予告
孤児院で育った丈は人を信じることができない。
そこへ現れた太一。丈はやがて心を開いて行く・・・
しかし、丈と太一にヤマトの魔の手が忍び寄る。
次回、愛と爆笑の感動ノンフィクション。ご期待下さい。
「僕、君のことが信じられないんだ。」
丈は小さな声で呟いた。それを聞いた太一は、少なからず傷ついた。そして、丈に負けないくらい小さな声で、平然を装って言う。
「そっか・・・、仕方ないさ。誰だって、信じられないときがあるさ。・・・でも、俺は本気で友達になりたい。そう考えて、接してほしい。」
最後のほうは、少し声が大きかった。そういった太一の瞳に、輝きを感じた気がした丈であった。丈は、少しずつではあるが、太一なら信じられるかもしれない、太一を信じてみたいと思うようになった。
そうして日々は流れ、丈は、太一を信じ、太一に寄り添うように接するようになった。丈の今の感情は、友情というより・・・・・愛情といってしまってもいい物なのかもしれない・・・。
丈は、今までの勇気を振り絞り、太一に告白することにした。場所は・・・ありがちな桜の木下・・・(←(注)春です)
太一は、もちろん丈の気持ちにはまったく気づいてはいない。
「たっ、太一!その、実は・・・僕、太一のこと・・・すっ、ス『丈!』」
最後の言葉に覆いかぶさるように、誰かの声がかぶさった。・・・誰かなんて、考えなくても分かった。
「「ヤマト!」」
太一と丈の声が重なった。
「丈、お前・・・太一と何してた。」
ヤマトは怒っていた。ヤマトは、丈と同じ孤児院で育ったひとりである。
ヤマトは怒っていた・・だが、その後ろで何か闇を感じる笑顔の太一が立っていた。
「たっ、太一?」
心配そうに丈が話し掛けてみた。すると太一は、ヤマトに笑顔を見せた。
「ヤマト。俺、今誰と話してた?」
「じょ、丈・・です・・・。」
「そうだよね。じゃぁ、邪魔しないよネv」
「・・・ハイ・・・」
太一は一瞬にしてヤマトを黙らせてしまった。
「丈、何だっけ。」
太一は丈に話を戻した。ヤマトは何も言わないが、そばに居る。丈は、心を決めて話し始めた。
「だから、その・・・好きなんだ!!」
ついに言い切った丈である。ヤマトは、いかにも面白くなさそうである。
「俺も好きだぜ!」
そう返したのは太一であった。丈は天にも上る気持ちであった。・・・次の太一の言葉を聞くまでは・・・。
「だって、友達になりたいって言ったじゃないか。すんげぇ嬉しい。」
丈とヤマトには、丈のハートの形をしたガラスが割れる音が聞こえるようだった。
「太一、もう喋ってもいい?」
そう聞いたのは、もちろん・・喋ることを許されなかったヤマトである。
「いいと思うぜ。」
その答えに嬉しそうに太一に近づく、後ろから抱きしめる状態になる。そして顔だけを丈に向けた。
「丈、太一とは俺が付き合ってるんだから、邪魔するんじゃねぇ。」
丈は、さらにショックを受けた。
「やっ、ヤマト!丈が、んな分けないだろう。それに人前でくっつくな!!」
太一の言葉にさらにショックを受けた丈であった。
***それから・・・・・・2年後*******
丈と太一たちは、あれ以来友情の絆を深めていった。あれから、2人を見てきたのだが、丈的に「ヤマトなら仕方が無い」と思えてきたのだ。太一はヤマトを、ヤマトは太一を、かけがえの無い人のようにしているのだから・・・。太一への思いが消えたのではないが、その思いが今、「友達として、強く見守っていきたい」という気持ちに変わり始めていたのだった。
素晴らしい己の一つ一つの気持ち・・。
大切な君が教えてくれた・・・大切な気持ち・・。

皆与様より、頂きました。
行き成り次回予告から、こんな素敵な小説です。
ヤマ太←丈のお話ですよ。
本当に、素敵な小説を有難うございますねvv
感謝の気持ちで一杯です!
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