頷く

頷く

風祭 にぎり

(一次予選得点:17.5)

 「ゆるし」という形でしか関わり会えない家族のありようが描かれた作品です。ここでいう「ゆるし」とは娘の生き方を許すことであり、主人公のいままでのありようを許すことであり、母親の無力を許すことです。子供が成長するに連れ、許しあうことでしか家族を維持して行けなくなるというのはたしかです。主人公の頷きはそうした事実を認識した悲しみなのでしょう。
 全体に短い中に多くのものを詰め込みすぎている印象です。事実関係の説明があらすじをなぞるようになっています。場面を絞るか、より長い作品にする必要があるでしょう。