こんなにも心が苦しいのは、俺があの人の心の欠片を持っているからだ。
 こんなにも君のコトを想うと泣きたくなるのは、あの人の心がそうさせているからだ。
 これはあの人の感情。俺のモノじゃない。
 君の笑顔や君の声を感じると、俺の全てが救われるような気がするのも。
 全部あの人の心。
 俺のモノじゃない。
 俺のモノじゃ、ないんだ。








「僕、ガブモンに嫌われたのかもしれない…」
 アグモンの突然の発言に、太一は暫しの間思考能力が停止してしまった。
 当然の事ではあるが、ここはデジタルワールド。
 新選ばれし子供達と共に来ていた太一は、この間の事件もあってか、真っ先にアグモンの所へとやって来ていた。何時ものようにアグモンは笑顔で迎えてくれたが、その表情がいつもとは違い何処か元気が無いように見え、この間の事件がまだ心に残っているのかと考えた太一は、それとなく理由を聞き出していたのである。
 そしてやっと聞き出した言葉が、先程のアレだった。
「ガブモンがぁ…って…んなワケねーだろ?」
 ようやく我にかえった太一が、信じられないという感じで言った。
 アグモンとガブモン。
 この二人はまるで自分とヤマトのようなモノだった。
 よく喧嘩もしていたが、互いが互いの事をとても大切に想っていたのは誰にだってわかっていた事である。
 自分がヤマトを大切に想っているように。
 ヤマトが自分を大切に想ってくれているように。
 まぁ、この二人の間に流れているモノは、自分達のような複雑な感情ではなく、とても単純明解な友情なのだろうけれど。
「喧嘩でもしたのか?」
 それだったら、アグモンがここまで落ち込んでいるのも理解できる。
 しかし今迄もこの二人はいろいろ喧嘩してきたようだが、ここまで落ち込んでいる姿というのも初めてだった。
「ううん…何もしてないよぉ」
 ふるふると首を左右に振って、アグモンは太一の言葉を否定する。
 そして何処か悲しげな瞳で、ポツリと呟いた。
「きっと、この間の事件のせいで嫌われちゃったんだよ…。僕、いっぱいガブモンを傷つけたから…だから」
「アレはアグモンのせいじゃないっ!!」
 太一は力強くその言葉を否定した。
 この間の事件。
 それはアグモンがデジモンカイザーに捕らわれ、洗脳されていた事だった。
 自分の意思とは関係なく完全体まで進化させられたアグモンは、助けにきた太一達やそのデジモン達にまで牙を向けたのだ。
 当然、その中にはガブモンの姿もあった。
 しかしその件に関しては、誰もがアグモンに非がない事ぐらい理解している。もちろんガブモンだって。
 故にその事が理由で、ガブモンがアグモンを避ける理由にはならないはずだ。
「でもアレからガブモンは僕に近づかなくなったんだよ?会っても顔を反らすし、声もかけてくれない…。ガブモンは僕の事、嫌いになったんだ。僕のせいであんな事になったから…だから…」
 そこまで言うと我慢が出来なくなったのか、アグモンは太一にしがみ付いて大声で泣き出した。
 そんなアグモンを見て、何も慰めてやれない自分の不甲斐無さに腹が立つと同時に、取り敢えず現実世界に戻ったらヤマトをブン殴ろうと心に決め、太一はアグモンが泣き止むまでずっと側にいてあげた。





「だからって何で俺を殴るんだっっ」
「だってガブモンのパートナーはヤマトだろ」
 さも当然と言わんばかりの態度で、太一は出された麦茶を飲み干した。
 その様子を見て、ヤマトは深い溜息をついてしまう。
 あの後、現実世界に戻った太一は真っ先にヤマトの家に行き、ちょうどバンド練習から帰宅したばかりのヤマトを玄関先で殴りつけたのである。と言っても、ほんの気持ち軽めではあるが。
 しかし殴られた方は堪ったもんじゃない。
 自分の身に何が起こったのかようやく理解したヤマトは怒声を上げようと口を開いたが、自分を殴りつけた太一の顔があまりにも複雑な表情をしていたので何も言えなくなり、取り敢えず家の中へと促した。
 それから怒りからか興奮している太一を宥め何とか事情を聞き出し、その内容が判明した瞬間ヤマトは何とも言えない脱力感に襲われてしまった。
 ようするに先程殴りつけられたのは。
「只のヤツ当りじゃねーか…」
 しかし、その理由を聞いてしまってはヤマトも怒るに怒れなくなってしまう。
 何故なら自分達にとってパートナーデジモンという存在は、誰よりも近くて大切な存在なのである。その感情は家族や友情にとても近くて、それとはまた別の感情に似ている。
「なぁヤマト!!ガブモンから何か聞いてないのか?」
「いや…一昨日会ったけど、別に何も言っていなかったと思うんだけどなー」
 そう言いながら、ヤマトは一昨日のガブモンの様子を思い出していた。
 何時もの通りに会って、話して、それから…。

『それは、どんな想いなの?』

 それから。
「変な事…聞いてきたな」
「変な事?」
「ああ…その時はたいして気にならなかったんだけど…」
 だけど今から考えてみれば、それは不思議な質問だった。
 確かあの時は、学校での出来事を何気なく話していたと思う。勉強の事やバンドの事や、他の選ばれし子供達が何をやっているのか、そんな他愛無い会話だったと思うのだが。
 いや。確かあの質問が来る前に話していた内容は…。
「太一の事か…?」
「はぁ?」
 突然自分の名前を出されて、太一はきょとんとした。ガブモンの話から、何故自分の名前が出てくると言うのだ。
「あの時、俺、太一の事を話していたんだ」
「俺の話?」
「ああ」
 それは本当に、何気ない話だった。ただ、今日太一の奴が何をしていたとか、こんなドジをやらかしたとか、本当に極日常的な会話。だがその話を聞いた時から、何処かガブモンの雰囲気が変わったのは事実だった。


『ヤマトは本当に太一の事が好きなんだね』
『なっ…別にそうでも……』
『照れなくても良いのに。本当にヤマトは照れ屋なんだから』
『…悪かったな』
『ねぇ…ヤマト……』
『何だ?』
『それは、どんな想いなの?』
『……?』
『御免。変な事聞いた。忘れて』


 あの時交わした会話を思い出す。その後直ぐに、何時もの会話に戻ってしまったから忘れてしまっていたのだ。
「確かに……ガブモンの奴変だった」
「いや…ていうかお前、何時もガブモンに俺の話していたのか?」
「…悪いかよ」
「…全然悪くないけどさ」
「ああもうっ。その話は後にして、今はガブモンの方だろっっ」
 顔を真っ赤にしてヤマトは、話の軌道を修正する。誤魔化したとも言うが、これ以上自分の醜態を曝すワケにもいくまい。まだ何か言ってくるかと思ったが、ヤマトの言葉を聞いて太一も当初の目的を思い出し、直ぐに先程の疑問は忘れ去られたようだ。
「そうだった。でもさ、今の話聞いただけでは別にアグモンと関係なさそうだけどさー」
 どちらかと言えば、自分との方に原因があるような気がする。でもガブモンが避けているのはアグモンで…。アグモンのパートナーといえば…。
「まさかっ」
「何か思いついたのか?」
「まさかガブモン、俺の事が嫌いで、そのパートナーであるアグモンも嫌いになっちまったとか、そんなんじゃ……」
 真剣な顔をして言うその姿を見て、ヤマトは脱力した。何処からそのような話が出てくるのだ。
「ないない。それだけは絶対にないって」
「何でだよー。坊主憎ければ袈裟まで憎いって言うじゃねーかー」
「お前、よくそんな諺知っているな」
「…ヤマト、俺を馬鹿にしているワケ?」
 自分の失言に気付き、苦笑して誤魔化す。
「いや、そうじゃなくてだなぁ。ともかく、ガブモンが太一を嫌うというのは絶対に無いと思うぜ」
「何で言いきれるんだよ」
「あのなぁ、ガブモンは俺のパートナーデジモンなんだぜ?」
 それはわかっている。だから何だと言うのだろう。
「俺が太一の事を好きなんだから、ガブモンが太一の事を嫌うワケないじゃん」
 さらりと。
 本当に何気なく、ヤマトは凄い発言をしてくれた。
 それを聞いた瞬間、太一は自分の顔が熱くなるのを感じる。
 ヤマトも自分が何を言ったのかに気付き、顔を真っ赤にして咳払いをした。何か妙な沈黙が暫くの間、二人を包む。
「えーと…つまりだなぁ」
「な、何だよ…」
「昔、源内さんが言ってたと思うけど、俺達のパートナーデジモンには、俺達のデータもその中に含まれているらしい。ようするにガブモンには、俺のデータが入ってるって事だろ?」
「ああ」
「だから俺が太一を想う気持ちも当然、ガブモンの中に……」
 そこまで言って、ヤマトはある事に気付いた。そうだ。その可能性があったのだ。
「ヤマト?」
「太一……明日、即効でデジタルワールドに行くぞ」
「はぁっ?別に良いけど、どうしたんだ急に?」
「確かめたい事があるんだ」
 何処からくるのかわからないヤマトの勢いに負けて、太一も明日のデジタルワールド行きに賛成した。どちらにしろ、アグモンの事が気にかかるのだから近々行くつもりだったのだ。その予定が早まったと思えば良いのだろう。
「それじゃあ早速…」
 そう言ってヤマトは、ガブモン宛にメールを送った。明日行く事と待ち合わせ場所を伝える為だろう。
「太一もアグモンに送っておけよ」
「アグモンに?」
「ああ…内容はだな…」
 二人しかいないのに、何故か小声でヤマトは耳打ちした。






 翌日、放課後になると一直線に小学校に向かい、待機していた大輔達を引きつれて半ば強引に二人はデジタルワールドにやって来た。用事があるからと子供達とは別れ、昨晩メールで連絡していた待ち合わせ場所でガブモンが来るのを待つ。
「なぁヤマト。確かめたい事って何だ?」
「ああ…ちょっとな」
 そうして暫くの間待っていると、木々の間からひょこりとガブモンの姿が見えた。
「ヤマトー。太一―。御免お待たせー」
「いいよ。俺達も今来たばかりだから」
 何時もと変わらないガブモンの姿。その姿を見るだけでは、アグモンの事を避けているとは到底想像もつかない。だが、アグモンが自分に嘘をつく筈もないので、その事についてはアグモンの言葉を全面的に信じている。
「どうしたの?二人一緒に来るなんて…ってアレ?アグモンは?」
 太一の横に、何時もいるはずのアグモンの姿が見えない事に気付いたようだ。
「ああ…アグモンは呼んでいないんだ。ガブモンに話があってさ」
「俺に…話?」
 不思議そうに見つめてくるが、アグモンが来ないという言葉を聞いて、何処か安心したような感じになる。
「話って何、ヤマト?」
「ああ…単刀直入で聞くけどさ…」
 そう言って、軽く咳払いをしてヤマトはガブモンを見つめる。

「お前、もしかして好きな奴でもいるんじゃないか?」

 一瞬、空気まで凍るような沈黙があった。しかし次の瞬間、驚愕の声が周囲に響く。
「ええええええええええええええええええええええっっっっっっっ!!!???」
「ヤヤヤヤヤヤヤヤヤマト。何言うんだよ突然っっっ!!!!!!!!」
 太一とガブモンが同時に叫んだ。
 しかしヤマト一人は冷静な顔をして、へろっとしている。
「それだけ慌てるという事は……そうなんだろ、ガブモン?」
「何言ってるのヤマト。俺が好きなのはヤマトだよ?」
「それは知っている。俺だってガブモンの事が好きだ。でもそうじゃない。俺への好きとは別の感情の好きな奴がいるって事だよ」
「ヤマトとは違う……好き?」
「お前、前に俺に聞いてきただろ?」

『それは、どんな想いなの?』

「本当は、もう気付いているんだろ?」
 その言葉を聞いて、ガブモンは動きを止めた。先程とは違い、何処か悲しそうな表情で二人を見つめる。
 あの時。
 あの時、ヤマトは太一の事を話していた。ガブモンはヤマトが、太一の事をどう思っているのか知っている。ヤマトが太一に向けている感情が、自分とヤマトの間に流れている感情似ているようで違う事も知っている。
 だから聞いてきたのだ。その想いとは、どういうものなのか。同じ『好き』なのに、何処が違っているのか。
「…もしかして、ガブモンの好きな相手って」
 太一がふと思いついて言葉にした。それは本当に只の思いつきだった。だが、それが間違いではないだろうと、何となく確信して。
「アグモン…なのか?」
 その名を聞いて。
 ガブモンの赤い瞳から、涙がはたはたと零れ落ちた。
「………………うん」
 それは、とても小さな声だったが。
「俺、アグモンの事が好きなんだ」
 まるで祈りのように、ガブモンは静かに告白した。
「ヤマトとは…違う、別の『好き』なんだ……」
 何時からだろう。アグモンに対して、そういった感情を持つようになったのは。
 ただはっきりと自覚したのは、あの時。アグモンが捕まり、強制的に完全体へと進化させられたあの時だった。
 辛かった。
 声が届かなかった。
 俺がわからなかった。
 守れ、なかった。
 何も出来なかった自分が、とても歯痒かった。
「……その罪からアグモンを避けていたのか?」
「それもあるけど……俺は怖かったんだ」
「怖い?」
「俺のこの想いが、本当に俺のモノなのか…。確かめるのが怖かったんだ」
 そもそも、この気持ちは本当に俺のものなのだろうか。
 これはヤマトの心ではないだろうか。
 自分の中にある、ヤマトのデータが。
 ヤマトの太一を想う心が、自分にそういった感情をもたらしているのではないかと、不安になってしまった。
 それでも、アグモンの姿を見る度に想いは深まり。
 会えば、何故か泣きたくなる程に愛しくなるから。
 だから離れた。
 これ以上、好きにならないように。
 自分の想いを封じる為に。
「でも駄目だった。離れれば離れるほど、心が痛くなる」
 涙を零し続けるガブモンの頭を、ヤマトは優しく叩く。
 ガブモンの気持ちは痛い程よくわかる。何故なら自分も、同じような経験をしてきたのだから。
 そう考えてみれば、確かにガブモンとヤマトの心は、何処か似ているところがあるのだろう。しかし、このような想いはきっと、誰もが辿る道筋なのだ。
「ガブモンの心はガブモンのものだよ。俺の心がどうこうよりも、ガブモンがどうしたいのか。何を求めているのかが一番大切だ」
「俺の…?」
「アグモンに、会いたくないのか?」
 少しの沈黙。だが、ガブモンはハッキリとした声で言った。
「会いたい…。俺、凄い我侭言っているってわかっているけど……アグモンに会いたいんだ……」
 その言葉を聞くと、ヤマトは太一に降り返った。
「…だそうだ、太一」
「わかった。もう出てきていいよ」
 すると、奥の茂みの中から見慣れた顔が出てきた。
 会いたくて会いたくて、でも会いたくなくて。
 それでも自分の心が求めていた人。
「……アグモン?」
「ガブモン……」
 少しずつ、アグモンがガブモンに近づく。そんなに離れていない距離なのに、まるで永遠の長さに感じられる。
 アグモンがガブモンの目の前に来た。ヤマトは、そっとガブモンの側から離れる。
「……話、聞いてたの?」
「うん…御免。太一からメール貰って、そこにずっと隠れていた」
「ううん。謝るのはこっちだよ。いっぱい傷つけて……御免。俺、自分の事しか考えてなかったから……」
「あのさぁ…」
「何?」
「さっきの話から言うと、僕の中にも太一のデータがあるって事だよね。でもね、僕には太一やヤマトやガブモンの『好き』ってのが、よくわからないんだ。だから、ガブモンの気持ちってのもハッキリ言うとよくわかんなくて…」
 少し戸惑いながらも、一生懸命に言葉を紡ぐ。
「でも思うんだ。例えそれがデータの感情だったしても、僕達の中にある時点で、それはもう僕達の感情なんじゃないかなって。そりゃ少しは影響されるかもしれないけどさ、心ってそんなに簡単に書き換えられるものじゃないでしょ?」
 とて、とアグモンは自分の両手をガブモンの両手に重ねる。
「アグモン……」
「だってさ、データのせいだったらさ、ガブモンは太一の事好きにならないと駄目だもん。
 でもそうじゃないもんね?ガブモンは僕の事が好きなんだもんね?」
「うん」
「だからガブモンの気持ちは、本物だと思うよ?」
「…アグモンは」
「?」
「アグモンは太一の事が好き?」
「うん」
「ヤマトも?」
「うん」
「チョコレートとかアイスクリームも?」
「うん」
「……俺の事も?」
「うん。大好きだよ」
 そう言ってアグモンは笑った。何時もと変わらない笑顔で。
 ガブモンが大好きな笑顔で。
「……だったら良いや」
 心の中でぐるぐると渦巻いていたものが晴れていく。アグモンの笑顔を見ているだけで、こんなにも満ち足りた気分になれる。
 そうだ。これはまさしく自分の心。誰のものでもない、自分の。
「アグモン…」
「何?」
「ぎゅっ、てしていい?」
「?うん。いいよー」
 アグモンの無邪気な答えに甘えて、ガブモンはアグモンを抱きしめた。アグモンの温もりと鼓動が伝わってきて、何だかとても幸せな気持ちになれる。
 ヤマトもきっと、太一にこんな想いを抱いているのだろう。
「大好きだよ、アグモン」
「僕もー♪」





「……何か見ているこっちが恥ずかしくなるな」
 何時の間にやら太一とヤマトは、その場所から程遠い所に立ってアグモンとガブモンの様子を眺めていた。アグモンとガブモンは何やら抱き合っているようで、見ているだけでは大変微笑ましい光景が繰り広げられている。しかし内情知っている二人は内心複雑ではあるが。気分は何故か嫁に出す父親の気分だ。
「でも、このまま本当にくっついたりして♪」
「いや…アグモンの方は、まったく自覚していないし何もわかっていないから、当分の間はあのままだろ?」
「当分…ってどれぐらいだ?」
「そうだなー……三年ぐらいか?」
「何処からくるんだ、その具体的な数字は」
「俺とお前が両想いになるまでかかった年数だ」
 ヤマトは溜息をついて、しみじみと呟いた。
「何だか昔の俺達を見ているような気分だよなー。ガブモンもこれからが大変だぞ」
「何が言いたいんだよっ」
「相手の鈍さに、これから苦労するって事」
「苦労だけか?」
 ヤマトの顔を覗きこんで、太一は上目遣いで聞いてくる。
「いや……それ以上に良い事もある…かな」
「はっきり言えよ、ヤマト」
 太一の笑顔を見て、ヤマトは諦めて白状した。
「結局はあいつらも幸せになれるって事さ」








「ねぇ、僕思うんだ」
「何?」
「僕達が太一達の心を受け止めて進化するように、きっと僕達の心も進化するんじゃないかなぁ」
「…そうだね」
「だからガブモンの心も、ヤマトの心を受け止めて進化したんだよ、きっと」
「だったら今迄以上に大切にしないと駄目だね」
「うん♪」
「俺としては、アグモンの心も早く進化してほしいけど…」
「えー?何か言ったー?」
「ううん。何でもないよっ」

                                                       − 進化論 −


    

          藤真様、有難うございますvv
          とっても可愛い小説で、本当にキリ番GET出来て幸せですよvv
          リクエストは、ヤマ太のガブアグだったんですけど、こんなに見事に答えていただけるなんて…。
          すごいです、藤真様vv
          私も見習って、皆さんのリクエストに答えられるようにしなくっては!

          本当に、素敵な小説を有難うございました。