ボーっとした頭で、辺りを見回す。
ここは、何処なんだろう?
目が覚めて見えたのは、見知らぬ天井。
そして、見覚えのない部屋だった。
自分は、立派な和室の布団に寝ている状態で、当然その布団にも見覚えはない。
何で、俺、見知らぬ場所で寝ていたんだろう??
「あら?気が付いたのね」
必死で考えようとしている中、女性の声が聞こえて来る。
勿論、その声も、聞いた事のない女の人の声。
「ここに来た時は、凄い熱だったのだけれど、下がったみたいで安心したわ」
声の方へと視線を向ければ、白い綺麗な手が伸びてきて、俺の額に触れられ安心したように声が聞こえてくる。
凄い熱?
ああ、だからこんなにも頭がボーっとしているんだ。
白い手の主は、真っ黒な髪に真っ黒な瞳で風流な着物姿をしていた。
もの凄く綺麗な人で、年齢的に見て20代後半と言ったところだろうか?
「あ、あの」
優しい微笑を浮かべている人を前に、でも状況がまったく分からない俺は、恐る恐る声を掛けた。
「ん?」
小さな声で口を開いた俺のその声を拾ってくれた人が、先を問い掛けるように首を傾げて聞き返してくる。
「あ、あの、すみません。ここは、何処なんですか?」
問い掛けるような視線を受けて、俺が質問したのは、何ていうか一番間抜けな質問だった。
いや、だって、知らない人に見詰められている上に、その相手が年上の綺麗な人なんだから、こうなっても仕方がないと思う。
俺の質問に対して、一瞬その人は驚いたような表情をしたけれど、次の瞬間にはコロコロと笑い出した。
笑われてしまった事で、更に俺の顔が熱の所為だけじゃなく赤くなるのが分かる。
「笑ってしまって、ごめんなさいね。でも、あなたが分からないのは無理もない話ですもの。ここはね……」
「母さん、あの子は目を覚ましたの?」
一通り笑って満足したのか、それでも笑いながら謝罪の言葉を述べて、その人がこの場所の説明をしようとしたその時、襖を開いて入ってきたのは、俺も良く知っている人物だった。
「あら、恭弥。もう戻ってきてしまったの」
部屋に入ってきた相手を確認して、その人が残念そうに呟く。
さらりと呼ばれたその名前に、驚きを隠せない。
いや、その前に恭弥さんは、この人の事を何て、呼んだっけ?えっと……
「……お、母さん?」
「はい?」
恭弥さんの言葉を復唱するように言えば、目の前の女性が不思議そうに聞き返してきた。
いや、ちょっと待って!
目の前に居る20代後半の女性が、恭弥さんのお母さんなの?
確かに、俺の母さんもかなり若く見られる方だけど、自分の母親だからそれを可笑しいと思った事はない。
だけど、どう見ても俺の目の前に居る人は、恭弥さんのお母さんと言う年齢には見えないのだ。
お姉さんと言っても、間違いないだろう。
血が繋がっているのは、顔も似ているので疑わないんだけどね。
だけど、恐る恐る質問した俺のその言葉に、不思議そうにその人が首を傾げて問い返してきた。
それって、それって
「あ、あの、本当に、恭弥さんのお母さんなんですか?」
「あれ?似ていないかしら?」
「いや、血縁者であるのは、分かるんですけど……お姉さんじゃなく?」
「あらあらあら、そんな嬉しい事言って貰えるなんて、本当に可愛いわ」
恐る恐る質問した俺の言葉に、行き成りギュッと抱き締められてしまった。
いや、あの可愛いは、言われても嬉しくありませんから!!
「母さん、その子困ってるみたいだから、離して上げなよ」
「え〜っ」
本気で困惑している俺に気付いて、恭弥さんがため息をつきながら、助け舟を出してくれる。
それに対して、俺を抱き締めている恭弥さんのお母さんは、子供のように不満気な声を上げた。
「そんな事よりも、コレ、煩かったから電源落としてるから」
だけど、恭弥さんはそんなお母さんの事をあっさりと無視して俺に携帯を放り投げてくる。
俺は慌ててそれを受け取ってみれば、確かに、電源が落とされていた。
「あの……」
「君の保護者から引切り無しに電話が掛かってきたよ。一度だけ僕が出て上げた後からね」
携帯を手に、恭弥さんを見れば、ため息をつきながらとんでもない事を言ってくれる。
そ、それって……
「電話に出たんですか?!」
「何?僕が出ると問題でもあるの?」
「あらあら、恭弥、勝手に人の電話に出るのはダメよ」
言われた内容に驚いて、質問した俺に恭弥さんが不機嫌な声で質問してくる。
それに対して、お母さんが暢気な声で恭弥さんを咎めるけど、怒っていると言うようには見えない。
とっても失礼かもしれないけど、こんなに鮮やかな人から、どうして恭弥さんのような人が出来たんだろうって、疑問に思う。
でも、今はそんな事を考えているよりも
「す、すみません、電話してもいいですか?」
「そうねぇ、ご家族も心配なさっているでしょうから、安心させてお上げなさい」
ギュッと携帯を持つ手に力を込めて言えば、恭弥さんのお母さんが同意してくれた。
恭弥さんを見れば、余りいい顔をしてないけど、止める気はないらしい。
それにホッとして、携帯の電源を入れる。
その瞬間、携帯が着信音を奏でた。
まさか電源を入れた瞬間に、鳴り出すとは思いもしてなかったので、かなり驚かされる。
勿論、相手は確認しなくても分かっているから、俺は慌ててその着信を止める為ボタンを押す。
「もしもし!」
『!なの?!ずっと電源が切られているし、その前に出たのはヒバリさんだし、そのヒバリさんが、君は預かったって言うし、どう言う事なの?!今、何処にいるの?!!』
通話ボタンを押して、声を掛けた瞬間、矢継ぎ早に言われた言葉に思わず苦笑を零してしまう。
えっと、今何処って言われても、俺も多分恭弥さんの家ってだけしか分からないんですけど……
「心配掛けてごめん、ツナ」
勢い良く言われた内容に、俺はただ困って謝罪の言葉を返す。
綱吉が聞きたいのはそんな言葉じゃないのは分かっているけど、言わずにはいられなかった。
『そんな言葉が聞きたいんじゃないよ!今何処にいるの?!』
だから当然綱吉から返ってきたのは、拒否の言葉でまた同じ質問をされる。
「ちょっといいかしら?」
どう答えるべきか返答に困っている俺に、直ぐ傍に居た恭弥さんのお母さんが手を差し伸べてくる。
何を言われたのか分からなくて、俺はお母さんの顔を見て首を傾げた。
そんな俺に、ニッコリと笑って、俺の手から携帯を取って行く。
『もしもし!、聞いてるの?!!
「くんじゃなくて、ごめんなさいね」
って、お母さんが持って行った携帯から綱吉の声がここまで聞こえるんだけど、それなのにそんな綱吉を気にした様子もなく、ニコニコとした表情をしながら携帯に向かって声を掛ける。
『……あなたは、誰ですか?』
その声を聞いた瞬間、ツナの声が警戒した色を見せた。
「あらあら、驚かせてしまってごめんなさい。私雲雀恭弥の母です」
『はぁ?』
それに対して、恭弥さんのお母さんは、あっさりと自分が何者であるのかを名乗る。
その返答に、綱吉が驚きの声を上げるのが、聞こえて来た。
うん、声だけだけ聞いても、若いって分かるのに、そんな人から母親だと聞かされたら、驚くよね。
『なんで、ヒバリさんの母親が、の携帯に……』
「それは、恭弥が、くんが熱で倒れてしまったのを家に連れ帰って来たからかしら?」
「あっ!そ、それは……」
ツナの気持ちが良く分かって、一人頷いていた俺に、更に続けられた言葉に俺は焦った声を出す。
出来れば、それは知られたくなかった事なのに、あっさりとお母さんは、理由をツナに話してしまった。
『熱?すみませんが、と代わって頂けませんか?』
「それは、いいのだけど、余りくんを怒らないで上げてちょうだいね」
ツナの声が聞こえて来て、お母さんがチラリと俺を見て少しだけ困ったような表情で返事を返す。
あれ?今気付いたけど、ツナの声が聞こえてくるって可笑しくないっけ?
何で、声が聞こえるんだろう?
疑問に思った瞬間、お母さんの手から携帯を渡される。
だから、疑問を取り合えず横に置いて、俺はコクリと自分のツバを飲み込み恐る恐る電話に出た。
「も、もしもし、ツナ?」
『熱ってどう言う事?!何で、ヒバリさんなんかに拾われてるの?!』
恐る恐る声を掛けた瞬間、またしてもツナが勢い良く質問してくる。
俺はその声に、思わず携帯を耳から離してしまった。
『、説明してくれる?』
携帯を耳からかなり離しているのに、ツナの声が綺麗に聞こえる。
も、もしかして、これってスピーカーモードになってるの?
俺、そんな設定にした記憶、ないんだけど
「かしなよ」
どうするべきか返答に困っている俺に、横から恭弥さんが携帯を取り上げていく。
「あ、あの……」
「煩いよ、沢田綱吉」
『ヒバリさん!今すぐを返してください!』
「キャンキャン吠えないでくれる。この子なら、随分熱も下がったみたいだし、今日中には返してあげるよ」
今じゃなくて、今日中なんですか?!
それに、キャンキャンって、綱吉の文句を吠えるって、そう聞くと可愛く聞こえるんだけど、事実は全然そんな雰囲気じゃありません!!
「くんのご兄弟と恭弥は仲良しなのね」
そんな恭弥さんとツナの遣り取りを聞いて、微笑ましく呟かれたその言葉には、もう流石としか言えない。
母親って、最強じゃなきゃやっていけないのかなぁ、と本気で思った瞬間だった。
大体俺、熱出して倒れてたらしいんだけど、そもそも倒れた記憶が全くない。
確かに、今日は朝から体調悪いなぁとは感じていのだけど、倒れるほど酷かったとも思えないのだ。
なのに、俺は倒れて、恭弥さんに迷惑を掛けている訳で……
あれ?そもそも俺は、何時恭弥さんに会ったんだろう?それすらも、覚えていない。
目の前で、携帯で会話している恭弥さんを見て、首を傾げる。
何て言うか、本気で記憶が全くないんですけど……
あれ?そう言えば、足に違和感が……
「つっ」
そう思って足を動かした瞬間、自分を襲ったのは激痛。
「くん?!」
攣ったとかそんな痛みじゃなくて、酷使した後の痛み。
足を抱えた俺に、恭弥さんのお母さんが驚いたように名前を呼ぶけど、その声が何処か遠くに聞こえる。
でも、この足の痛みで思い出した、俺が倒れた理由。
ちょっとした眩暈を感じた瞬間、階段で足を踏み外すと言う大ボケをやらかしてしまったのだ。
そして、とっさに右足で体を支えてしまったため俺はそのまま激痛に意識失くしてしまったんだと思う。
でも、それで恭弥さんが俺を拾ってきたと言うのなら、多分助けてくれたのは恭弥さんと言う事になる。
酷い熱だったのは、体が自己防衛本能を働かせた為。
『に何かあったんですか?!』
お母さんの声が聞こえたのだろう、焦ったツナの声が俺の意識を引き戻してくれた。
ツナに、心配を掛ける訳にはいかない。
「だ、大丈夫、です……」
「そんなに脂汗流しながら言っても説得力ないよ。君の担当医ここに呼んであげようか?」
必死で痛みをやり過そうと言った言葉に、呆れたように恭弥さんが返してくる。
そして、質問された内容に、俺ははギョッとした。
「そ、そんなのは、ダメです!俺の所為で先生に迷惑掛けられませんから!!呼ぶんじゃなくて、俺が行かなきゃですよ!!」
「そんな事が考えられるなら、大丈夫そうだね。この子は並盛病院に連れて行くから、君は主治医に連絡しておきなよ。その方が直ぐに見てもらえるだろうからね」
『まずは、何があったのか説明してくれますか?』
「この子、階段から落ちそうになって、右足で体を支えてたんだよ」
『?!』
ああ、恭弥さんがツナに本当の事教えちゃったよ。
でも、それで分かった。
やっぱり、俺を助けてくれたのは恭弥さんなんだなぁ、と。
それを最後に、俺の意識は闇の中へと沈んでいった。
次に目を覚ました先は、病院のベッドの上。
心配そうに覗き込んできた顔はツナで、その隣には不機嫌そうな顔をした恭弥さんがいる。
えっと、どうなったんだっけ?
そんな二人を見て、俺は状況が把握できなくてぼんやりとツナを見てしまう。
「、入院確定だからね」
そんな俺にツナがため息をついて、状況を簡潔に伝えてきた。
入院……
えっと、恭弥さんの家で一度目を覚まして、恭弥さんのお母さんに会って、それから足を動かした時、右足に異常なまでの痛みを感じて、階段で右足を付いた事を思い出したんだっけ?
それで、今ここにいるって事は、きっと恭弥さんが連れてきてくれたんだろう。
意識を失う前に、そんな話が聞こえてきたような気がするので、間違いないだろう。
「……入院なんだぁ……」
「ヒバリさんが、もう少し早くを病院に連れてきてくれればよかったんですけど」
ツナに言われたその言葉に、ポツリとため息を付きながら口を開けば、ツナがトゲトゲした声でそんな事を言う。
「何?そのまま放置した方が良かったの?」
「誰もそんな事言ってないでしょう!」
「ちょ、ちょっと待って!お願いだから、喧嘩はしないで!恭弥さんが居てくれなかったら、俺もっと大変な事になっていたと思うんで、本当に感謝しています。有難うございました」
ツナの物言いに、恭弥さんが不機嫌な声で返してくれば、当然ツナがそれに突っ掛かる。
それに俺は慌ててそれを止めて、恭弥さんにお礼の言葉を伝えた。
恭弥さんが居てくれなかったら、階段からも落ちて大怪我をしていたかもしれない。
だから、本当に感謝しているのだ。
「別に、偶々そこに居合わせただけだよ。それよりも、君なんであの時間に階段なんかに居たの?」
「へっ?」
お礼を言った俺に、恭弥さんが投げかけてきた質問に対して、思わず間抜けな声を出してしまう。
えっと、階段に居た訳……訳って……移動教室だったんですけど、それ言って納得して貰えるかなぁ?
「、オレも気になるんだけど」
素直に言っていいものか考えている俺に、ツナが便乗して声を掛けてくる。
何にも悪くはないはずなのに、言うのが躊躇われるんですが……
「ふ、普通に、い、移動だったんだけど……」
「移動?授業始まって結構経ってたのに?」
恐る恐る口に出したその言葉に、恭弥さんが眉間に皺を寄せながら質問してくる。
確かに、授業始まって10分以上は経っていたのは本当だ、でも、俺は階段上るのにかなりの時間が掛かるので、可笑しくはないはず。
もっとも、今日は何時も以上に時間が掛かってしまった事は否定できない。
朝からずっと調子が悪かったのを我慢していたので、何時も以上に歩みが遅くなってしまったのも原因の一つ。
でも、それを言えばツナから長い説教を受ける事になるのが分かっているからいえないけど
「は、階段を上るのに時間が掛かるんですよ」
恭弥さんの質問には、俺じゃなくてツナが代わりに答えてくれる。
「それは知っているよ。僕は、何時も以上に遅かった理由が知りたいんだけど」
だけど恭弥さんは、ツナのその言葉に俺を見ながら更に問い掛けてきた。
えっと、恭弥さんには、しっかりバレているみたいだ。
じっと見詰めてくる恭弥さんの視線から逃げるように、顔を逸らす。
「君、朝から体調悪かったんじゃないの?」
顔を逸らした俺に、恭弥さんがズバリと確認の質問を投げかけてきた。
「?そうなの?!」
それに対してビクリと肩を震わせた俺に気付いたツナが、当然のように質問してくる。
バ、バレたくなかったのに……
「!」
ギュッと目を瞑って布団を強く握り締めた俺に、ツナが強い声で名前を呼ぶ。
それに恐る恐る目を開けて、ツナを見た。
少し怒ったように、自分を見ているツナの視線とかち合う。
それに、俺は慌てて視線を逸らしてしまった。
裏目に出ると分かっていても、申し訳なさ過ぎて、真っ直ぐ見ることなんて出来る訳がないんだもん。
「君、本当に隠し事できないよね」
そんな俺にため息を付きながら恭弥さんが呆れたように言うけど、事実過ぎて何も言い返すことが出来ない。
だって、自分が悪いと分かっているのに、堂々とするなんて出来る訳がないのだ。
「……朝から、体調悪かったんだね。オレ、言ったよね?体調悪かったら、無理せずに言うようにって!」
恭弥さんの言葉で、俺の体調が悪かった事が事実だと分かったツナが問い掛けるように口を開く。
確かに耳にタコが出来るほど聞かされている言葉だが、俺は一度としてツナに言った事がないのも事実だ。
だからこそ、何度も何度も同じ事を言われるのだけど、それが実行された事はない。
いや、俺だって、ちゃんと自分の体調を理解していたら言うつもりなんだよ。
でもね、無自覚なんだから、報告するなんて、無理なんです。
まだ大丈夫、まだ大丈夫。
そう思っている間に、気が付いたら倒れちゃうんだもん、俺は悪くないよね?
そう思ってるけど、ツナには絶対に言えないんだけどね。
「!聞いてるの!!」
そんな事を考えている俺に、ツナが怒ったように名前を呼ぶ。
「えっと、取り合えず、病院なので、そんな大声はどうかと思うんだけど……」
勿論、ちゃんと聞いていたので、恐る恐るツナに注意してみる。
聞いてもらえるかどうかは、分からないけど
「この子の言うとおりだよ。病院では静かにしなよ」
俺に続いて恭弥さんまでもがツナに言うから、ますますツナの怒りを買っているような気がする。
「そんな事あなたに言われなくても分かってますよ!オレが言いたいのは……」
「ツナ、俺が鈍いばっかりに、何時も迷惑掛けてごめんね」
恭弥さんに文句を言おうとしているツナの言葉を遮って、素直に謝罪の言葉を口に出す。
何時も何時も、俺はツナに心配ばかりしか掛けられない。
「……迷惑だ何て、思う訳ない。だから、謝らないでよ」
「ツナ」
「謝るぐらいなら、療養する事。1週間は入院だからね」
謝罪した俺に対して、ため息を付きながら返してきたツナの名前を呼べば、もう一度ため息をついてからツナがとんでもない事を言う。
「1週間も?!」
「そうだよ。今回はそれだけ酷かったんだからね」
ツナの言葉に驚いて声を上げたら、当然だと言うように返される。
確かに、階段から落ちそうになったのを、とっさに右足に全体重を掛けてしまったのだから、仕方ないと言えば仕方ないのかもしれない。
「……分かった。大人しくしてる」
熱を出した挙句に、入院騒ぎを起こしてしまったのだから、素直に頷く事しか俺には出来なかった。
それからの1週間、ツナの小言を聞きながらも、ちゃんと大人しくしてたのは言うまでもない。
コレに懲りて、無理はしないように心に誓いました。
入院中に、山本や獄寺くん、京子ちゃんにハルちゃんも見舞いに来てくれて嬉しかったけど、獄寺くんには、怒られちゃったんだけどね。
ツナと恭弥さんに迷惑掛けたのは、間違いないので、素直に怒られました。