○名古屋大学に2000年度に出した紀要

※この夏の北折のエキスが詰まってます(笑)。これだけに、本当に全力投球しました、まぁ、論文読んだ読んだ。なんだか、何の想い出もつくれない夏でした。ただ毎日、どこかに遊びに行くわけでもなく、研究室と家を往復するだけの日々を夏休み中繰り返しました。まっ、これはこれで想い出なのでしょうか、少なくともいい想い出ではなく、ただしんどいだけでしたが。とりあえず、高校3年の受験生の時ですら、ここまでではなかったぞ。この研究の裏話も書いておきました。さて、本丸落としにかかりますか。。。

 

TITLE

社会規範とは何か

―当為と所在に関するレビュー―

 

 

 

 

北折 充隆(Mitsutaka Kitaori)

名古屋大学大学院教育学研究科博士課程(後期課程)

 

 

 

Abstract

What is the social norm?

-Reviews of location and ought to do-

 

Mitsutaka Kitaori

 

 The purpose of this paper was to discuss the locus of behavioral norms and what one “ought to do”, two elements thought to be central to the conceptualization of social norms. With reference to this, two research questions were probed: 1) Do social norms constitute our innner regulation of behavior, or are they external standards held by group members?; and 2) Where is the standard for what one “ought to do” attributed to? Arguments between the two explanation for the locus of norms, i.e., “inner regulation” and “external standard”, were offered, and this review concluded that social norm presuppose sociability, but that the internalized function was indispensible in decision making. In discussing the notion of what one “ought to do”, this paper examined two aspects of social norm based on Cialdini, et al.(1991). In this process, we defined two forms of "ought to do" from the perspectives of generally desirable behavior, and behaviors particular to a given situation. Finally, from these discussions, we offered some future directives for social norm research.

 

Keywords:social norm, location, ought to do, reciprocity, injunctive norm, descriptive norm.

 

 

初めに

人類がもともと集団生活をする種族である以上(Baumeister & Leary, 1995)、祖先の共同生活体より世代を繰り返した結果、社会を構築するに至ったのは必然であろう。あらゆる個人が構成員であることを免れない以上、社会は多様な価値観・志向性を包含するが、特定の価値観が強要されたり、自己利益のみを追求した行動をとれば、他者に大きな損害を与えたり、社会全体に不利益をもたらすことになる。そこで、個人の行動を一定の枠組みで規制することが、社会の秩序を維持し、利益や権利を等しく保証する上では必要となってくる(相場, 1969)。こうした規制は一般に社会規範と呼ばれるが、社会規範は人間の社会的行動を理解し、説明する上でも非常に重要な概念であり、広範で様々な使い方がされている。それにも関わらず、社会心理学においては未だ、解釈や説明上の意味づけにおけるコンセンサスすら確立されていないのが現状である(Schaffer, 1983)。また、これまでの研究において、援助行動に影響する社会的責任規範に関する検討は行われていても(Berkowitz, 1972Rutkowski, Gruder & Romer, 1983Dion, Miller & Magnam, 1971)、規範からの逸脱行動についてはほとんど扱われてこなかった(Verkuyten, Rood-Pijpers, Elffers & Hessing. 1983)

 こうした理由にはいくつか考えられるが、一つには社会規範という概念が、あまりにも多くの社会的行動に対する、様々な変数を予測・説明できることが挙げられよう。すなわち、社会規範はあらゆる行動判断に影響しており、場合によっては対立する二つの規範のうち、どちらの行動をとっても「規範に従った行動」になってしまう(Cialdini, Kallgren & Reno, 1991)。例えば“ウソをついてはいけない”といった規範は、あらゆる個人が強く内在化している一方で、“ウソも方便”というように、場合によってはウソをつくことがむしろ望ましい行動であるといわれる。このように、望ましいとされる行動志向が両価的であり、いずれの行動をとっても規範に準拠した行動になってしまうことが、社会規範の研究を困難とする大きな一因となってきた。また、これに起因して、行動説明変数として用いる上で恣意的に定義を行ってきたため、その所在についてさえ、社会の中で共有されたルール(Ross, 1973)と、個人の中で内在化された基準(Popenoe, 1983)という、二つの立場が存在してしまっている。

 

<本研究の目的>

 筆者はこれまで、社会規範からの逸脱行動に関する一連の検討を行ってきたが(北折, 1996;北折, 1998;北折, 1999a など)、これらの研究においても、規範とは何か、望ましい行為とは何かという問いについて十分議論してきたとはいえない。そこで本研究では、これまでの社会規範研究に関するレビューを行い、規範の所在と当為について一定の結論を導くことを目的とする。まず、所在に関する議論として、規範とは外在化された基準なのか、それとも個人に内在化された信念なのかについて、行動判断への影響力という観点もふまえて考察する。その上で、規定された望ましい行為とは何か、すなわち当為的とはどういうことなのかについてさらに議論し、今後の規範研究のあり方を展望する。

 

1.社会規範の所在について

 社会規範は個人の行動に対する拘束性を伴うが(Weber, 1922)、拘束の強さや影響の及ぶ範囲などを考慮するとき、規範の所在に関する議論が不可欠となる。つまり、規範が何に準拠した拘束力なのかによって、行動判断に対する影響モデルは大きく異なってくる。これまでの社会規範研究を見る限り、規範の所在に関する定義は一意でなく、外在化された基準と、内在化された信念という二つの主張が存在する(Table1を参照)

 

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<外在化された基準としての社会規範>

 外在化された基準であるとする定義は、規範が所属する集団や置かれた状況がもたらす、個人への行動期待であるという考え方のことである。これには「規範とは、社会集団において望ましいとされるような一般的な期待をさす(Staub, 1972)。」や「ルールとは様々な状況下において、取るように期待されている行動を個人に対して示すものである(Thibaut & Kelly, 1959)。」などの定義が該当する。Cialdini & Trost(1998)も社会規範について、社会の構成員に理解(共有)された、場合によっては法などの強制力を伴うルールや基準であると定義しているが、明文化された法律は、個人が内在化させているかに依存しない明白な外在化基準であろう。規範が持つ拘束性は、その根源が強制力によるものであり、逸脱行動への対価として科される制裁と密接に関連する(Baron, 1973;小関, 1997)。法律は、社会集団における期待や責任を提示すると同時に、逸脱行動に対する制裁も併せて明文化されるが(Schwartz, 1977)、個人が規範を内在化しているか否かに関係なく、逸脱した場合には制裁が科されることになる。明文化されていないような慣習ルールについても、形成過程が自発的な取り決めや合意であったり、または社会の発展に伴ったコンセンサスを基軸としている(Opp, 1982)。また、規範の世代間伝達を考えた場合、こうした慣習ルールの多くは、教唆や儀式を通じて伝えられたり、受動的にノンバーバル・コミュニケーションや模倣を通じて伝えられると考えられるため(Allison, 1992Lumsden, 1988)、外在化された基準の中に含まれると考えられる。さらに、逸脱行動に対する制裁は明文化されていなくても、周囲からの白眼視など、ある種の烙印を押されることは免れ得ず(Shoham & Rahav, 1982)、こうした白眼視は制裁的な意味合いを持つであろう。

 

<内在化された信念としての社会規範>

 社会規範を外在化された基準とする定義がある一方で、行動判断に対する個人の判断基準とみなす主張もある。すなわち、「規範とは適切と思われる行動への期待と、逸脱している個人の行動へのステレオタイプである(McKirnan, 1980)」、「固定化された基準ではなく、受容可能な行動の‘緯度’である(Sherif, 1969)。」などが対応する。これらは、個人が内在化している価値観をもとに形成される個人規範(Schwartz, 1978Schwartz & Freishman, 1978)と同様に、内在化された信念をさす。しかし、全ての内在化された望ましい信念が社会規範であるとはいえず、例えば「自分は一日一回乾布摩擦をする」などは、健康を維持する上でも望ましい信念ではあるが、社会規範とはいえない。つまり、社会規範は行為が社会的に意味づけされ、個人を超えて社会性を有していない限り、規範として成立し得ず、他者と共有されていることが前提となる(園田・井田・加藤, 1996Berger & Luckman, 1966)。ここでいう共有されている他者は、家族や同僚、他人からメディアに至るまでの広範な社会的範囲にわたるが(Campbell, 1975Pepitone, 1976)、他者と共有されていることが前提である以上、規範は外在化された基準であり、内在化された信念とする定義は誤りとなる。Morris(1956)は規範と価値観の違いについて、逸脱行動に伴う制裁の有無を挙げているが、上の例においても、乾布摩擦をしないからといって制裁が科されることはない。こうした事実も、規範が外在化された基準であるという主張を支持する知見であろう。

 しかし社会規範研究において、規範の所在が内在化された信念でないからといって、これを無視することはできない。前述したように、規範が内在化されていなければ、行動判断へ影響することがあり得ないからである(Berkowitz & Daniels, 1964)。つまり、規範に従った行動かどうか認知していなければ、その行動が逸脱行動であると意識することもなく、社会規範が行動判断に及ぼす影響を検討すること自体が不可能となる。

 

<所在に関するまとめ>

 以上をまとめると、行動判断に規範が影響するプロセスにおいては、規範を内在化しているかどうかが前提となる。しかし、社会規範の所在は外在化された基準であり、他者と共有されていることが前提となる。Sherif & Sherif(1969)は、全ての規範が集団規範であると主張するが、社会規範も社会的範囲の中で共有された集団規範といえよう。社会は多くの集団を内包しており、個人は所属集団との相互作用の中で、良い行動や悪い行動といった評価の定義(規範や態度、志向性)を内在化していく(Kandel, 1980Akers, Krohn, Lanza-Kaduce & Radsevich, 1979)

しかし、個人が複数の集団に所属することが問題を引き起こすこともある。すなわち、集団間で共有された規範に食い違いが生じる可能性であり(Campbell, 1975)、対立する規範がともに行動判断に影響した結果、一方の規範に準拠した行動が、別の規範から見れば逸脱行動になってしまう (Williams, 1951)。さらに、全ての規範が特定の社会的背景に依存し、状況特有のものであるため(Second & Backman, 1974)、いかなる規範も時代背景や集団によって変容を遂げ、普遍的ではない。例えば80年代、教育現場では過剰な管理教育が問題となった(藤井, 1984)。管理教育の学校下では、偏差値教育と体罰、校則によって生徒が拘束されたが、こうした管理教育の下では、「服装の乱れは非行の兆候」などのスローガンが掲げられ、丸坊主を強制されたり、靴下のはき方に至るまで校則が定められたりした。ある中学校ではベルトをしなければならず、別の学校ではベルトを校則で禁止されていたため、二つの学校の生徒間で、トラブルが起きたという事例すら報告されている(有賀, 1983)。現在多くの学校で頭髪は自由化され、校則は経時的変化を遂げたといえるが、生徒は学校の構成員として校則に従い、同時に家族や住んでいる地域集団や国家などの構成員であり、それぞれの集団規範に準拠した行動をとる。そもそも管理教育が問題となったのは、校則が人権侵害であるとの指摘に端を発するが、人権侵害の根拠は憲法に由来する。校則に疑問を抱き、反抗した態度を示す生徒についても‘不良’集団に同時に所属し、集団規範を共有しているのかもしれない。このように、個人が所属する複数の集団間で、共有された集団規範に志向性の違いが生じるケースは枚挙にいとまがない。場合によってはオウムを初めとする、反社会的行動を引き起こすカルト集団など(西田, 1998Keiser & Keiser, 1987)、深刻な問題を引き起こすこともあり得る。すなわち、オウムの一連の犯罪行為は、マインドコントロールの問題もあるが、基本的にはオウムが共有する集団規範や価値観と、社会秩序の維持を志向した法律が食い違った結果とも解釈できる。

 このように、社会規範の所在に関する議論をすすめていくと、望ましい行為とは何かという点に疑問が生じてくる。すなわち、ここまでの議論が示すとおり、全ての規範は集団規範であり、外在化された基準であるため、何が望ましいのかは所属する集団によって大きく異なってくる。換言すれば、望ましいとされる基準が実は非常に曖昧であり、一義的に決められない。しかし、本当に全ての人類に共通した規範は存在しないのかという疑問が残るし、望ましい行為がどのように規定されるのかについても、議論が十分であるとはいえない。そこで次に、こうした望ましい行為、とるべき行動とは何か、すなわち当為とは何かついて、さらに議論をすすめる。

 

2.当為とは何か

 当為(Ought to)とは、哲学用語であるべきこと、なすべきことをさすが、“なすべき”は常に望ましい行為を志向しており、社会規範の中心をなす概念でもある(小林, 1991)。これまで述べてきたように、全ての規範は集団規範であるため、当為的とされる行為は所属する集団によって大きく異なる。

 道徳概念の発達に関する研究では、当為的という点で違いがないにも関わらず、ルール違反は道徳的な違反行為(moral transgression)と因習的な違反行為(conventional transgression)に分類される(Stern & Peterson, 1999Nucci, 1981)。例えば前者は人を攻撃したり、盗んだりしてはいけないといったルールからの違反であり、後者は人が話しているときによそ見をするといった違反行為をさす(Smetana & Braeges, 1990)。これら二つのルール違反は、その認知プロセスも悪質性評価の発達も異なるとする研究が多い(Stern & Peterson, 1999Smetana, 1981Nucci & Turiel, 1978)。しかしその一方で、初期の段階では弁別がついておらず、経年的に分化するという知見も存在する(Smetana & Braeges, 1990Berbieri, 1993)。道徳的ルールのように、社会規範の中でも生じる被害が重大であったり、逸脱行動に対する悪質性評価が高いものは、一般にあらゆる文化に共通していると思われがちであるが、実際には全ての文化や集団において共通しているわけではない。

例えば、「人を殺してはいけない」とするルールは、我々の社会においても社会規範として非常に強く確立されているが(Krauss, Freedman & Whitcup, 1978)、当為的普遍性を持つわけではなく、あらゆる文化や時代背景において強く確立されてきたわけではない。このもっとも明白な反例には、戦争時にこのようなルールが否定されることが挙げられる。すなわち、チャップリンの殺人狂時代における「ひとり殺せば殺人者。百万殺せば英雄。その数が殺人を正当化する。」という言葉は、人を殺してはいけないことの非普遍性を象徴しているといえよう。戦争は特殊な事態ではなく、イデオロギーの対立に端を発する殺戮は、歴史的にも現代社会においても、世界のあちらこちらで見られる現象である。モーゼの十戒の一つにも“汝殺すなかれ”があるが、実際にはモーゼ自身「バール神についた人々を残らず殺せ」と命令したとされる(村松, 1965)。つまり、人を殺してはいけないとする倫理は、ただ共同社会の成員が相互共存をはかるために必要とされているにすぎない(小浜, 2000)。さらに、そのような場合でも、例えば逸脱行動に対する対価として死刑が科せられるならば、人を殺してはならないとする規範が、その集団において普遍的当為性を確立しているわけではない。

このように、ある行為が当為的かどうかは、国や地域といった文化、集団によって大きく異なるが(Dohrenwend & Chin-Shong, 1969Cohen, 1996)、返報性の原理だけは、あらゆる集団において普遍的に存在するといわれる(Gouldner, 1960)。返報性は、@援助を提供してくれた人に対しては援助を返すべきである。A助けてくれた人を傷つけてはいけないという、二つの普遍的形式を持つ社会規範である(Cialdini, Green & Rusch, 1992)。この原理は、何かを失う恐れを感じることなく、相互の援助を最初に開始できるようにして、関係の発展を促進するために確立されたといわれる(Cialdini, 1988)。返報性の原理は、我々の社会においても非常に強力、かつ深く浸透しており、たとえば民間営利組織において、返報性をもって契約を獲得する行為は「接待」と呼ばれ、営業活動のうちでも根幹をなす。また収賄などは、公の役職にある人に対して金品を提供し、それに対する見返りを期待しているが、返報性の原理がなければ成立し得ない犯罪であろう。これまで返報性に関する研究は、援助行動や好意(Byrne & Rhamey, 1965Condon & Crano, 1980)、協調行動(Braver, 1975)などのポジティブな側面に着目した検討が多かった。その一方で、自分を傷つけた相手に対し、攻撃行動をもってやり返すことを、攻撃行動における返報性とする主張も存在する(Cialdini, Green & Rusch, 1992Dengerink, O'Leary & Kasner, 1975Dangerink, Schnedler & Covey, 1978)。しかし、返報性の原理は、援助に対する心理的負債感の存在が前提となるため、こうした負債感が存在し得ないような、攻撃行動に対する応報性を返報性の一部と見なすことについては、さらに議論が必要であろう。

 

<規範の下位区分>

ここまでは、当為の普遍性について議論してきた。その結果、道徳的なルールが必ずしも当為的普遍性を持つわけでないこと、返報性の原理があらゆる文化や集団において共通した社会規範であることを確認した。しかし、社会学や心理学においては、社会規範が行動判断に及ぼす影響を検討する上で、さらに当為の根源も重要な問題となってくる。いい換えれば、集団間で共有された規範が、どういった理由で従わなければならないと認知されるのか、規範が当為的に機能するのは何に依拠するのかといった問題である。これに関してCialdini, Kallgren & Reno(1991)は、社会規範を命令的規範(injunctive norm)と記述的規範(descriptive norm)の二つに分けて捉えている。これらは社会規範が行動判断へ影響するプロセスを検討する上で、非常に示唆的である。彼らの定義に基づけば、命令的規範とは、多くの人々がとるべき行動とか、望ましい行動と評価するであろうとの、個人の知覚に関連する規範である。また、社会的報酬や罰をもって行動が志向され、法律の形成とも密接に関連する(e. g., Staub, 1972)。命令的規範は社会や集団の価値観を反映したものを含み、逸脱行動はこうした社会的価値観への脅威となるため(Solomon, Greenberg & Pyszczynski, 1991)、不適切と評価された行為がタブーとされたり、政府や組織によって法として明文化されたと考えられる(Triandis, 1994)。もう一つの記述的規範とは、多くの人々が実際にとっている行動であるとの知覚に基づく。つまり、周囲の他者がとる行動を、その状況における適切な行動の基準であると認知することによる(Lefkowitz, Blake & Mouton, 1955Stiff, 1994Gilbert, 1995)。こうした行動判断は、考える時間や手間を省かせ、高い確率で効果的な結果を得ることができる(Jacobs & Campbell, 1961)。実際の社会的行動においては、友人などの身近な他者がとる行動を判断の拠り所とすることは多いが(Grube, Morgan & McGree, 1986)、必ずしも命令的規範に準拠しているとは限らない (Newcomb, Huba & Bentler, 1983)。例えば未成年の喫煙について、周りの友人が喫煙していることは、喫煙を誘発したり禁煙を阻害する上で、特に中心をなす要因となる(Murray, Swan & Johnson, 1983McAlister, Krosnick & Milburn, 1984)

このCialdini et al.の定義によれば、当為的とは命令的規範をさすであろう。すなわち、多くの人が「〜すべきである」と評価しているとの予測に基づく、行動のプロトタイプを意味する。命令的規範は個人の行動判断において、常に望ましいとされる行動を志向しており、明文化された法律や慣習ルールなどを含む。我々の社会においては、上述した「人を殺してはいけない」とする規範や、ゴミのポイ捨て禁止や環境保護(Reno, Cialdini & Kallgren, 1993Cialdini, Reno & Kallgren, 1990)、および交通ルールの遵守(小林・内山・松本, 1977)や日常生活における礼儀作法(Cary, 1978Zuckerman, Miserandino & Bernieri, 1983)などが該当する。このように、命令的規範が常に望ましいとされる行動を志向しているのに対し、記述的規範は効果的な行動に主眼がおかれており、必ずしも当為的であるとは限らない。ほとんどのケースにおいて、命令的規範と記述的規範の志向する行動は同じであるが、場面や状況によっては、命令的規範との間に食い違いが生じることもある(Conner & McMillan, 1999)。例えば車の制限速度などは、道路交通法で定められた明文化された法律であり、Cialdini et al.(1991)の定義における命令的規範に該当する。速度の遵守は、交通事故の抑止という点からも当為的で、一般に望ましいとされる行動期待といえる。その一方で、深夜の幹線道路など交通量が少ない状況では、制限速度以上で走行している車が多いため、速度を遵守する方が車の流れを阻害してしまい、かえって危険なことさえある。このような状況下では、制限速度を超えたスピードを出して車の流れに乗ることが、記述的規範の示す行動志向となるが、命令的規範の示す行動示範とは異なっている。

 

3.これからの社会規範研究

 初めにも述べたが、広範な概念を説明する重要な変数であるにもかかわらず、社会規範からの逸脱行動を社会心理学的観点から直接扱った研究は多くなく、今後の発展が見込まれる。実際には、社会規範がどのように成立しているのかを明らかにしていくことは、逸脱行動の抑止策を考案する上でも非常に有効であろう。また、逸脱行動がどのような結果をもたらすのかを自覚できるような教育は、自発的に他者に対する配慮を生起させ、人の迷惑にならない行動がとれるようになる可能性を秘めている(吉田ら, 2000)。このように、社会規範からの逸脱行動を検討することは、現実の社会場面に心理学の知見を還元できる点でも非常に意義深い。

 

<多様化する価値観と揺らぐ社会規範>

 近年、社会的行動を円滑にすすめるための社会規範がゆらいできているといわれる(吉田, 1998)。すなわち、外在化された基準がはっきりせず、行動判断の基準になるような価値観が多様化した結果、行動に対する共通したコンセンサスが確立されにくくなってきている(斎藤, 1999)。その結果、他者の行動から不快感を生起させられたり、ストレスを感じさせられる機会が多くなってきているのである(吉田・安藤・元吉・藤田・廣岡・斎藤・森・石田・北折, 1999)。例えばここ数年、携帯電話が爆発的な普及を遂げているが、それに伴っての、電車内や公共施設内での着信音や通話マナーが大きな社会問題となっているが、使用マナーに関するコンセンサスは未だ確立されていないのが実状である。すなわち、携帯電話の使用に関するルールの整備が不完全であり、電車内での使用に対する対応も、デッキでの通話の推奨から全面的な車内通話の禁止、さらには乗車したら電源を切るように要請するなど、鉄道会社・車両によって大きく異なっている(Table)

 

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また、電車内での携帯電話の使用を問題視する根拠についても、話し声がうるさいといった不快感情に起因した議論と、ペースメーカーに電磁波が及ぼす影響を憂慮した議論の二つが錯綜している(森・石田, 1999)

<記述的規範の重要性と今後の指針>

上述した携帯電話の使用マナーのように、行動判断の基準が曖昧で、使用に関する共通したコンセンサスが確立されていなければ、周囲の他者がとる行動に、判断の根拠をゆだねる傾向はより顕著となる(Tesser, Campbell & Mickler, 1983)。そして、こうした周囲の行動への準拠こそが、Cialdini et al.(1991)の主張する記述的規範の影響力なのである。実際の社会場面において、記述的規範のおよぼす影響力は非常に強く(Jesser, Jesser & Finney, 1973)、行動判断に及ぼす影響は無視できない。にも関わらず、これまで心理学における社会規範研究では、主に命令的規範の示す一般的な当為性に着目したものが多かった。このため、周囲の他者がとる行動の影響力を記述的規範として説明に用いることはほとんどなく、二つの規範の食い違いについてもほとんど言及されてこなかった。命令的規範と記述的規範の志向性が異なる場面とは、社会的に望ましいとされる命令的規範を認知しながら、周囲の他者がとっていないような状況を指す(Berbieri, 1993)。すなわち、クラスの友人の大勢がマリファナを吸っていたり(Jessor, 1976)、誰も赤信号を守らないで渡っていたりすれば(Osman, 1982Verkuyten, Rood-Pijpers, Elffers & Hessing, 1983)、二つの規範の間に志向性の違いが生じていることになる。このような場面においては、「まわりの多くがマリファナを吸っておらず、実は吸引しているのは少数派である」ということを示してやることが、命令的規範に準拠した行動をとるように志向させる上で、大きな効果をもたらすことが明らかとなっている(Stalans, Kinsey & Smith, 1991)。今後はこうした、記述的規範と命令的規範の両方の影響力をふまえた議論が必要であること、二つの規範の志向性を同じ方向に向ける試みの、さらなる探索的検討が求められる。

 

最後に

最後に、これまで記述的規範の概念をふまえ、周囲の他者がとる行動と、一般に当為的といわれる命令的規範が行動判断に及ぼす影響を検討したものには、Cialdini et al.の、ゴミのポイ捨てに関する一連の検討(Cialdini, Reno & Kallgren, 1990Cialdini, Kallgren & Reno, 1991Reno, Cialdini & Kallgren, 1993Cialdini & Trost, 1998)、北折らの歩行者の信号無視行動や自転車の駐輪違反に関する検討など(北折, 1999b;北折・吉田, 2000a;北折・吉田, 2000b)、あまり多くは見られない。しかも、これらはまだ不十分な点も多く、例えば歩行者の信号無視行動などをとってみても、日常的に同じ道を通っている歩行者と、初めて通る歩行者とでは、交通行動に明らかな違いが見られると予測される。また、いくつかの研究の中には一部、論理的な整合性がとれていないような知見が得られており、包括的な説明を行うためのさらなる研究が必要である。今後のさらなる検討がのぞまれる。

 

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☆更に詳しく知りたい方は論文集を見ていただくか、メールを下さい。

 

 

 

話したくて仕方がない
この研究の裏話コーナー

 本論文は吉田先生とお昼を食べた後、コーヒーを飲みながらダベっていた時、「お前ぇ、論文とか全然読んでないだろう」と怒られて、つい売り言葉に買い言葉で、「んなことないっすよぉ、なに言ってんですかぁ。今年の夏なんか、論文100本読んで、それで紀要書くんですからね!」なんて大見得を切り、後に引けなくなったものです(笑)。結局140本くらいになりました >この夏読んだ論文。

 データベースが増えたのは良かったけど、しかしまぁ、本当に論文を読んでなかったですな、反省しました。知識がなさすぎる。今まで独りよがりで研究してきたのがよく分かりましたね。それにしても、あれくらい言わないとこれだけのことはやれないな、確かに。ま、良い経験でしたけど、二度とやりたくはないです、マジで疲れ果てました。もう秋じゃないか!俺の夏を返してくれ〜っ(笑)。この論文は著作権の心配をあんまりしなくていいので、近日中にこれをネタ(寝た!?)にした、”北折的論文の書き方”のページを立ち上げます。

 

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※近いうちにまた、北折が何を研究したいかを詳しくここで掲載していく予定です。

 

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