ストロベリーキッス



















ファーストキスはレモンの味?って誰が言ったんだろう。
初めてキスした時は、どんな味だったかなんて緊張し過ぎて判らなかったけど、
ちょっと余裕のできた今では、キスがどんな味なのか気になってしまう……

























「なぁ〜ヤマトォ〜〜」
「どうした太一?」



 オレの甘えた声に恋人のヤマトは譜面から顔を上げて、こっちを見てくれる。自分のしていたことを辞めてまで俺を見てくれるから、愛されてるなとつい思ってしまう。



「ヤマトはファーストキスはどんな味がした?」



 ゴンと大きな音を立ててヤマトは机に額をぶつけた。そんなに質問がおかしかったか?



「……なんだよ急に」



 ぶつけた額を擦りながらヤマトはオレの顔をマジマジと見つめる。そんなに見つめるなバカッ!!恥ずかしくなるだろ!!ああ〜額が赤くなってる。あとで濡れタオルで冷やしてやらないと……



「前から思ってたんだけど、ファーストキスはレモンの味ってよく言うじゃん?」
 机とヤマトの間を割って入りヤマトの膝の上に座る。そうすることによってヤマトの意識をオレだけに持ってこさせる。オレだけを見て欲しいって思うのは我が侭なのかな?



「だけどさ〜。初めての時ってドキドキし過ぎてそんなの確かめる余裕がなかったから……」
「知りたい?」



 オレの言葉を取ってヤマトが確認するように聞いてくる。知りたいけどもうファーストキスは済ませちゃったから、わからないじゃん。



「ファーストキスもセカンドキスも、キスはどれも同じだよ」



 そうなの?だったらヤマトとのキスはレモン味なんだ。



「レモンってわけじゃないけど……今日の味は……」



 顎を掴まれて優しくキスされる。それからすぐにヤマトの舌が唇をノックしたから、少しだけ開けると我が物顔で侵入して、オレの舌と搦める。



「……ふ…っ………んっ……」



 濃厚で深いキスはオレの意識を朦朧とさせる。こんなキスばかりだからキスの味が判らないのかも知れない。



「はっ……」



 漸く解放されて深いため息を吐く。いまだにキスの合間の呼吸が上手く出来ないから、長ければ長いほど苦しくてだけど気持ち良くて……だけど今のキスはそれよりも甘酸っぱいカンジがした。



「味分かった?」



「なんか、イチゴの味がした」



 誰だよレモンって言ったのは!!全然違うじゃねーか!!



「さっき苺食べたからな、それがまだ残ってたんだろ」



 そういえばおやつでヤマトが買ってきたイチゴを食べた。甘酸っぱくて美味しくてヤマトの分まで食べた。



「キスってさ、その時の雰囲気で味が変わると思うぜ。今のは苺だったけど、俺はよく太一の味がするのが好きだし……」



 オレの味?どんな味だろう??でもなんか言い方がエロ臭いのは気のせいだろうか……でもオレもきっとヤマトの味のするキスが一番好きなんだろうな。



「ヤマト!!これからもいっぱいキスしような」



 そういって、滅多にしない自分からのキス。すぐにヤマトに主導権を取られるけど、ヤマトとのキスは甘くて気持ちいいから気にしない。

























ファーストキッスはレモンの味?
























違うよ……



























好きな人の味がするんだ!!








10萬ヒットおめでとうございます。
小説の内容は、まったくめでたい話じゃないですけどf(^_^;)
これからもますますの発展を願ってます。

せっかくのお祝いなのに、お粗末なものを送ってしまいすいませんでした。




    
   素敵な小説、本当に有難うございます。
   お粗末だなんて、とんでもありません!!
   何時も、素敵な小説を頂いて、なんとお礼を言っていいのやら……。
   私は、何時も、その恩を仇で返しております、愚か者でございます。
   そんな人物ですが、これからも宜しくお願いしていただければ、幸いです。