「彼女」

「彼女」

soichi

 作品としてはまだ纏まっていない感じです。物語の断片だけが並べられていて、どこに力点を置いているのか分かりません。「朝起きて、歯を磨いて、朝ご飯を食べたら美味しかった。持っていくものを揃えて、家を出たら犬がいた……」という遠足の作文に似たものを感じます。作者が知っていることと読者が知りうることの区別が出来ていないのではないでしょうか。もしかしたらかなりの部分で実話をなぞっているのかもしれません。
 彼女がどういう人物で、主人公が彼女に対してどう思っているのかを描くようにすれば、作品の見通しが格段によくなると思います。不要な部分を削り、物語を整理してみてはいかがでしょうか。