赤と青
けい
この作品は「赤は努力の色、青は才能の色。私は赤を大事にする人間になりたいと思います」という言葉をどのように読者が捉えるかによって、評価が変わってくると思います。もしも読者が「ああ、そのとおり。良い言葉だな」と思ってくれたなら、一応の成功と言えるでしょう。しかしながら、読者というものは疑り深く、また意地悪なものです。なかなか作者が肯定的に書いたものを受け入れてはくれません。そのためにはそれなりの仕掛けと努力(あるいは天賦の才?)が必要です。
なぜ社長が採用しようと思ったのかについて書いてあれば、もっと分かりやすかったと思います。作者にとってはこの言葉を示すだけで読者にも分かるように思われるでしょうが、その辺りに丁寧さが欲しいと感じました。説得するような作品でも困るのですが、読者をうまく誘導する手管を身につけたいところです。
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