もうすぐで運命の日。
その結果次第で天国ににも地獄にも行ける……
そう俺は太一の誕生日に、太一の人生を貰おうと考えてる。
この指輪をプレゼントにして……
運命の誕生日。
柔らかな午後の陽射しの中、ヤマトはぎこちない歩き方をしながら公園へと向かう。
ポケットの中にはこの日の為に買ってきた特別なプレゼントが入っている。今後の二人の人生を決めてしまうようなプレゼントが……
「受け取っては貰えると思うんだけどな〜〜」
中学の初めから始まったこの関係は、途切れることなく5年間続き、今年で6年目。お互い高校3年生になっていた。
今ではお互いの親公認であり、殆ど太一はヤマトの家に入り浸り、半同棲状態になっていた。
それはそれで嬉しいのだが、ちゃんとした形が欲しいと思っているヤマトとしては、同棲ではなく結婚と言う形で一緒に住みたいと思っている。
「ヤバッ!!時間に遅れる!!」
考え事をしながら歩いていたので、思ったよりも歩みが遅かったらしい。ヤマトは軽く走りながら待ち合わせの公園まで急いだ。
珍しくも先に太一はついていたらしく、ベンチに座ってた。ヤマトを見つけると嬉しそうに手を振る。
「遅いぞ〜〜ヤマト」
「スマン」
「オレもさっき着いた所だからイイよ。んでどこ行くよ?」
勢いよくベンチから立ち上がり、ヤマトの顔を覗き込む。
「あんまり金がないから、公園の散歩なんてどうだ?貧乏デートになっちまうけど……」
「全然構わねーよ。行こうぜ!!」
太陽のような笑顔をして、ヤマトの手を取る。その手を握り返して二人は人のあまり居ない散歩道を歩き始めた。
散歩を始めてある程度たった時、ヤマトが急に立ち止まり手をつないでいたため、太一も止まる。
「どした?ヤマト」
「イヤ……せっかく太一の誕生日なのに、まともなお祝できなくて悪いなって……」
プレゼントを大奮発したため、誕生日のデートにまで資金が廻らなくなってしまったのである。
「何言ってんだよ。一緒に居れるだけで、ヤマトがオレの側にいるだけで、サイコーの誕生日だよ」
肩を落としているヤマトに、太一は微笑みながら言う。そんな太一の微笑みにヤマトはポケットの中から小さな箱を取り出した。
「でもプレゼントはちゃんと用意したから」
「サンキュー。開けて良いか?」
丁寧の包装を剥がすと、さらに青色の小さな箱があり蓋をあける。そこには明らかに高価だと判る指輪は納まっていた。
「ヤマト……これ……」
「……高校卒業したら、一緒に暮らさないか?」
太一の肩に手を置き真剣な面持ちで太一に問う。人生を賭けた大事な場面なので足が微かに震えてしまう。
太一はただ箱の中の指輪を見つめたまま、何も言わない。
「太一……?」
何も言ってくれない太一の名を不安そうに呼ぶと、太一はヤマトの顔を見てそれから指輪をヤマトに返す。
「……太一」
指輪を返されたことによって、ヤマトは太一の肩から手を離し項垂れる。
「やっぱりダメか……」
「違う!!返したのは……ヤマトに嵌めて欲しかったから……」
「えっ!?」
顔を上げ太一を見ると薄らと赤くなっている。ヤマトは指輪の入った箱を受け取り、太一の左手を取る。
「愛してる……そんな言葉じゃ言い表せないくらい……」
指輪を薬指に嵌め恭しく口付けをする。口付けが終わると太一は左手を大事そうに右手で包み込む。
「……ありがとう」
今まで見たことがないくらい幸せそうに微笑む太一を、ヤマトはそっと抱き締める。
「幸せにするよ」
「当たり前だ!!じゃなきゃ別れてやる!!」
お互い笑いあって、手を握り再び歩きだす。
「ヤマトの誕生日にもオレから指輪プレゼントしてやるよ」
左手の薬指に嵌まっている指輪を見つめがら、楽しみにしたろよと太陽の笑顔を見せて、ヤマトの腕に絡み付く。
「ああ、楽しみにしてるよ」
そんな太一を優しく見つめて、ヤマトはこの先ずっと続くであろう幸せを噛み締めながら、暖かい陽射しの中を二人で歩いた。
未来へと続く道を……
せっかくの誕生日にこんな駄文を送ってしまってすいません。
いろいろと試行錯誤した結果。こんな文が……
煮ても焼いても、捨てても構いません。
お好きにして下さい。
誕生日おめでとうございます。
駄文だなんて、とんでもないです!!
素敵な小説を、有難うございますねvv
お好きにしても大丈夫だと言う事で、UPしてしまいました。宜しかったでしょうか??
って、今更聞いても、遅いって……xx
誕生お祝い、本当に有難うございます。
そして、サクヤさんも誕生日おめでとうございました。(過去形ですみません)