登山のいろいろアラカルト


尾根 (藻岩山) (札幌岳(大雪山) (富士山  岩 (小樽赤岩  沢 クワウンナイ川 アイスクライミング (層雲峡 山スキー 三段山 

登山愛好家の方に、またこれから登山をしてみたいと思われている方に、登山の代表的な形態と代表的な山を紹介するコーナーです。


尾根歩き:藻岩山(藻岩山をクリックして下さい)



 札幌の市街地にあり、庶民に愛される山、藻岩山(標高531m)を紹介いたします。登山口は複数ありますが、一番利用の多いと思われる慈恵会病院の登山口から今回は画像を入れて紹介します。時期は2008年6月初旬で春の花は終わり、木々が盛んに芽吹いている季節でした。

 登山口の標高は70mで、標高差は441m、コースタイムは上り1時間と少し、下り40分内外。平日でも登山者は数十人、毎日体力維持やトレーニングで上る人も多いようです。回数で多い人は今まで3,000回を数えると言う方もいます。

 2008年5月26日、75才で二度目のエベレスト(8,848m)登頂に成功した三浦雄一郎さんは次のように語っています。「帰国後は札幌に帰り、ゆっくり休み、私の原点でもある藻岩山や手稲山に登りたい。北海道の自然は宝物。『山登りをしろ』と言うわけではないが、自然の中で健康に生き、それぞれの立場で何かに挑戦する人が増えてほしいですね」

 海外遠征のためや、ハードな山に行く前のトレーニングのために10〜20Kgのザックを担いで、汗だくで上る人、何にも持たず手ぶらで上る人(頂上には売店もあり自販機もあります)と様々です。

 少し困るのは、小中高の集団登山で100〜200人と行き交うことです。明るく溌剌とした若者に会うのは楽しいのだが、一人ひとりが礼儀正しく 「今日は!」 と言われると、挨拶を返すのに疲れてしまう。向こうはこちら一人だが、こちらは200人・・・ちとツライ。


病院やお寺の広い駐車場に失礼 綺麗なトイレ                                   いよいよ歩き出す   33箇所にお地蔵さん クマゲラの巣

 
                         初夏の花                                          台風の後の被害看板     大木を下から眺める

  

                   サルの腰かけ     エンレイソウ     勾配がきつく、階段が  クマゲラが彫ったのかな! エゾリスのえさ箱    頂上が


    木の芸術        つづら折        標高320mの分岐 札幌市内が木々のこずえから   北の沢分岐     鳥の巣箱が多数     台風の爪の後


  頂上直下は岩    頂上の建物                                              売店      レストランも         クマゲラの写真


 屋上から札幌の遠景      豊平川の橋をアップ     札幌ドームをアップ   建物屋上の案内板      屋上のアンテナ      手稲山   かすかに恵庭岳  

 藻岩山は、登山家岩崎元郎新日本百名山にも選ばれている。この山は北海道では珍しく、四季を通じて登られている数少ない山のひとつです。冬も毎日登る人がおり、しっかりトレースが付いているので、長靴で登れます。軽アイゼンがあれば歩きやすいでしょう。特に冬に多く見られるのが、キタキツネエゾリスです。登山中の人がジッと見つめているので直ぐ分ります。森の中で、しかも札幌の大都会の近くでお目にかかると感動することでしょう。

 その他、よく見かける動物はクマゲラ(最近は見かけてませんが)、そのクマゲラの巣に土を埋め込み小さくして外敵に備えるゴジュウカラ(写真一段目右端の巣が、乗っ取った巣)、エゾライチョウです。

 一方、我々の目を楽しませてくれる植物の花も多く、札幌の市内から数分で眺められる恩恵に感謝したいものです。頂上に行かずとも、登山口からわずか30分程度のハイキングでも見ること可能です。エゾエンゴサク福寿草ニリンソウエンレイソウカタクリマイズルソウシラネアオイヒトリシズカスミレなど。



尾根歩き:札幌岳

札幌の奥座敷、定山渓から車でわずか15分程度で登山口に付く、アクセスの良い山である。最もポピュラーな登山コースは冷水沢コース。名前の通り川沿いに登山道があり、夏は清涼感充分である。2008年6月8日。

登山口は標高350mほど、頂上は1,294m。コースタイムは上り3時間、下り2時間。中間点に冷水小屋があり、美味しい冷たい水の恩恵に預かる。

札幌岳から二時間で縦走路を行くと、これまた札幌市民に慕われている空沼岳に行く事ができる。 

         
 広い駐車場       最初は林の中を       傍らに川の流れ     登山道は整備         早くもエンレイソウ   芸術的な落葉樹林    落葉林の道は柔らかい   

        
 渡渉が何度か      綺麗な川が涼を呼ぶ    登山道と並んで川が    踊子草         タチツボスミレが愛らしい  衣服を着た木?    林道出会いで一本      

       
  ニリンソウ        シラネアオイ         冷水小屋(北海学園大学ワンゲルOBが維持) 小屋前の冷水          ムラサキヤシオツツジが登山道の両側に満開 

       
  冷水小屋からは急登    白樺林が美しい    チシマザクラが見頃    台風の爪あと       寂しい頂上の看板      ハクサンチドリ      分岐の案内板

              

                         エゾノリュウキンカ                                   クルマバつくばね草



尾根歩き:大雪山

 2008年7月5〜6日、高山植物の開花時期に大雪山系をのんびり歩いてみた。今回は層雲峡から大雪ダムを通り、「遊々林」のテント場に泊まり、翌日銀泉台登山口から赤岳、白雲岳、緑岳を登り大雪高原温泉に下山するコースである。山のそれぞれの頭文字をとり、赤・白・緑いわゆる三色登山と言うそうだ。

   
    「遊々林」で前夜祭は焼肉、体力増強?        登山口の銀泉台(1517m)      銀泉台:トイレ、水場と完備              雪渓に涼を感じる


   
     チングルマ                     エゾコザクラ                   キバナシャクナゲ                   第2花園と雪渓


   
    高山植物の女王、コマクサ                 エゾコザクラ、スミレ             ツガザクラ                   赤岳(1978m)


   
      エゾノリュウキンカ                      白雲岳を臨む                   白雲岳(2229m)           白雲岳避難小屋


    
 白雲岳から旭岳(2290m)方面を臨む   エゾノリュウキンカと池塘(白雲岳避難小屋周辺)      たおやかな緑岳          大雪高原温泉の露天風呂





尾根歩き:富士山

 「富士山、一度も登らぬ阿呆に、二度登る阿呆」と言われ、未だ世界遺産になれない富士山(3776m)。老若男女問わずに知られ、愛される富士山はやはり日本一の山である。新幹線や飛行機から見る富士山ほど秀麗で見事な山は世界一であろう。今や登山者の3割は外国人である。年間20万人が登る山である。

万葉集の中には、富士山を詠んだ歌がいくつも収められている。「田子の浦に うちいでてみれば 真白にぞ ふじの高嶺に 雪は降りける」

ヒマラヤやヨーロッパアルプス等の海外遠征のために、高所訓練で高山病対策として行く人も多い。また、五合目までは観光バスが行くので観光客が非常に多いのも富士山の特徴だろう。
2008年7月15〜16日のまだ混雑しない頃合を見て、何度目かの富士山を河口湖口から吉田口登山道で頂上を目指した。標準タイム登り5時間、下り3時間。

    
          富士山遠景                五合目バス案内所・切符売り場     大型バスがひっきりなしに、東京・新宿から2時間と少し 土産物屋がズラリ


   
  富士山は信仰の山、鳥居が沢山             5合目から6合目までは馬にも乗れる。馬車も・・・       さあ〜出発         7合目、杖1,000円、焼印300円


     
最盛期は三歩進んで二歩下がる   山小屋は40件内外、5年前から殆どのトイレがバイオに  吉田口頂上の山小屋、山口屋本店(3700m) 山小屋内部。消灯夜7時、起床朝4時。


    

  3000m、そろそろ高山病で頭痛が・・・        八合目の鳥居、この辺は岩場         頂上の浅間(センゲン)神社、神主さんも待機      須走り下山口 

  


 

 岩登り:小樽赤岩




    
立派な看板 トイレもあり         駐車場完備  ハーネス(安全ベルト)を付けてクライミングシューズを持って準備完了     ハーネスに8の字結び


    

        支点は複数から、流動分散でスリングを掛ける      支点に自己確保をして、リード(トップ)の確保   トップはヌンチャクでランニングビレイ(中間支点)をして ザイルを伸ばしていく



    (以下、画像提供:札幌ピオレ山の会、なおさん)


     


               

    
 

 札幌地区の岩入門や岩トレでは必ず訪れるのが、ここ小樽・赤岩です。青い海原を見ながらの岩登りは爽快な気持ちにしてくれます。2008年5月。
クライミングで、プロテクション(確保点)をとりながら登っていくリードの人は熟練者。ロープが自分より下にある登り方で先頭を登ります。 先頭が固定したロープで登る方法をトップロープと言い、あらかじめそのルートの終了点からロープをおろして、ビレイ(確保)をするクライミング形態。クライマーが登る方向にロープが伸びているので、安全性が高く、主にクライミングの練習のときに使います。

 今年(2008年)4月に札幌を訪れた、世界的なクライマー山野井泰史・妙子夫妻もここ赤岩を訪ね、クライミングを楽しんでいました。

けんすいかこう【懸垂下降】(ザイルを使って岩場や氷壁を降りること。ザイルを二つ折りにして岩角などに架け、下に垂らす。エイト環など下降器具を使ってザイルと器具との摩擦によってゆっくり降ることができる。)を覚えて、実際に初めて訓練しスタートするのもここからです。

岩登り:自己確保とリードの確保(画像)


沢:クワウンナイ川




「岳人」2007年7月号特集「日本の渓スタンダード10」でクワウンナイ川が紹介されている。沢のぼり≠ニいう日本独特の登山スタイルを確立した登山家、高桑信一が推薦しているのがこのクワウンナイである。

文中の一節「本州では類を見ないスケールの大きな渓相、延々と続く美しいナメ、沢を詰め上げると広がるお花畑・・・・。クワウンナイ川には、魅力がぎっしりつまっている。空は高く、冷涼な空気が心地よく、沢はキラキラと水色に輝く。川幅は広くゆったりと流れ、大河の趣。なんといってもこの沢のハイライトは、滝の瀬一三丁だ。

舗装道路のような平らな沢床に水がサラサラ流れる。これが約二`も続くのだから驚きだ。ここへ来れば、だれもが満面の笑みを浮かべ、思わず有頂天になり、ラインダンスのように足を上げてステップを踏んでしまうだろう。」とある。

また、「日本の三大ナメ沢」として、クワウンナイ川を上げる登山家が、9名中5名もいた。それほどクワウンナイ川は人気の沢なのであろう。

      
先ずは今夜の夕餉の材料確保    オショロコマを人数分         テン場で焚火と楽しい語らい        大滝                  涼しい沢登り


     

  心和ませるムラサキヤシオツツジ      延々と続く滝の瀬十三丁       7月と言えど雪渓が        エゾノリュウキンカが美しい      最後はトムラウシ山頂上へ

                                       2007年7月



アイスクライミング:層雲峡・銀河の滝





   
柱状節理の壁で両サイドは200m、大雪山の高原から水は流れてくる。ここ銀河の滝は標高差120m、ルート延長200m、幅は下部で40〜50m、上部で5m。傾斜は下部が70〜80度。靴にはアイス用アイゼン、手にはアイスバイル、怪獣の様に氷の壁を登る。トップロープは上からザイルで固定して確保されているので恐怖感は無い。カキ〜ン、カキ〜ンとバイルが決まると気持ちが良い。




かすか下には、観光名所となっている銀河の滝駐車場(写真左から3枚目))が見える。この時期は東南アジアからのバスツアーが多く、今日もバスが20台ほど並んでいた。滝を登るクライマーを不思議そうに見ている。
                                                                                                                                                                                2008年2月23日



山スキー三段山

 十勝岳山域の三段山。宿泊は白銀荘、町営で安い。素泊まり3000円弱、食事は皆で自炊。ここの露天風呂がすこぶる良い。湯船がこれまた三段になっており、熱さが違う。周囲は雪の山、程よい石を枕代わりに頭を乗せ、天空を眺めると粉雪が顔に当たり、冷やりと何とも気持ちが良い。
 ここのフィールドは広い。昔、スキー場の予定で作ったと言う三段山、字の如く三段山である。山域には十勝岳、富良野岳も控えて山スキーメンバーが多数入山する。宿泊施設、温泉と山、三拍子揃っているのが人気の所以だろうか。                                                         2008年2月16日





 スキーにシールをつける          山スキーの金具       平地はかかとを金具の一番下に      坂になると2段目に             急登になると三段目