雑談
太一は小五の春休みを過ごしていた。 数日前、インターネット上で一緒に戦った”アイツ”・・・ヤマトは、 まだ島根から帰ってこない。 ヒカリは、友人の誕生日会の埋め合わせに行ってしまっている。 話し相手のいない太一は、散歩に出かけた。
「あれ、太一!こんなとこで、何してんだよ」 散歩中の太一に声をかけてきたのは、サッカー仲間の拓也だった。 拓也も、暇だったもので散歩に出ていた。 「拓也こそ。まあ、いいや。うちにこいよ、暇してたんだ」 拓也を連れて、家に逆戻りする太一。 この二人、サッカーを通じて知り合ったのだが、お互いに デジモンを知っていることなどの共通点から、仲良くなり今はメル友だ。
「なあ、太一。暇って言ってたけど、ヤマトは?」 リビングから飲み物や食べ物を持ってきた、太一に聞く。 ヤマトとは2、3回あったことがある。 それは太一も同じで、輝二とは2、3回会った。 「ヤマトは、まだ島根から帰ってきてねーよ。お前こそ、輝二はどうしたんだよ」 「・・・・・・」 輝二の話になったとたん黙ってしまう拓也。 「太一〜。聞いてくれるかぁ?」 「あ、ああ。輝二のやつなんかやったのか?」 一瞬聞くのも、嫌な予感がしたが、こう言うのは断れない太一。 「アイツってば、昨日俺との約束いきなりキャンセルしやがってさー、 輝一のところにでも愚痴りに行こうとしたら、あのやろー、泉と一緒に いたんだ!その割に、俺が輝一のところに行ったら怒るし!!」 一気に言って、ぜーはー言う拓也。太一はため息。 本人は怒っているのだろうが、これではたんなる惚気にすぎない。 「輝二って、怒ってるんだろ?その方が、まだいいぜ。ヤマトなんか、 文句もなにも言ってこねーし、自分の部屋の隅でいじけてんだぜ。 そうなったら、誰も手がつけらんねーし」 フォローに出たつもりの太一だったが、自分自身思い出して腹が立ってきた。 「それはやだな」 「だろ!?その上根性なしだし、すぐ後ろ向きな考え方するし、そのくせにもてるし(まだ続く)」 けなしたいのか、誉めたいのかわからない。 「太一、落ち着けよ。輝二だって、すぐ1人で行こうとするし、さわるなとか 言っといて俺にはさわるし、武術は出来るし(こっちも続く)」 拓也も、けなしたいのか誉めたいのかわからない。 「ブラコンだし、涙もろいし」 「カッコ付け出し、いつの間にか現れるし」 二人の言葉は止まるところを知らない。次から次へと出て来る。 この二人はいつ止まるのか。 「お兄ちゃん、拓也さん、そのくらいにしないと、せっかく来てくれた お客様がショック受けて帰っちゃうよ」 いつの間にかえってきたのか。ヒカリが立っていた。 「ヒカリ。お帰り〜」 「ただいま。お兄ちゃんにお客さん。拓也さんも」 「へ。俺にも?太一の家にいるのに?」 拓也の質問に、くすくすと笑って出てみればわかるよ。と言うヒカリ。 ?を浮かべながら二人で部屋を出ると、廊下にいたのは・・・ 「ヤマト!」 「輝二!?」 少し嬉しそうな太一に、驚いている拓也。 苦笑しているヤマトと輝二。 「ずいぶんとひどい言われようだな、俺達」 「まったくだ」 お互いに、愚痴っていたのを聞かれたらしい。 「ヤマトさん、輝二さん、どうぞ上がってください」 ヒカリが二人をリビングへ通す。 太一と拓也もリビングへと移動。
「ヤマト、お前島根にいたんじゃねーの」 「だから、さっき帰ってきたんだよ」 なるほどと手を叩く太一に、アホかとつっこむヤマト。 はたから見たら漫才だ。 「・・・なんで輝二が太一の家知ってるんだよ」 「拓也を探してたらヤマトにあって、太一の家に行くって言うから いるかなと思ってついてきた」 「いまさら、俺を探しに来てどうする気だったんだよ」 とりあえず、怒ってみせる拓也だが本当に怒っているわけではないだろう。 探してた理由だって輝二に言わせたら、それこそ今更だ。 「二人とも、結局はなんがかんだ言っても好きなんだから。 ヤマトさん、私が黙ってるのも今回だけですよ」 自分の部屋に戻っていたヒカリが1人、ポツリとつぶやいた。
えんどv

リクエスト企画をやったときに、 haruka様に、リクエストしていただいたものです。 拓也と太一の対談とのことだったのですが・・・ あまり対談してませんね。 haruka様、こんなものでよろしかったでしょうか? しあがりが遅くてすみません。 またぜひ、いらしてやってください。
迫乃さま、有難うございますvv 我侭なリクエストに、答えていただき、本当に嬉しいです。 太一さんと拓也くんの愚痴の言い合い。それを困った表情で聞いている二人が、想像できて、笑えました。
そして、最後のヒカリちゃんの台詞!ナイスす!! 本当に、素敵な小説を有難うございました。 そして、サイトUPにOKいただき、本当に嬉しいです。 これからも、素敵な小説を、書いてくださいね。応援しております。 |