Escape zone

Escape zone

鳥頭

(一次予選得点:16.3)

 最後の結論があまり説得力を感じさせないのは、狙いなのでしょうか。唐突に合理化のための理屈を出してみても、それこそが「Escape zone」なのだという意味合いなのかとも思えますが、はっきりとしません。これでは読者が戸惑ってしまいます。作品で描かれていない部分(「体ががたがた震えるの、寒くなんて無いのに。」に続く場面)をしっかりと書き込む勇気を期待します。
 細かな表現では、以下の点が気になりました。「それでも何とか今までやってきた。だからもう、ぜんぶ止めてしまおうって」は「だから」が指し示すものが遠すぎて、分かり難くなっています。送り仮名の問題ですが、「静にしてと叫ぶ声も無く」は「静かにしてと〜」とした方が自然です。最後の「逃げ道なんてどこにも無いね」はタイトルの「Escape zone」という語と微妙に意味がずれています。どちらかに揃えた方がいいと思います。