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何時もこの時期は、複雑になる。
12月24日はクリスマス・イヴ。そして、25日はクリスマス。これは、世間一般での有名な日。
「明日は、木の葉のクリスマスパーティーだったな……」
面倒臭そうに言われた言葉に、短い返事を返す。
毎年恒例の行事だから、言われなくっても分かっている事。だけど、自分は一度もそのパーティに出席した事は無い。
「シカマルは、山中とか秋道に誘われてるんだろう?」
シカマルと幼馴染の山中いのと秋道チョウジ。親の代から猪鹿蝶トリオで有名な旧家。
シカマルの親父さん同様他の二人とも、何度か任務を一緒にした事がある。もっとも、俺の事を知っているのは、シカマルの親父さんだけだけど……。
「……めんどくせぇがな……今年も、お前は参加しねぇのかよ」
盛大なため息をついて言われた言葉と、真剣に見詰めてくる瞳に、俺は思わず苦笑を零す。
「……俺には、参加する権利は無いからな……」
認められていないの一族が、木の葉の行事に参加する事など有り得ない。
まして、一族の事を知っている者が居るような場所に気軽に行くことは自分にとって命取りとなるのだ。
「そうかよ……明後日は……」
俺の返事に、複雑な表情を見せてため息をつくと、シカマルが何かを言い掛けて言葉を区切る。
明後日、それは、12月25日の事。その日は……。
「んっ?」
俺はシカマルの途切れた言葉を促すように首を傾げて、シカマルを見た。
「…ココに来るからな……ナルトも、連れてくる」
そんな俺から顔を逸らして、少し照れたように言われた言葉に俺は小さく笑ってしまう。
12月25日は、俺の生まれた日。
複雑な生まれの俺が、この世に生を受けた日。
世間一般では、神様が生まれた日だとか言われるけど、それ事態を祝った事は無いし、自分が生まれた事だって祝う必要は無い。
「明後日は、忙しいだろう。明日のクリスマス・パーティーの為に里が麻痺する。クリスマスは明後日が本番なのに、忍はその日が一番忙しいからな」
「めんどくせぇけど、三代目には、ちゃんと許可貰うつーんだよ!」
パーティーは、強制。
その為に、忍達は皆仕事が出来なくなる。だから、その前日と翌日は里にとって大量の任務が手渡されるのだ。
それを言えば、シカマルが怒ったように言葉を返してきた。
ナルトとシカマルが任務に出ねぇって、それって三代目が泣くぞ……。なんて、何処か他人事のように思いながら小さくため息をつく。
「……その前に、貰えねぇんじゃ……」
だからポツリと思った事を口にすれば、睨まれてしまった。
でも、この里の1と2が一番忙しい時に居なくなったら、そりゃ火影からすれば頭の痛い状況だろう。
『シカ!ナルからの伝言!!明後日休みOK貰えたって』
だがその瞬間、バンと勢い良くドアが開いて『夜』が嬉しそうに入ってきた。
「そうか、サンキュ」
って、ちょっと待て!そんなに簡単に許して良いのか、三代目!!
『夜』の言葉にニッと笑って礼を言ったシカマルとその言葉を継げた相手を複雑な表情で見てしまう。
「って、事だから、安心しろよ」
勝ち誇ったような表情で言われて、俺は盛大なため息をついた。
こうなったら、何を言っても無駄だと言う事を知っているから……。
「ナルトは、やる気十分だったからな。覚悟しとけよ」
ニヤリと意地の悪い笑みを見せるシカマルに、複雑な気持ちを隠せない。
大体、自分の誕生日に、一体どんな覚悟が必要なんだよ!!!
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