子ども部屋

子ども部屋

小副川

(一次予選得点:18.3)

 構成に凝った作品ですが、分かり難くなっているのも事実です。子供に対する主人公の思いがもう少し描き込めなかったものかと残念です。この作品の主人公は「僕」という一人称を使っているのですが、これは主人公を未成熟に描きたかったからでしょうか。妻の無条件な優しさに三年の時間を取戻していく主人公の変化にもう一段の必然性を感じさせて欲しいと思います。タイトルの「子ども部屋」から少し踏み出せる作品です。