クッキーと一言で言っても種類は様々。
バター、チョコチップ、マーブル、それこそ中に入れるものによって色々な味を作る事が可能だ。
んで、俺の一番お気に入りのクッキーは抹茶。
久し振りに食いたくなったそれに、俺は何時ものように行動にでた。
「、何作ってるんだ?」
キッチンに入って直ぐに、不思議そうに質問してきたのは俺の大切だとそう素直に言える相手。
「クッキー。急に食べたくなったから……ナルトは、何味のクッキーが食べたい?」
質問された事に返事を返して、質問で返す。
折角だから、ナルトが食べたいモノも一緒に作ろう。
「えっ?クッキーって、そんなに味があるんだってば??」
だけど、俺の質問に返されたのは意外なナルトからの言葉だった。
「ナ、ナルト??」
ドベ口調なのは、きっと驚いたからだろうと分かるけど、味があるって……。
疑問で返されたそれに、驚いてナルトを見てしまう。
「えっと、クッキーは食べた事あるよな?」
「えっと、時々サクラが差し入れに持ってくる……ちょっと甘くって白と茶色になってるヤツ」
ああ、春野が作ってるのはマーブルとかのツートンタイプだな。
んじゃ、プレーンとチョコ系って事だ……。
うちはに差し入れするんなら、ココア混ぜるよりコーヒーとか甘くないヤツにすればいいのに……。
って、俺がここでそんな事を思っても仕方ないよな、うん。
「それは、多分ココアで作ってるんだと思う……クッキーって結構何とでも合うんだぜ。俺は抹茶とか好きだし、ナルトならコーヒーで作ったのとか好きそうだよな」
他にも胡麻なんて言うヘルシーなモノまであるし、ヒジキ入れても食えるらしい。流石に試した事ないんだけど……。
「……んじゃ、コーヒーのクッキー食べてみたい」
「了解!」
俺の説明に、ナルトが素直に口に出したその言葉に、俺は笑顔で返事を返した。
んじゃ、あんまりクッキーを食べた事のないナルトの為に他にも色々と作ろう。
「んじゃ、焼き上がったら持っていくから、リビングで待っててくれよ」
「んっ」
頭の中で、色々なクッキーを考えながら、ナルトへと声を掛けると短い返事が返された。
だけど、ナルトはその場を動こうとしない。
あれ?そう言えば、ナルトがここに来るのって珍しいよなぁ……。
何時もなら、書庫から本を持ってきて読んでる時間だし……。
「ナルト、何か用事があるんじゃないのか?」
だから、そのことを素直に質問。
「えっ、うん……」
でも俺の質問に、頷きはしたけど、言い難そうに言葉に詰まる。
「言い難いこと?」
そんなナルトの様子に、俺は再度質問。
ナルトが言いたくないのなら、無理に聞き出すなんて事はしたくない。
「……そう言う訳じゃないんだけど……その、偶には俺も一緒にお菓子作りたいかなぁって……ダメ?」
慎重にナルトの様子を伺うように見詰めていた先で、そんな風に言われてしかもしっかりと上目使いで質問されたそれに、誰が『ダメ』なんて言えるんだ!言える奴が居るんなら、お目にかかって見たい。
「全然問題なし。んじゃ、一緒にクッキー作ろうぜ。型とか色々作れるから、二人で作るのは楽しい」
だから素直に、俺はそれに返事を返した。
うん、だってクッキー作るのって、大人数で作る方が楽しいし、全然問題ないって言うのは本当の事。
クッキー作りって、粘土細工見たいだし。
その後、ナルトと二人で一杯クッキーを作った。
余りにも大量に作りすぎて、シカマルと『昼』には呆れられたけど、まぁ、それは問題ないって言う事で……。
まぁ、次の日、下忍任務の差し入れに持っていったら好評だったので、良しとしよう。