ずっと、本当にずっと、あの人の事が、心配だった。
 何時だって、自分の存在を否定していたあの人。
 そして、誰よりも、悲しくって、強く優しい心を持った人。
 大好きなその人が傷付いているのを、私はただ見守るだけしか出来なかった。

 だって、知っていたから、私では、あの人を救えないのだと……。
 
 そして、今、あの人が笑う。
 とっても、綺麗な人を惹き付ける眩しい笑顔で……。


                                         大好きな、君の笑顔 


 小さい頃から、人には無い力を持っていた。
 人の未来が見え、心の声が聞える。
 意識すれば、どちらも、望んで出せる力。
 両親は、その事を知っていても、私の事を可愛がってくれた。

 それは、兄が同じ力を持っているがために、傷付けた事があるから……。
 私には、同じような事をしないように、必死だったのを知っている。
 そして、兄を傷付けた事を、ずっと後悔して両親もまた、傷付いていた。

 どっちが悪いかなんて、そんな事分からない。

 ……ううん、どっちも悪くないと思う。
 だって、人には無い力を持っている私達の方が、変なのだ。
 だけど、そんな力を持って生まれたばっかりに、あの人は、誰よりも傷付いて、そして、何時だって心は泣いていた。
 そして、表面は、笑顔を見せる。
 どんなに心が涙を流していても、人には絶対に心配掛けないようにと、優しい笑顔を浮かべるのだ。

 誰よりも、傷付いているその心のまま……。






                                                              



   はい、2つめのお礼小説です。
   こちらは、桔梗さまよりリクエストいただきました。
   しかし、やっぱりリクエストに答えてないものが出来上がっておりますね。<苦笑>
   
   話的には、『君の笑顔とあいつの気持ち』の直ぐ後の話です。
   と言うか、同じ日です。
   そんな訳で、またしても智成さん出張っておりますね。<苦笑>
   苦手な方、本当にすみません。
   
   そして、リクエストにお答えできないへっぽこ管理人ですみません。
   桔梗さま、リクエスト、本当に有難うございました。

   さぁ、明日も頑張って、小説上げるぞ!!(笑)