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― 存在 ―
何て事はないのに、何故か人の目というモノを向けられる。
それは、イヤな事ではないけれど、嬉しいと感じる事でもない。
自分の何処が、他の人と違うというのであろうか?
「兄貴は、目立つんだよなぁ……」
そんな事を言ったのは、自分の一つしたの弟。
ボク以上に目立つと思う奴に言われたから、腹が立って思いっきり頭を殴った記憶は新しい。
目立つのは、この赤い髪。
それなら、分かるけれど、それだけに、ボクにちょっかいを掛けて来る人物は後を絶たなかった。
始めにそんな経験をしたのは、一人で町を歩いていた時。
何気に声を掛けられて、最初は戸惑ったけれど、それがナンパであると分かった瞬間、思いっきり相手の足を踏んで、その横を擦り抜けた記憶がある。
んで、腕を掴まれて、後はそのまま投げ飛ばした。
回りの人達が驚いた顔をして、ボクを見ていたのを今でも覚えている。
そう、ボクには、第一印象と言うおまけが付いてくるのだ。
もともと、優等生で通ってきたと自分でも自覚している。
今でもそれは変わらない。
しかし、その裏では、ボクの事を何も出来ない弱い奴だと思っている人達が居るのだ。
だが、それが間違いであると知っているのは、ボクの事を呼び出した人物達ではなかろうか。
なにせ、その身をもって体験しているのだから……。
「兄貴を怒らせたら、きっと一生日の当たるところは歩けないよなぁ……」
そう言ったのは、言わずと知れた相手。
勿論、ちゃんと倍にして文句を返したのだが……。
人の事を、まるで化け物扱いだ。
そりゃ、特殊な能力は持っているのを認めるけど……xx
その能力で得した事は一度もない。
むしろ迷惑しているのだから、何とかして貰いたいと願っても、許してもらえるだろうか?
「だったら、頼むから大人しくしててくれよ……」
呟きに返された言葉に、むっとして睨み付けた。
だって、そんな風になってしまったら、それはボクではないから……。
ボクはボクらしくありたいって、誰かも言ってたよね?
それに何よりも、ボクが大人しくなったからって、回りが合わせて大人しくしてくれる訳ではなから、結局は何も変わらないと思うのだ。
きっと、豪だって分かっているとは思うのだけど……。
ボクは、一度だって自分から喧嘩を売った覚えはない。
そう断言できるしね。
そりゃ、ちょっとだけ相手を怒らすような事を言っているって言う自覚はあるけど、それも相手を見てから言ってるし、嘘は言ってないから問題ないだろう。(十分、問題あるって!<豪>)
まぁ、呼び出しされるのを、楽しみにしてるって言うのは否定しない。
だって、本当に楽しいんだもん。
呼び出す相手も、あの手この手と色々してくるからね、飽きないよ。
お化け屋敷に呼び出された時は、本当に参ったけどね。(笑)
あの後、その遊園地にテレビ局の人が取材に来たって話を聞いたんだけど、本当なのかなぁ?
勇気あるよね、あの中に入ったって……ボクは、仕事でも絶対に入りたくないよなぁ……。
あっ!勿論、一般の人にも見える様になってる状態だから、カメラにはバッチリ映ると思うので、いい仕事が出来ると思うよ、その手のヤツならね。(笑)
って、これじゃ何が映るのか分からないか……xx
えっと、ボクの特殊能力なんだけど、知ってる人は知ってるんだけど、暗闇に入ると幽霊を呼び寄せてしまう体質なんだよねぇ……。
勿論、普段でも幽霊は見えます。
見たくはないんだけど……xx
そのお陰で、子供の頃は、恐がりでした。<苦笑> 今だと、笑い話ですけどね。
見たくない時は、メガネで誤魔化してます。
っても、それでも見えるんで結構苦労してるんです、見えない人には分からない苦労を…。
あっ!愚痴になってますね。<苦笑> そんなつもりはなかったんだけどなぁ…。
勿論、その体質に付いては、もう既に諦めてます。
それも、ボクだと言う事ですし……。豪や両親も、ボクの言ってる事信じてくれるしね。
って、あれだけ目の前で見せたから、当然かもしれないんだけど……。
でも、ボクの事を普通の子供と同じに扱ってくれるから、 感謝してます。本当にね。
だって、そのお陰で、今のボクが居るんだから…。
ボクの存在理由。
それは、ボクがボクらしく生きていく為に、今を精一杯頑張る事。
それが、ボクの存在だから……。
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