今日は、大イベントが待っている。
…12月24日…そう、クリスマスイブである。
ある意味、恋人のためにあるようなお祭りである。
ココ、ヤマトの部屋でくつろいでいる二人も例外ではない。

◆特別な日に・・貴方と二人・・・◆

二人は、イブが休日なのをいいことに、すでに一泊している。今日だって、明日が学校なのにもかかわらず、泊まっていくつもりらしい。

「おーい、太一。準備できたから、始めようぜ。」
そう、台所から呼ばれて、リビングに居た太一は立ち上がり、待っているであろう人物の所へと向かった。
「わぁー、うまそうvvv」
太一の第一声は喜びに満ちていた。
「お褒めに預かり光栄です…なんてなv」
二人で軽く笑いながら席についた。
二人は、ヤマトの家で二人だけのクリスマス…詳しくするとイブを満喫しているのだ。そして用意されたのは、ヤマトのお手製料理である。もちろん、パーティディナーだけあって豪華である。そんなものを軽々と作る男15歳…恐るべし…。
「でも…二人で作りたかったなぁ…待つの暇だったし…。」
寂しそうに呟く太一、そんな太一にヤマトは苦笑いをもらした。太一の気持ちも分からなくないから。
「ごめんな。…でも今日はこれもプレゼントの1つにしたかったんだ。それに…驚く顔も見たかったし。」
「まぁ、今日のは了解してたことだから、仕方ないけどなv それより、いいかげん食べないか。折角なのに冷めちゃうぜ…。」
太一は箸を持ち、『イタダキマス』と言うと、早速一番手前の料理を口にする。
「…美味しいvvvvvvvvvv」
名前なんて、めったに食べないからわからないけど…兎に角美味しくて仕方が無い。
「気に入ったか?……うん、けっこう美味く出来てるな。」
太一の感想を待っていたヤマトも一口口に入れ、『われながら』と呟いている。
「気に入ったもなにも、どれもこれもとっても美味しいぜ!!ありがとなヤマト。」
「どういたしまして。」
こうして、幸せな食事の時間は流れていった。


食事も終わり二人でヤマトの部屋へと入っていった。
「あれ?…ヤマト、カーテン開いてるぜ。」
「え?あ、本当だ。悪い、今閉めるよ。…少し待ってくれるか?」
ヤマトは何かを出そうとしていて手が離せないでいた。
「謝ること無いと思うけど…それぐらい俺が閉めるよ。」
「あぁ、頼むよ。」
太一は窓へと近づいて、あるものが目にとまった。
「……あぁーーーーーーーーーーーー!!」
あるものを目にした瞬間太一は叫んだ。
「どっ、とうかしたか?」
あまりの声に驚き、ヤマトはつまずきそうになった。どうやら探し物はあったらしい。
「ちょっと来てみろよヤマト。」
嬉しそうに太一は満面の笑顔を浮かべ、手招きをしている。
すぐそばまで来ると太一はまた外を眺めて言った。
「雪だぜ。雪!!」
本当に嬉しそうに喜んでいる。でも外を見ると喜ぶ気持ちもわかった。今降る雪が、とてつもなく綺麗だったからだ。それが本当にそうなのか?好きな人と見ているからなのか?は分からなかった。…いや、両方なのかもしれない。
「なぁ、散歩しに行こうぜ?」
どんどん高くなるヤマトの顔を眺めながら聞いてみた。ヤマト曰、このときの太一は、本当に倒れる…または襲いたくなるほど可愛かったらしい。
「あぁ。」
こうして太一たちは外へと出かけた。

今日は少しはなれた公園を、手を繋いで歩いた。二人ともあまり話さなかった。手を繋いだだけで、本当に・・・本当に幸せだったから。
「…なぁ…太一…。」
「ん?」
「これからも、そばに居て欲しいって言ったら…その…迷惑か?」
ふと立ち止まってヤマトが聞いてきた。
信じてはいるだろうが、不安そうに聞いてきた。そんな中、太一は一回もヤマトのほうを見なかった。
「…はっきり言って迷惑だよ。」
予想もしていなかった返事に、ヤマトの思考は一気に地獄へと行こうとしていた。…次の太一の言葉を聞くまでは…。
「…もう少し自信持てよ…。かっさらっていく位のこと言ってみろよ。…俺は、そばに居るだけなんて嫌だね。最後まで、お前と生きるって決めたんだよ。」
あまりの言葉にヤマトは、固まってしまった。予想していなかった展開と、あまりにも嬉しい言葉に…。
「…プロポーズの一つも無いのかよ。…それとも俺が言ったほうが良いのか?」
あそこまで言ったのに、何の答えも返ってこない事に、少し不安になりながらも太一は言葉を続けた。
太一のその言葉に我に返ったヤマトは、慌てて太一を後ろから抱きしめた。
「それだけは言わせてくれ…。」
耳元で今にも消えそうな声で囁いた。
「だったら最初から言えよ。確認なんかするな!!…なんか…疑われてるようで嫌だから…。」
また怒っている太一は、かすかに肩を震わせていた。泣いているのか、怒っているのか、それとも照れているのかは、後ろから抱きついているヤマトには分からなかった。ただ、とても、太一が愛しくて仕方が無かった。
「あぁ、ごめん。でも心配なんだ…怖いんだ。太一を失いそうで。だから、いつまでも居てくれ…結婚してくれ太一…。」
太一の体を反対にし、向き合うかたちにして、ヤマトは言った。しっかりと目を見つめて…この思いが、偽りではないことを伝えるために。
「…晩いんだよ…。でも…ありがとう…すんげぇ嬉しい。」
太一は正直涙が出そうになった。泣かないためと照れ隠しで、それで居て思いを伝えるためにヤマトの胸に顔をうずめた。
そして、共に見つめ合い…とても甘いキスをした…。
「太一、これ…俺からのプレゼント。」
太一は受け取った包みを開けた。中から出てきたのは・・・銀色のリングだった。
「ありがとうな。」
そして、ヤマトがその指輪を太一の『左手の薬指』にはめた…と同時に、何処かの教会のであろう鐘が鳴り響いた。
「なんか…すんげぇカッコイイなv」
太一の顔は、笑顔で溢れていた。…そしてまたキスをした。
「メリー・クリスマス、太一」
「メリー・クリスマスvvvv」
そして雪の中、二人は歩き出した。もちろん、お互いの手を繋いで・・・。

END  ◆MERRY X'MAS◆ 2001,12,25

 

         

  

 

コメント
何なんだろ・・・。ラブラブ・・・何処が?…って感じです。スイマセン…。がんばったんです…これでも。

      

 

          皆与愛様から、クリスマス・プレゼントとして頂きましたvv
          UPが遅くなって、本当にすみません(T-T)
          そして、素敵な小説を有難うございますねvv
          
          本当なら、この素敵な小説が、もっと早くにお目見えしていたのに……xx
          のろまな管理人をお許しください。m(_ _)m
    

          そして、皆与様、本当に素敵な小説を有難うございますねvv