そろばん島サバイバル
ヒモロギ
(一次予選得点:16.9)
この作品の作者が何を作品世界に投影しているのか、正確には判断できないのですが、「そろばん島」につまらない現実世界を託しているように受取りました。社会を舐めるわけではないが一方、現実社会は思ったほど立派なものではない、という作者の考えがあるように思われます。大衆という愚かで単純な始祖鳥に迎合することで、生きていくには不自由しない。算盤尽くで世間を渡り、時には神にでもなれる。それがいかに自分を堕落させていくものであるか。そう言いながら、作者は始祖鳥を捻り続けるのだと感じました。
さてこういう解釈も出来うるということではありますが、作者の意図は違うかも知れません。ともあれ、抽象的な中に丁寧に情景の描写があり、それなりに楽しめる作品になったと思います。
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