星が輝くとき
ヤマワキ
意図が今一つ分かりかねるのですが、ドキュメントとして書かれたのでしょうか。だとすれば、意欲的な試みですね。しかしながら、ドキュメントの体をなしていないようにも思われます。
近藤投手は記憶に残る投手であり、カーブには独特の物がありました。私ですら憶えているくらいですから、野球に詳しいものならばここに書かれていることのすべてはともかく、ある程度のことは知っていると思います。ドキュメントを書く上で重要な点は「知らない人でもわかる書き方をする」ということと「誰も知らないことを書くか、誰も目を付けない方向から解析を加える」ことだろうと思います。そしてこのような作品なら、主人公の人間性や感情を活写することが不可欠かと考えます。
この作品では、まるで見合いのための釣り書きのようで、近藤真一投手の生き様が感じられません。単なるニュース報道をなぞって見せるあたりに狙いがあるのかもしれませんが、どうも不満が残ってしまいます。もうすこし重要な場面を絞って密度の濃い作品を書かれることを期待します。文字数が大幅に超過しているのももったいないと思います。
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