいダケのためにオーディオ一式を買い替えるのもバカらしい話しですし、まして車もオーディオも気に入っていたら、どーすれば良いのでしょう・・・そう考えていくと、既存のシステムに手軽にプラスでき、それでいてコストも最小に済むAIC-210は賢明なセレクトであると思われるのです。いかがでしょうか?

 お気に入りの愛車と、お気に入りのiPodと、お気に入り曲。その3つを携えて次の週末はチョット遠出をしてみようじゃありませんか!
 

  

   

 


作成:2005年8月
誤記載の訂正:2006年3月