インターネットカフェ〜青の時代〜

インターネットカフェ〜青の時代〜

狂本政樹

 ザリ課長と好対照の作品ですね。どちらも連作の形は取っていますが、ザリ課長が毎回内容が違っている(統一感が無い)のに比べると、こちらは割合同じ雰囲気が出ています。それが良いとか悪いとかいう問題ではないですが、多分作者のスタンスの問題なのでしょう。
 「途中、通行人と肩がぶつかり「七年殺し」を喰らわせた。会心の一撃であった。警察で食べるカツ丼はひと味違う」は良いですね。スピード感が抜群です。文三つでで数時間から半日は経っていますからね。一方「右へ右へと練り歩く」という意味不明の文もありますが。他にも「帰路した」という表現も別段活きているようには思えません。全体に文の推敲はあまりされていないようで、未整理な部分を感じます。未整理でも良いのですが、それが効果を挙げているかどうかですね。
 最後のまとめ方も大変上手いと思います。一味違います。