天使祝詞
の★
ついつい、の★氏には図抜けた作品を期待してしまうのは申し訳ないと思います。それに対して、毎回新しいものを開拓しようとする作者の姿勢には頭が下がります。
「初めに言葉ありき」という聖書の一節を思い出しました。主人公は人の造りし「言葉」というものが、人を傷付けたり欺いたりする原罪のような存在であると考えています。しかし、園長に導かれ御堂で過去を振返るうちに、言葉は神の造りしものであるということに気づきます。「光あれ」という言葉で光が生まれたのです(けっしてMPが回復したのではありません)。主人公の救済を子どもたちの祝詞が祝福してくれます。
定型的な物語ではありますが、親切さに少し欠けるように思われます。救済の過程がもう少し緻密に描かれていれば分かりやすい作品になったのにと思われます。
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